『忘却バッテリー』名言・名台詞まとめ! 野球に青春のすべてを捧げる球児たちの熱い言葉をお届けします!
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中のみかわ絵子先生による大人気漫画『忘却バッテリー』。中学時代に“怪物バッテリー”として名を馳せた天才投手・清峰葉流火と捕手・要圭が、要が記憶喪失になったことをきっかけに野球部のない都立・小手指高校に入部し、かつて自分たちが挫折させた球児たちと再び野球に打ち込む日々を描いた高校野球漫画です。
ギャグ調に描かれる男子高校生たちの日常と野球に真剣に取り組むゆえにぶつかるシリアスな問題との絶妙なバランスが多くの読者の心を掴み、2024年4月にはアニメ第1期が放送され、第2期の制作も決定しています。
本稿ではそんな『忘却バッテリー』の名言・名台詞をまとめてお届け! 本気で野球に取り組み、とてつもない努力を重ねる球児たちの物語には名言がたくさん散りばめられています。言葉から彼らの熱い青春を感じてください。
※本稿にはネタバレ要素が含まれます。
清峰葉流火
「圭じゃなきゃ俺の球は捕れない」(コミックス1巻第1話)
投手として天才的な才能を持つ清峰は、要と野球がしたい一心で野球部のない都立高校に進学しました。一方、記憶喪失で野球のルールも忘れてしまった要は、しんどい野球を断固拒否。「捕手とか誰でもいいじゃん」と言う要に対し、清峰はこちらの言葉を返します。清峰の純粋な想いが表れた一言です。
「俺の球で思い出させてやるよ 野球の楽しさ」(コミックス1巻第1話)
記憶を失って野球を拒む要でしたが、同級生・山田のサポートもあり、記憶を失ってから初めて球を捕ってくれました。そんな要に対し、自分の球で野球の楽しさを思い出させることを宣言した清峰。要の返答は「いやいやいや いいっス」と残念極まりないものでしたが、清峰の宣言通り、要は彼の球で再び野球に目覚めていきます。
「遊撃手は藤堂だろ 代える気ないからできるようになれ」(コミックス3巻第16話)
藤堂のイップスを克服するためチーム全体で取り組む小手指。シニア時代は監督から遊撃手の道を捨てて打撃を磨くよう言われ、頑張ることを否定されていた藤堂は仲間が協力してくれることに嬉しさを覚えます。そして彼の心に熱い火を灯したのが清峰のこちらの一言です。チーム1の実力を誇る清峰の言葉に痺れます。
「圭 普段 誰の球捕ってるんだ」(コミックス5巻第27話)
名門氷河高校との練習試合で打席に立った要。相手投手・巻田のパワフルな豪速球を前に手も足も出ない要でしたが、ネクストバッターサークルに控える清峰のこの一言で落ち着きを取り戻し、見事ヒットを放ったのでした。
「鈴木さん ナイピです」(コミックス7巻第46話)
甲子園をかけた西東京大会。3回戦に進んだ小手指は4回戦に控える強豪・帝徳高校との試合を見据えて清峰を温存する作戦を取ります。代わりに投手を務める2年生の鈴木は健闘するも7回で体力の限界に。ついに小手指は清峰と交代させることにしました。「ごめん僕全然役に立たなかった」と謝ろうとする鈴木に、清峰はこの一言を送ったのです。天才投手からの「ナイピ」はこれ以上ない褒め言葉ですね。
「圭が忘れろと命じるなら この耳ざわりな“応援”も この“暑さ”も この身体の“疲労”でさえ 忘れてみせる‼」(コミックス11巻第76話)
野球を始めるきっかけをくれ、幼い頃からずっと自分を導いてくれた要に全幅の信頼を置く清峰。夏の大会で強豪・帝徳高校相手に1人で投げ続ける清峰は、9回裏で体力・気力ともに限界に。しかし、「全てを忘れてキャッチボールを楽しもう」という要の言葉に励まされ、気力を取り戻し再び力強い投球が復活! タイトルを回収する名台詞です。
「俺の知る限り圭は一番尊敬してる一番すごい選手だ」(コミックス13巻第94話)
清峰とのフィジカルや才能の差を埋めるため、娯楽の一切を捨てとてつもない努力を重ねてきた要。ずっと隣で過ごしてきた清峰自身もそのことをわかっており、死に物狂いの努力を平然とやってのける姿を強く尊敬しています。だからこそ彼は要に全幅の信頼を置いているのだとわかる一言です。
