<再婚アリ?ナシ?>元旦那の提案にドキッ「やり直したい……」今度は上手くいく!?【まんが】
私、アイは3人の子ども(マモル10歳、サトシ6歳、ヒロト2歳)を育てているシングルマザー。元旦那のキイチとは2年前に離婚をして、私が子どもたちを連れて家を出ることになりました。それ以来、親子4人でアパートで暮らしています。離婚をしたとき、キイチとはとても険悪な雰囲気で「もう顔すら見たくない!」と思っていましたが、今となってはそれも過ぎたこと。現在は子ども3人を会わせるときも、以前よりずっと楽しい雰囲気で一緒にいることができています。キイチも「一緒にいると楽しいな」と言ってくれますし、なにより私もキイチとの面会の日を楽しみにしています。
父親が一緒に暮らしていないせいか、長男のマモルはとても面倒見がいい子に育ってくれました。今では弟2人のお世話をよく手伝っています。決して裕福な暮らしではないものの、優しい子どもたちに囲まれてとても幸せです。元旦那であるキイチとも、今となってはいい関係を築けていて、子どもたちは面会の日を指折り数えながら待っているほど。そして今日はその面会の日です。
私たちは待ち合わせの場所に向かいました。
キイチとの面会は、食事をしてそのあと公園で遊ぶというコースが多いです。これは子どもたちからの希望。キイチが子どもたちに「どこに行きたい?」と聞くと、決まって「お父さんと公園でサッカーしたい!」と言うのです。
息を切らせたキイチが、私が座っているベンチにやってきました。私はキイチのために、水筒に入れてきた麦茶をコップに注ぎました。
少しの沈黙のあと……。 麦茶を飲み干したキイチが私の横に座り、話を切り出しました。
「俺たち……やり直せないかな」「え?」キイチの言葉に驚きました。
「もちろん都合がいい話だって思われるのは理解してる。一度は離れた仲だもんな……。マモルだって転校までしてるわけだし、二つ返事で受け入れてもらえないこともわかってる。それでも”やっぱり一緒にいたい”って気持ちが強くなっていって」キイチが打ち明けてくれた気持ちを、どう受け止めたらいいのかわかりません。
キイチからの突然の告白に、私は驚いてしまいました。確かに私はキイチのことが嫌いになったわけではありません。そして子どもたちもキイチにはよく懐いているし、毎月会える面会日をとても楽しみにしています。ひょっとしたら今また家族に戻れば、次は上手くいくのかもしれません。しかしそんな簡単な話ではないというのもよくわかっています。簡単ではないからこそ、しっかりと考えなければ……。私は一体どうしたらいいのでしょうか。
「復縁ありえない!」「父親と一緒がいいはず」友人の意見は真逆
キイチからの提案に悩んだ私。どうしても誰かに相談したくて、学生からの友だち2人に意見を仰ぐことにしました。今回声をかけたのはサチとマリノ。2人とも既婚者で子どもがいます。お互い家を空けるのが難しいため、子どもたちが寝たあと夜にリモートで話をすることに。
この間、「復縁したい」って言われたんだ……。私が切り出した話に、2人はしばらく考え込みます。
少しの沈黙の後、先に口を開いたのはサチでした。
「それに離婚したとき、アイが引っ越したんでしょ? そのせいで……とは言わないけれど、マモル君だって転校することになったわけじゃん。もし再婚したら、また前の家で暮らすんでしょ? そしたら前の学校に戻るってことじゃん」サチの鋭い意見に、私はうなずきました。
サチの指摘は的確です。もし再婚をしてうまくいかなくなったときには、「詰んだ」状態になってしまう可能性だってあります。だからこそ慎重に考えるべきだということなのでしょう。 「再婚は無理なのかも……」そう思いはじめたそのとき、今度はマリノが口を開きました。
「あのときは私もヒロトが生まれたばっかりで、全然気持ちに余裕がなくて。キイチもちょうど転職したタイミングだったから、仕事がかなり大変だったんだよね。それでお互いに気持ちがぶつかって、離婚することになったの……」言葉にして振り返ってみると、離婚するほど大変だったのは事実です。
