家電の中で注目を集めるドライヤー なぜ人気?
きょうは、ある「家電」の話です。
コロナの巣篭もり需要で家電の需要は高まりましたが、物価高を背景に、家電の市場はここ最近は下降傾向が続いています。
そんな中で、需要が大きく伸びているのが「ドライヤー」。
調査会社の富士経済によると、2025年の市場規模予測は715億円で、2022年と比べて68.2%増。ドライヤーがすごく売れています。
インバウンドの方が買っていくかと思いきや、国内需要も高くなっているようです。
男性客増加中 売り場から見える変化
実際にどんな人たちが購入しているのか、ビックカメラ池袋本店 ビューティー家電コーナーの片桐 未藍さんのお話です。
ビックカメラ池袋本店 ビューティー家電コーナー 片桐 未藍さん
男性のお客様が体感3割から4割ほどで残りが女性のお客様です。男性のお客様の購入される割合も増えてきていると実感していて、以前は男性のお客様はそこまでドライヤーにこだわってる方が多くありませんでしたが、最近は高性能なドライヤーをお求めの方が非常に多くなってきています。今、話題なのがスカルプケアができるようなドライヤーで、例えば頭皮マッサージができるアタッチメントがついていたり、低温で乾かすことができたり、そういったドライヤーが非常に人気です。
スカルプ=頭皮。最近は髪を乾かすだけではなく、「頭皮や髪をケアする」という意識でドライヤーを選ぶ人が増えています。
そして、男性利用者も年々増加。いまでは3~4割が男性のお客さんです。
売り場を見たところ、特徴が違うドライヤーが並んでおり、「風量アップ型」「低温ケア型」「自動温度調整型」「軽量タイプ」「頭皮マッサージ付き」など、とにかく種類が豊富。
特に、価格が3万円前後の高機能モデルが人気だそうで、これまで売れていたドライヤーは低価格帯のものが6~7割占めていましたが、最近は高価格帯と半々ほどになったそうです。
乾かす派?こだわる派?街で聞くドライヤー意識
では、実際にみなさんどんなドライヤーを使っているのか、街で聞いてきました。
「あついぬるいなど調整できて肌スキンモードもついているもの。値段がピンからきりまであった中のちょうどミドルタイプの価格帯。3万から4万円と一番高いの12万円台ぐらいしたので、間を取りました。」
「パナソニックのドライヤー使ってますね。温度が高すぎない風量で乾かすみたいなやつ。髪傷んじゃうんで温度が高すぎるとタンパク質がダメージ食らってパサパサになっちゃうんで。」
「ホットとコール結構いろいろ風が弱くなったり、髪に良いような感じになったりっていうものですけど、普段大体ホットとコールしか使ってない(笑)」
以前は髪の長い女性が使う家電というイメージもありましたが、話を聞いていると男女問わず、髪を乾かすだけの人もいれば、風の温度や風量までこだわる人など様々でした。
一方で「こだわっていない」という人や、「髪の毛が少ないからドライヤーは使わない」という人もいました。
短髪でも要注意 乾かさないと頭皮トラブルに
ただ実は、ドライヤーを使わないことで、頭皮トラブルにつながってしまうこともあるそうです。東京八丁堀皮膚科・形成外科 院長の平山真奈さんのお話です。
東京八丁堀皮膚科・形成外科 院長 平山真奈さん
自然乾燥だと、蒸れたまま乾いていきますので、その蒸れた状態によって頭皮の環境でカビが湧きやすくなる。肌トラブルを感じてるって肌が察知すると肌から出てくる油の量が増えてしまいます。肌から出てくる油が増えると、髪の毛が生えていく環境の邪魔になったり、こもった臭いが増えてきてしまうという悪循環にはまってしまいます。髪の毛の長さには関係なく、頭皮の環境は蒸れることで悪くなるので、ドライヤーは必要かなと思います。
つまりドライヤーは髪のためだけじゃなく、頭皮の健康のための家電。髪の量に関係なく、頭皮を守るためにドライヤーは使った方が良いそうです。忙しかったり、面倒だと思っている方も、せめて根元や後頭部、特に耳の後ろだけでも乾かすのがポイントだそうです。美容家電がこれからも伸びていくのか注目していきたいですね。