要圭
「俺 ラブ&ピースで生きたいからさ こういう状況ってなんか どーにも!! 気にくわねェや」(コミックス1巻第1話)
新設野球部のクソみたいな3年生と清峰が勝負することになり、遅い球を投げる清峰を先輩たちは「ショボいな」と馬鹿にします。しかしそれは、捕手を務める山田が捕れるように合わせていただけ。清峰を見下して笑う先輩たちに怒りを覚えた要は、記憶を失ってから初めて清峰の球を捕ることを申し出ます。結果、豪速球(それでも50%の力)で先輩の鼻をくじくことに成功したのでした。
「せっかくの高校生活 葵ちゃんとも友達になりたいじゃん?」(コミックス1巻第3話)
自分たちが過去に負かした相手・藤堂葵と同じ高校で出会いますが、要は記憶喪失で相手のことを覚えていないため、余計に反感を買ってしまいます。その後、一打席勝負をすることになるも当然空気はギスギスしたまま。しかし、要のこの一言で藤堂は毒気を抜かれ、少し柔らかなムードに変化。要のラブ&ピース精神は伊達じゃありませんね。
「人の努力否定すんの禁止な」(コミックス3巻第15話)
シニア時代になってしまったイップスに苦しむ藤堂。これまで克服しようと必死に試行錯誤したものの改善しなかったことを話します。そんな彼に清峰は「努力が足りないんじゃないのか」と言い放ってしまうのです。言いたいことを全て飲み込み「できるまでやるのが努力だ」「清峰が正しい」と受け止めた藤堂。そんなとき、要はこの一言で清峰を諫めます。要の言葉で藤堂がどれだけ救われたかわかりません。
「態度でも色々伝わるもんだぜ 良かれ悪かれさ どうせなら良い方向にしようぜ」(コミックス4巻第25話)
氷河高校との練習試合で、打たれた上にエラーが重なり点を取られてしまった小手指高校。明らかに不機嫌な清峰にベンチの雰囲気は悪くなる一方でしたが、要は「エラーって運みたいなモンじゃん?」と一言。しかし当の清峰はエラーのことは覚えてもおらず、自分が打たれたことにイラついていただけでした。そんな清峰を要は諫めながら、過去に無言であっても優しさが伝わったときのことを話し、最後にこちらの一言を伝えます。2人の一連のやり取りでベンチの空気は一変して柔らかいものに。これを無意識でできてしまうのが要のすごいところですね。
「打倒智将要圭だ‼ 俺は俺を超えてみせる」(コミックス5巻第30話)
要の記憶喪失の原因が苦しい野球によるものだったのでは? というチームメイトの推測を聞いた清峰は、要に「シニアの時、オレと野球やるの嫌だったか?」と訊ねます。過去のことは覚えてないけど今は楽しいと答えた要は、その場で“打倒智将”を宣言します。努力の鬼だった智将を超えるのは至難の業。それでも「自分に負けてんの悔しいし」と高い目標を掲げた要は一層野球に熱心に取り組むようになっていきます。
「つかまっちまったなぁ」(コミックス10巻第65話)
幼い頃から天才清峰と肩を並べてプレーするため必死に努力を重ねてきた要。その結果、全国の強豪校からスカウトの声がかかります。中でもプロ養成所と謳われる大阪陽盟館高校からのスカウトを彼は心から喜び、今までの努力が報われたような気持ちでいました。しかし、大阪陽盟館は自分を清峰のバーターとして入れるつもりだという話を聞いてしまった要。その際に彼がひとり零した一言がこちらの言葉です。追ってくる才能の限界から努力で逃げ続けていた要。読んでいるこちらも胸を潰されるような感覚になる苦しいシーンです。
「過去は変えられないけど 未来なら変えられるのかもしれない」(コミックス10巻第68話)
西東京大会4回戦の帝徳高校との試合の中で失っていた記憶を取り戻した要。己の限界を突きつけられて逃げ出したはずの野球をまたやっていることにやるせなさを感じていました。「どうせやっても結果はまた同じ」だと考えたからです。しかし、絶対に無理だと思われていたイップスを克服する藤堂の姿を見て心の底から励まされ、変えられるかもしれない未来のため再び前向きにプレーするようになっていきます。
