【秦野市】曽屋の葛葉緑地 シカ被害増加に伴う侵入防止柵設置へ 公益財団法人かながわトラストみどり財団が寄附金募る
公益財団法人かながわトラストみどり財団が8月から、財団設立40周年寄附金募集事業を行っている。集まった寄付の一部は、シカによる食害などを受ける葛葉緑地(秦野市曽屋)のシカ侵入防止柵設置に活用される。
葛葉川ふるさと峡谷(通称・葛葉緑地)は土地所有者と同財団の間で緑地保全契約が結ばれ、1987年に県内の失われゆく緑地の保全に取り組む「かながわのナショナル・トラスト」の第1号に指定されている。12月末までの今回の寄附金募集事業では、葛葉緑地のほかに久田緑地(大和市)と小網代の森(三浦市)も対象となる。
葛葉緑地では2010年頃からシカが入り込み始め、ヤマビルが増加する被害が出ていた。そのため同財団の支援を受け、葛葉川からシカが侵入しないよう柵を設け一定の効果を出していたという。
しかしここ2〜3年、シカが人が通るルートから入り込み始め、定着し繁殖。センサーカメラでほぼ毎日その姿が確認されているほか、人の活動エリアにも入り込み昼間でも目撃されるように。食害も酷くなり始め、その中には貴重な植物もあるほか、特定のものばかり食べるため、植物や昆虫などの生態系が変わってしまう恐れもある。
今回はかながわ鳥獣被害対策支援センターの協力を得て葛葉川の上流300mの位置に設置するが、全体をカバーするにはまだ足りず、同緑地にあるくずはの家では「今後も川の下流など継続した設置を検討していきたい」としている。
寄付は同財団のホームページで受け付けているほか、くずはの家に募金箱を設置。寄付者は木竹札で緑地内に名前が掲示される。