ハリソン・フォード単独出演のジープCMにオトナの憧れが詰まってる ─ 監督は『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』ジェームズ・マンゴールド
多くの肝入り企業CMが放映されることも見どころの米スーパーボウルで、2025年はハリソン・フォードによるジープ社のスペシャルCMが登場した。2分間の映像で監督を手掛けたのは、なんと『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)のジェームズ・マンゴールドだ。オトナの憧れが詰まったような映像となっている。
牧歌的な雰囲気の中で、82歳のハリソン・フォードが“自由”を語る非常にアメリカらしいCM。ぬくもり感じるコテージで過ごすフォードが「人生とは長いものだ。でも、人生に取扱説明書はない」「だからこそ、我々は自分で自分の物語を書くことになるわけだ」と説く。
フォードが歩みながら「自由は誰にでもある。でも、タダで手に入るものではない。獲得するものだ。世界には本物のヒーローがいる。映画の中のヒーローとは違う」と進めると、愛犬が合流。ジャケットを羽織り、ジープのキーを取って雪の積もる外へと出る。「本物のヒーローは謙虚だ。プライドに駆られることはない。プライドとは酷い運転手だ」。
ジープの車両がワイルドに走る映像と共に、フォードは「自由とは、男のエンジンの咆哮だ。そして誰かの沈黙だ。自由とは、鼓舞する能力だ。人生で最も神聖なものは、道ではない。それを選ぶ自由のことだ」と語る。頼もしいジープ車両を駆り、自由気ままに走りながら、「誰かに手に振るために、友達である必要はない。進むべき道について、いつも意見が一致するとは限らない。しかし、その違いこそが強さになる」と続けると、「だから選ぼう。賢く選ぼう。自分を幸せにしてくれるものを選ぼう」と穏やかに語りかける。
「私の友人、家族、仕事が私を幸せにしてくれる。そしてこのジープも、幸せにしてくれる」。最後には「私の名前はフォードだけどね」とのジョークも。自動車メーカーのジープとフォードはライバル関係にあり、このCM内には鮮やかな赤いジープが砂埃に塗れたフォードを追い越すシーンまで含まれている。「それが私の取扱説明書。さあ飛び出そう。君自身で書き出すんだ」とメッセージを残し、フォードは走り去る。
ハリソン・フォード一人がゆっくり語りかけるこのCMは、豪華カメオ出演を使って賑やかに演出する他社のスーパーボウル用CMとは対照的。フォードは出演について、「脚本が良かったので、快諾しました。人生についての非常にストレートなコミュニケーションであり、最後にジープに乗るところがいい」と寄せている。