「基本は表層狙いだけど・・」 メバリングで【ルアーを沈めた方が釣れる状況3選】
夜のメバリングでは、表層がキーで、その他のレンジは捨てていいとも言える。しかし、部分的にリグを沈めるべき状況もある。日中・真冬の低活性時・低水温時、この3つがそうだ。詳しく解説しよう。
夜のメバルは表層の魚
根魚としては珍しく、メバルは夜になると巣穴を離れて海の表層(海面直下)に浮いてくる魚だ。他の魚と比べていい目を活かして(とはいえ人間の数値でいえば0.1程度の視力しかないらしいが)、表層に落ちてくるものや海面に浮いている小魚を優先的に食おうとする。
釣りの季節は秋・冬・春と三季あり、何とも好ましいターゲットである。おまけに「表層だけを釣ればいい」のだから、これほどパターン化しやすい魚もいない。だが、単純に反応する一方で、スレやすくて賢い魚でもあるので、大丈夫だろうと内心笑っていくと苦労させられることもある。海水温の変化にも敏感で水温が下がると活性が下がり、また確実にシーズナルパターンを踏む魚であって産卵期にはほとんど釣れなくなる。
基本的に表層でちょろい魚ではあるが、魚の心理を考えると、沈めなければならない状況もあるのだ。
沈めるべき3つのシチュエーション
上述のように日中・低活性・低水温ではリグを沈める。なぜか?それぞれについて詳しく紹介しよう。
日中は「根を離れない」
ナイトメバルは表層だが、デイメバルはボトムがキーレンジとなる。明るい時間は自分の姿を見せるのを嫌って巣穴回りを離れたがらないので、ボトムを打つようにしよう。メタルジグやワームのダーティングに弱く、特に秋の序盤はこれでパターンを作りやすい。同じ釣り方ではカサゴと釣り分けられないが、同様によく引くのでいっそ楽しんでしまおう。
低活性時
メバルは活性が低いときにはレンジが下がる傾向にある。活性が下がることにもいろんな要因があるが、多いのが、アジと混泳するときだ。アジが多いと、メバルは極度に壁ピタになり、そしてレンジがやや下がる。筆者の印象では、多すぎると釣れない、とまで感じる。
産卵のために低活性となっているときにも、メバルがいるのはボトム周りだ。そもそも産卵期は極端に小食になるのでパターンを作って釣るのが難しいが、ちょっと沈めてやって、漂わせるようにリグを見せてやろう。どちらかといえば、このような釣り方をしていて、魚が食ってくる「時合い」を待ったほうがいい。
低水温期
メバルの適水温は約14℃。これを下回ると、11℃くらいからは本格的に難しくなる。あまり回遊する魚ではないのだが、巣穴の奥深くに潜るか、沖に離れるかする。なぜかといえば、冬になると変温動物である魚は代謝が極端に低くなり、そんなに食べ物を必要としなくなるからだ。
表層では簡単に食ってこないのでボトム狙いとなる。ボトムのほうが少しでも水温が高いのかどうかは、正直に言って筆者にはわからない。だが、釣り始めのアーリーメバルがボトムで反応しやすいのと同様に、何かしら海水温が決まり切らないときには、ボトムのほうが魚がつついてきやすい。
見切られたらカウントダウン
メバルは一度見たルアーは二度と食わないといわれる。これは多くのアングラーの感覚からしてもそうではないだろうか?筆者もメバルに関しては、一度ショートバイトしてきたら、必ずすぐにワームをかえる。プラグはそんなに気にせずバクバク食ってくる気がするのだが、まあプラグに食う時点でかなり高活性なのだから、そんなときには多少のことは何も関係がないのだろう。
もしメバルにワームを一通り見切られてしまったら、5カウント~15カウントまでレンジを入れて釣ってみよう。このとき大事なのが、ジグヘッドを単に重くしないこと。さっきまでメバルが反応していたヘッドウェイトで、レンジを入れるのだ。重いヘッドにスレたメバルは食わない。
とはいえ表層の魚
メバリングにおいてレンジを入れるべきシチュエーションについて語ってきた。少しでも参考になればうれしい。しかし、メバルは、上のような要素があってもなお、全面的に表層の魚であることは間違いない。0.6gくらいのヘッドウェイトが基本となる。
オカッパリで釣れるメバルは、ハイシーズンならば、沈める理由があまりない。これがボートメバリングだとまた別で、2gのウェイトを使ったりすることもあるようだが、沿岸の釣り人は表層が基本だ。
<井上海生/TSURINEWSライター>