「過去は変えられない…けど 無駄じゃない ちゃんと残ってて 苦しくても 俺自身をずっと支え続ける」(コミックス10巻第72話)
要にとって過去にやっていた野球は苦しいばかりのもの。しかし、帝徳高校との試合の中で幼い頃に勉強した内容が活き、チームの誰も打てなかったエース投手・飛高の球を打つことに成功。さらに全力で本塁に突っ込み、ランニングホームランにしてしまいました。どんなに苦しい過去であっても必死に努力した過去が要を支え続けているのです。
「諦めねェ 反省は後だ 俺が悪いなら 俺が落ち込んでちゃダメだ」(コミックス19巻第144話)
要たちが二年になった年の夏の大会。準決勝で帝徳と当たった小手指は、清峰の好投で帝徳打線を抑え続けていましたが、ついに清峰が崩れ、満塁ホームランを打たれてしまいます。リードが楽しくて投手に意識がいっていなかったことを自覚した要でしたが、反省も落ち込むことも後回しにすることを決め、前向きに試合に向き合うことに。彼の智将を超える成長が垣間見える一言です。
藤堂葵
「おめーが楽になりてェだけだろ 結果は変わんねェんだ 謝んなよ 意味ねェから」(コミックス2巻第12話)
甲子園常連の強豪・帝徳高校と練習試合を行った小手指高校。しかし、要の実力不足で大敗を喫してしまいます。自分のせいで負けたことを謝ろうとする要に対して藤堂が放ったのがこちらの言葉です。きつい言葉に聞こえますが、紛うことなき真理。後々これは藤堂自身が経験したことだと判明します。
「やる 1%でも可能性があるなら」(コミックス3巻第15話)
イップスを克服するためワンバンで投げることを要に提案された藤堂。始めは「草野球のおっさんじゃねーんだぞ」と返しますが、1%でも可能性があるなら、と試してみることを決意します。優秀な遊撃手だった彼にとってワンバンでの送球は屈辱的なことであり、それでも治らなかった時の絶望は計り知れません。それでも立ち向かうことができる藤堂の強さを物語る一言です。
「俺を救うのは 俺だ‼」(コミックス10巻第67話)
夏の西東京大会4回戦で帝徳高校と戦う小手指。試合でもワンバン送球をする藤堂でしたが、王者帝徳相手では間に合わずアウトにできない場面がたびたび発生していました。そんな中、帝徳1点リードで迎えた5回裏、帝徳の攻撃でツーアウト満塁となってしまいます。緊迫した雰囲気の中、打球が自分のところに来るよう強く願う藤堂。その気持ちに応えるように鋭い当たりが三遊間へ。こちらの言葉はその打球に飛びついたときのモノローグです。この言葉通り、藤堂はノーバンでの一塁送球を成功させ、なんとイップスを克服! 自分で自分を救う藤堂、最高にかっこいいです!
千早瞬平
「神様はなぜ…“嫉妬”なんて感情を人に植え付けたんだろう」(コミックス4巻第26話)
167cmと野球をやるうえで圧倒的にフィジカルに恵まれていない千早。そんなコンプレックスに屈すまいと体重を増やす努力をしたり、俊足を生かしたプレーに磨きをかけたりと努力を続けてきました。しかしどうしても立ちはだかってくるフィジカルの壁に直面し、体格に恵まれたチームメイト・巻田に思わず「いいなあ」と嫌いだったはずの言葉を口にしてしまいます。みじめな感情を抱くみっともない自分に苦しんだ千早はこれを機に野球を辞めてしまうのでした。
「俺の脚を邪魔しないのは貴方だけだ」(コミックス9巻第61話)
甲子園出場をかけた西東京大会の4回戦で帝徳高校と当たった小手指。出塁しているのはチームトップクラスの俊足を誇る千早と土屋の2人で、彼らは強豪校相手にWスチールを試みます。しかし盗塁技術が未熟な土屋はまだ自信が持てません。そんな時、千早は胸の中でこの言葉をつぶやき、その思いを視線で土屋へ伝えます。千早のアイコンタクトに勇気をもらった土屋は千早と同時に走り出し、見事Wスチールに成功! 球場を大いに沸かせるのでした。
山田太郎
「帝徳は王者 だからなんだ キミたちだって絶対負けてない」(コミックス2巻第7話)