友だち2人と話し合ったことで、私は自分の気持ちが少しずつ整理されていくのを感じました。サチが「子どものことを考えたら元サヤなんて絶対にありえない」と考えるのも理解ができますし、「むしろ元旦那と復縁するなら安心なんじゃない?」というマリノの意見も一理あるように思えます。きっと「どちらかの意見が絶対に正しい」ということはないのでしょう。ひとまずマリノのアドバイス通り、両親の意見も聞いてみようと思っています。
両親に相談「復縁、ハズかしい」?父親の本音と母親のやさしさ
私はおそるおそる話し始めました。私は父とあまり折り合いが良くないのです。父は決して悪い人ではありませんが、ハッキリと物事を主張するタイプ。しっかりと意思表示をするのが苦手な私は、昔からあまり好きになれませんでした。とはいえ父も孫にはとても優しいので、最近は以前よりも関係が少しだけ良くなったような気もしています。
私はキイチや私の気持ちを丁寧に説明しようとしましたが、父に遮られてしまいました。
「そう簡単に決められることじゃないだろ。周りの人にどうやって説明するんだ。親戚には? 結婚式に来てくれた人たちには? なんて言い訳するつもりなんだ」父の意見はもっともだと思いました。離婚は、結婚を祝福してくれた人たちを一度裏切った形になるのでしょう。世間体を甘く見てはならないのだと、父は教えてくれているような気がしました。
「キイチ君が悪い男だとは言わない。マモルたちのことを大切に想ってくれているのもわかる。でも一度離婚したのにまた同じ相手と結婚することにしましたなんて、あまりにも恥ずかしいだろ。周りからなんて言われるか……」言い募る父。そこへ母がひょっこりと顔を出します。
「私はいいと思うよ」母の意見は父とは違いました。両親それぞれ思いがあるのでしょう。私は母の気持ちも受け止めようと思いました。
キイチとの復縁を考えているという意見は、予想通り父からは一蹴されてしまいました。しかし父も絶対に、「キイチと復縁するのがダメ」と考えているわけではないように思います。「周りの人から娘や孫たちが何かいやなことを言われるんじゃないか」と心配しているからこその意見だったように感じます。一方で母は、「自分の気持ちに素直に生きなさい」と復縁したい私の背中を押してくれました。両親とも言動は正反対ですが、どちらも私のことを大切に想ってくれていることが良くわかりました。
元旦那の歩み寄り「家族に戻りたい」しっかりモノの長男は……?
「もしまた一緒に暮らすとなると、前の家に住むことになるよね? そうなると、また転校や転園をさせちゃうことになるから……」私がそう切り出すと、キイチは同意してくれました。
「今俺が住んでる家は貸家にしてさ、俺がそっちに部屋を借りて、引っ越すのはどうだろう?」「えっ……」想像していなかったキイチからの提案に、目が丸くなります。
「今すぐに“はい、じゃあ今日からまた家族です”っていうのは難しいでしょ。アイも子どもたちも。だからとりあえず近いところに住もうよ。気持ちが揃ったらタイミングをみて学区内で部屋を探して、また5人で暮らそう」キイチがそこまで考えてくれていたとは知らず、私は少し驚いてしまいました。
そのあとも何度か話し合いをしてから少しずつ気持ちを固めた私たちは、子どもたちに話をすることにしました。
子どもたちはずっと、父親であるキイチが大好きでした。期待にあふれた言葉に少し戸惑います。私とキイチの都合に合わせてしまっていることを申し訳なく思いました。 するとマモルが……。
マモルがポロポロと泣き出しました。離婚したときには「大丈夫だよ、これからは俺がお母さんとサトシたちを守るからね」と言ってくれていたマモル。しかしもちろん父親との別れはマモルにとっても大きなものだったのでしょう。つられてキイチと私も涙ぐみました。
キイチの提案どおり、私たちはまだ一緒には暮らしていない状態です。しかしキイチは私たちのアパートの近くに引っ越しをして、5人で毎日会うようになりました。きっとまた5人で暮らし始める日は、そんなに遠い未来ではないでしょう。私たち5人はまた家族として向き合い始めました。これから私たちがどんな家族の形をとることになるのか、まだわかりません。しかし今後はお互い穏やかな気持ちで向き合いながら、ゆっくりと関係を深めていけたらと思っています。