【白水の滝】豊の国名水15選にも選定された岩の間から大量の湧水が流れ落ちる竹田市荻町の名瀑
大分県は温泉だけではなく、"水"の豊かな地域としても有名ですよね。
ということで今回は、豊の国名水15選にも選定された岩の間から大量の湧水が流れ落ちる竹田市荻町の名瀑『白水(しらみず)の滝』をご紹介します。
場所
『白水の滝』は、竹田市荻町「陽目(ひなため)キャンピングパーク」内にあります。
駐車場は、お食事処「陽目の里名水茶屋」手前の駐車場をご利用ください。
茅葺き屋根の建物がお食事処「陽目の里名水茶屋」です。
『白水の滝』までの道程
『白水の滝』までは、駐車場から徒歩15分ほどかかります。
『白水の滝』の遊歩道にはお手洗いがないため、「陽目の里名水茶屋」隣のお手洗いを使用してください。
「陽目の里名水茶屋」付近では、至る所から澄んだ水が湧き出ています。
『白水の滝』へはこの「陽目の里名水茶屋」の前を通り、木々に囲まれた遊歩道を進みます。
お茶屋跡
少し行くと、「お茶屋跡」という看板が。
この上には、江戸時代に岡藩主の中川氏が建てたと伝えられる茶屋の跡があります。
中川氏は滝見物のため度々この場所を訪れていたそうで、お茶屋跡にも小さな滝がかかっていました。
また、現在はこの場所でヤマメの餌やり体験(1袋100円)ができるようになっていました。
陽目渓谷
お茶屋跡を出てさらに進むと、途中に休憩できる東屋もありました。
そこから少し行くと開けた場所に出て、左手に陽目渓谷が見えてきます。
こちらの川は、大分県の中央部を流れ"母なる川"とも言われる大野川の源流としても親しまれています。
秋になると紅葉も美しいそうですよ。
川岸の岩肌から流れ出る湧水
遊歩道右手には岩から水が流れ出ており、小さな滝を作っているところが何箇所か見受けられました。
こちらの岩は27万年前にできた火砕流堆積物で、『白水の滝』に湧き出る水より遥か昔に降った雨がこちらから湧き出ているのだといいます。
白水の滝
岩肌から流れる湧水のそばには、記念碑などの建った広場のような場所があります。
記念碑の隣にある橋を渡れば、あと300mで到着です。
階段を登っていくと、2本の滝が見えます。
私は一瞬「ここが白水の滝かな?」と思ったのですが、まだまだここは下の方。更に階段を登らなければなりません。
しばらく登ると、素敵な風景が広がる場所もありました。
そこからもう少し階段を登れば、こちらが豊の国名水15選にも選定された『白水の滝』です。
範囲が広く、右側にも滝がかかっています。
突き当たりには、滝を見るための特等席が用意されていましたよ。
『白水の滝』について
『白水の滝』という名前の由来には、二つの説があると言われています。
一つ目は、「糸幾筋もの滝の水が、白く糸のように見える」ことから付けられたという説。
二つ目は、「99本の滝筋があり、100に1つ足りなかったので、百から一の横棒を抜いて白水の滝とした」というものです。
そんな興味深い名前の由来をもつ「白水の滝」の特徴は、高い岩壁の上部にある割れ目から大量の水が流れ落ちているところです。
落差は約38mといわれています。
上部の水の湧き出る岩は13万年前の火砕流堆積物であり、滝の両側や後方は滝より高い山地になっています。
その山地やそこに繋がる高原に降った雨が、巨大火砕流噴火による堆積物火に浸み込み地下水脈となり、火砕流堆積物の柱状節理や亀裂を通り崖の上部からの湧水となり放出されているそうです。
平成19年には国の登録記念物にも指定された『白水の滝』ですが、明治34年に井路が通水し滝の水を取り入れ広大な土地を開田するまで、100m先にも白い湧水が飛び散る"日本一の飛泉"と讃えられ各地から多くの人々が見物に訪れていたのだとか。
『白水の滝』から戻ると、「陽目の里名水茶屋」の方々が店の前に"ほうじ茶"を用意してくれていました。
古くは岡藩主・中川氏からも愛されてきた『白水の滝』。
みなさんも雄大な滝の姿と、地元の方々の優しい心遣いに癒されに行ってみてはいかがでしょうか。