甲子園常連の強豪・帝徳高校と練習試合をすることになった小手指。無名の都立高校との試合に帝徳側は何の意味も感じておらず、圧のある挨拶で威嚇されてしまいます。怯む小手指ナインでしたが、山田は「よろしくお願いします」と一人大声で挨拶を返します。その際のモノローグがこちらの言葉です。チームメイトに敬意を持つ山田の姿にグッときます。
「野手たちの魂のこもった球を捕れるのはとても誇らしいです」(コミックス5巻第31話)
中学までは捕手だった山田は、高校では要にそのポジションを譲り、一塁手に転向することを決意します。後悔しないか?と訊ねられた山田は、清峰・要バッテリーの活躍を心底期待している胸の内を明かし、こちらの言葉を続けました。その顔はとても晴れやかで、心から彼を応援したくなります。
「ずっとみんなで頑張ってきたんだ 今日この試合に勝てたらその喜びでもっとチームが強くなれる そして僕も強くなりたい!!」(コミックス7巻第45話)
甲子園出場をかけた西東京大会3回戦に進んだ小手指。相手校の2点リードで迎えた5回裏でツーアウト満塁のチャンスが訪れます。打者の山田はこの日ノーヒットの自分は見くびられているだろうと推測。これまでチームで練習に励んできた日々を回想し、もっとチーム全員で強くなりたいという思いを強くした彼は、甘い球に山を張って思いっきりバットを振り抜き、相手バッテリーの鼻を明かす長打を放ちます。これにより小手指は逆転に成功! 打った後の「うちのヤマちゃんをナメんじゃねェー‼」というチームメイトの言葉にも胸が熱くなるシーンです!
「一流の選手が全力でピエロを演じるんです」(コミックス8巻第56話)
西東京大会4回戦でついに帝徳高校と戦う小手指。名門校は応援の規模も桁違いで、スタンドからはレギュラーに選ばれなかった部員たちの怒号のような声援が響き渡ります。小手指の3年・楠田が強がって「アイツら全員ピエロみたいなもんじゃん!」と口にしたところ、山田は「あそこにいる人たち全員 僕よりずっと野球が上手いですよ」と話し、こちらの言葉を続けたのです。凄まじい声援にエールだけではなく悔しさや葛藤がこもっている事を教えてくれます。
「藤堂くん(僕が捕るよ‼)」(コミックス10巻第67話)
西東京大会4回戦帝徳高校との試合は相手高校1点リードの中、5回裏帝徳高校の攻撃でツーアウト満塁となってしまいます。もうこれ以上得点はあげられない緊迫した雰囲気の中、鋭い打球は藤堂の元へ。素早く捕球した藤堂は、ほんの一瞬の中でワンバンにするか、ノーバンで送球するのか逡巡します。山田は大きな声でそんな彼の名前を呼びかけたのです。結果、藤堂はノーバンで送球しイップスを見事克服。何度読んでも胸が熱くなるシーンです。
岩崎勤
「見たところで何かできるとでも?」(コミックス5巻第31話)
清峰たちをスカウトで獲得できなかったことに多大な未練を抱えて、彼らが絡むと取り乱してしまう帝徳高校の監督・岩崎。小手指メンバーとスポーツ用品店で遭遇した際に、氷河高校との練習試合の観戦に誘ったところ千早から、敵に手の内を見せてしまっていいのか、と問われ、返したのがこちらの一言です。普段面白おじさんとして描かれがちな岩崎の監督としての真の姿が垣間見えます。
「国都 1年のお前がレギュラーを取ることの“覚悟”はあるか」(コミックス6巻第35話)
名門校である帝徳高校は多くの部員が所属しており、その中からレギュラーになれる選手はほんの一握り。3年間一度もレギュラーに選ばれない選手も少なくありません。そんな日の当たらない一部員の過酷な現実を描いたストーリーの中で、岩崎が国都に告げた一言がこちらの言葉です。名も無き球児の人知れない物語の後で放たれる監督の一言が心に重く響きます。
「選手は愛しても信じちゃいけない」(コミックス19巻第144話)
こちらは名門校を長年率いる岩崎の信条ともいえる一言です。大勢の部員を抱える帝徳ですが、岩崎は選手一人一人をきちんと愛しています。しかし、その愛する選手たちの中からレギュラーを選ぶ時、試合で選手を交代させる時、岩崎は感情を入れず実力のみで冷静に判断しています。このポリシーこそが彼が名将と称される所以でしょう。
