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「袴田事件」の過酷な取り調べを静岡新聞社がVR化 実際の音声使い再現

おたくま経済新聞

「袴田事件」の過酷な取り調べを静岡新聞社がVR化 実際の音声使い再現

 静岡新聞社は8月26日、1966年に県内で発生したみそ製造会社専務一家4人殺人事件、通称「袴田事件」を扱ったVRアプリ「『最後の砦(とりで)』VR」をリリース。

 実際の取り調べ音声を使い、再審請求中の元死刑囚、袴田巌さんが受けた過酷な取り調べを追体験する内容となっています。

袴田さんが取り調べを受けた警察署の取調室を、当時の写真や図面をもとに3Dモデル化

 「袴田事件」とは、1966年6月に静岡県清水市(現・静岡市清水区)で発生した殺人事件。当時41歳のみそ製造会社専務の自宅から出火し、焼け跡から一家4人の遺体が見つかりました。

 警察は強盗殺人容疑などで、会社の住み込み従業員であった袴田さんを逮捕。袴田さんは勾留期限間際に自白を行いましたが、取り調べでは自白の強要などが行われたとされ、その内容に強い疑義が呈されています。

 公判で袴田さんは一貫して無実を訴えましたが、1980年に死刑判決が確定。その後、袴田さんの姉、ひで子さんが2008年に第2次再審請求を申し立て、静岡地裁は2014年3月に裁判のやり直し「再審」の開始を認定しました。

 これにより袴田さんの死刑と拘置は停止され、約48年ぶりに釈放されましたが、裁判はいまも続いており、9月26日には静岡地裁で再審に対する判決が予定されています。

 アプリでは当時の写真や図面をもとに、袴田さんが取り調べを受けた警察署の取調室を3Dモデル化。

 さらに取材班が入手した実際の音声を使用して取り調べの一部を再現し、袴田さんが受けた取り調べの過酷さや不毛さを追体験する内容となっています。

 このほか、アプリでは再審開始までの軌跡など、再審法と袴田事件をテーマにした静岡新聞のキャンペーン連載記事も閲覧することが可能。自白強要を主眼とした当時の取り調べの問題点や死刑冤罪、日本の再審問題に焦点を当て、多くの人に関心を促すものとなっています。

 「『最後の砦』VR」(通称「VR袴田事件」)と題されたこのアプリは、Meta社のVRヘッドセット「MetaQuest」に対応。同社の公式ストア「AppLab」から無料でダウンロードできます。

情報提供:静岡新聞社

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024082906.html

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