その他
「お兄ちゃんが「こうする」って決めたことは 信じて見守ってあげるしかないんだよ」/藤堂葵の姉(コミックス3巻第14話)
こちらは藤堂の姉の言葉です。シニア時代に送球ミスで先輩たちの最後の試合に負けてしまったうえに、そのトラウマからイップスを発症してしまった藤堂。名門校からのスカウトも全部蹴り野球を辞めた兄を残念がる幼い妹に対し、姉はこの言葉を言って聞かせます。横暴に見えて弟を優しく見守る姉の姿が印象的です。
「ピンチはチャンス 相手のチャンス潰すんが一番楽しいわ」/桐島秋斗(コミックス12巻第82話)
甲子園出場をかけた夏の西東京大会の決勝は帝徳vs氷河。先発の1年生投手・巻田は4回裏で帝徳打線につかまり、二死、一・三塁となってしまいます。ピンチの場面でエース・桐島がマウンドに上がり、球場全体がここからの試合展開を注視していました。しかしそんななか、たった3球、たった40秒で桐島はバッターを三振に抑えてしまったのです。そのときに放ったのがこちらの一言。肝の据わった桐島の言葉にエースの風格を感じます。
「耳ざわりのいい褒め言葉が欲しいだけで 本気で上手くなりたいやつって案外少ないのかもな」/瀧正雪(コミックス14巻第100話)
こちらは清峰・要のシニア時代の後輩・瀧正雪の言葉です。要は誰よりも早く新しい野球の知識を仕入れるほどの勉強家で、シニア時代にはチームメイトを指導することも増えていました。しかし、自分の至らない点を正論で指摘されたチームメイトは素直にその指導を聞き入れずむしろ腹を立てる者ばかり。その様子を見た瀧はこの言葉を零すのでした。
「ヤマちゃんもチームの主力の一人だろがッ 縁下に回ってる暇はないぜ お行儀のいいこと言ってんじゃねェ チームの勝利はヤマちゃんにもかかってンだ 一選手としてもっと上手くなれ」/安藤(コミックス14巻第103話)
こちらはスポーツ用品店の店長・安藤の言葉です。2年になり主将を務める山田は、チームの主力メンバーが練習に集中できるように雑務を自分が引き受けてチームを支えたいと安藤に話します。それを聞いた安藤は、「みんなヤマちゃんに雑務押しつけたくてキャプテンに選んだわけじゃねェだろ」と言い、この言葉で喝を入れます。山田のファンを公言している安藤店長、私の大好きなキャラクターの1人です。
「自分自身と戦うことをもう諦めない‼」/陽ノ本照夜(コミックス18巻第138話)
こちらは瀧と同じく、清峰・要のシニア時代の後輩・陽ノ本照夜の言葉です。彼の兄・陽ノ本当は帝徳の二枚看板と謳われる名投手の一人。2人は幼い頃同じチームでプレーしていましたが、野球の才能とフィジカルに恵まれ、それでいて人格者である兄の存在が、照夜にとって次第にコンプレックスになっていきます。兄と別のチームを選んだシニア時代に要と出会い、そのとんでもない努力を目の当たりにした照夜は、自分が兄から逃げていたことに気付かされることに。以降、照夜は兄に挑戦し続けること、自分自身と戦うことを諦めないと誓い、練習に打ち込むようになるのでした。
「良い試合ができて良かった キミが智将要圭だ」/国都英一郎(コミックス20巻第157話)
これは一年生の頃から帝徳の四番打者を務める国都英一郎の言葉です。彼が二年生の夏の大会で再び公式戦で戦うこととなった小手指と帝徳。しかし、試合の中で急成長を遂げる要のリードを前に、国都は勝てるイメージが全く持てません。自分を見事三振に抑えた要を、国都はこの一言で讃えたのでした。
選びきれない名言の数々!
本稿を作成するにあたり、1巻から最新話まで改めて読み直したのですが、『忘却バッテリー』大好きな筆者としては正直どれも名言に感じられ、取捨選択にとても苦労しました。青春を野球に捧げる彼らの言葉はどれも心に訴えるものがありますね。今回取り上げていない台詞の中にもきっとあなたの心に刺さる名言があるはず。ぜひ原作を読んで自分の好きな言葉を探してみていただきたいと思います。