読者に聞いた!これが私の元気メシ
2024年5月10日~6月3日に募集した読者の皆さんの「元気メシ」ストーリー。たくさんの投稿の中から8人の読者の食にまつわるすてきなストーリーを紹介します。
1.特別な日のエビフライ(千葉市/ささじい)
私の元気メシはエビフライです。あのサクサク感、プリプリ感が好きなのはもちろんのこと、幼少期5月1日の夕飯は決まってエビフライを母が作ってくれました。決して裕福な家庭とは言えませんでしたが、その日だけは少しのぜいたくを感じました。また普段は頑固でしかめっ面をしている父も、その時だけは温和だったのを覚えています。なぜ5月1日はエビフライなのか。後で知ったことですが、この日は両親の結婚記念日で、2人で最初に食事したのが大衆食堂でのエビフライで、とてもおいしかったということでした。
私もそれを真似て結婚記念日に妻と最初に食事したウナギを毎年家族で食べに行っていますが、いかんせん高くつきます。その為に数ヶ月前から小遣いの一部を貯めていますが、「両親の思いを私も引き継ぎたい、こだわりたい」一心で自分を無理矢理納得させています。今ではエビフライは私の誕生日に出てきます。妻は単に「私が好きだから」という理由で作ってくれますが、なぜ好きなのか本当のところは知らないのです。
2.奏でる♪たまごサンド(千葉市/S・S・Sのママ)
突然、たまごサンドにハマった娘。娘のリクエストで、サンドウィッチのお弁当を持って、2人で動物公園へ。おいしい部分「だけ」をハーモニカのように、本当においしそうに食べる娘を見て、「その耳は私が食べるんだよね(笑)」と思いながら、笑顔と元気をもらいました。
3.パエリアパーティー!(習志野市/はな)
初めての子育てで、てんてこまいな毎日。そんな中、友達が遊びに来てくれて、みんなでパエリアパーティー! たくさんしゃべって、たくさん食べて、たくさん笑って、とっても元気が出ました。
4.食べることは生きること(千葉市/みーさん)
私の忘れられない元気メシは銚子のお魚定食です。難病を患っていて定期的に全身の発作を起こすのですが、昨年12月に病状が悪化、緊急入院をしました。入院当初は容態が悪く、食事どころか水を飲むのも禁止。腕につながれた4パックの点滴で生き延びていました。時間とともに水を飲む許可が出て、徐々に病院食になったものの、なかなか部屋から出ることは許されず、日ごろとは大きく違う食事と環境にずいぶんと滅入る日々でした。暇と惨めな気持ちを持て余して、「今日の食事はこうだったよ」と友人へ写真を送っていると、あるとき友人がこんな約束をしてくれました。「退院して自由に過ごせるようになったら好きなもの食べに行こうよ」。私は「ほかほかのお米と温かいお味噌汁の定食が食べたい」とお願いしました。
退院して数週間、その約束を叶えてもらえる日が来ました。まだ十分に動けない私を車で迎えに来てくれた友人が一言、「今日ほかに用事ないよね?車しばらく乗っていられる?」。私がうなずくと「銚子でおいしいお魚食べよう!ついでにドライブも!」そう言って高速に乗ってくれました。友人は仕事がとても忙しい人ですし、病み上がりで動きに難がある病人と一緒なので、近くで食事をするだけだと思っていた私はびっくり。同時にとてもうれしく思いました。ずっと病室の窓から外を眺めて、退院してからも自宅療養が続いていた私にとって、外の景色を思いっきり眺めること自体が久し振りでした。
行き先は知り合いに教えてもらったという地元では有名な定食屋さん。とてもぜいたくな一匹まるごとの立派な煮魚定食を食べました。友人は同じ魚の唐揚げ定食にして、病み上がりで油物が少ししか食べられない私へ「一口交換しようね」と言ってくれ、唐揚げのお魚も味わいました。海を見ながらドライブして久々のぜいたくな食事、ほかほかのご飯と温かいお味噌汁、気の利いた付け合わせの小鉢においしいお魚、そして私がもぐもぐ食べる様子を目の前でニコニコ見ている友人の顔。入院で食が細くなってしまい、「食べきれなかったら遠慮しないで残していいから」と言われていたのですが、おいしさとうれしさとで久しぶりに1人前を完食、自分でも驚きました。「ああ生きてて良かった!」おいしさとうれしさと、たくさんの喜びをかみしめたお魚定食でした。
ちなみに、その日は友人がご馳走してくれました。「食べることは生きることだから。頑張って、早く元気になってね。またどこか行こう!」。病気の体を手伝ってもらいながらきれいな海を見て少し散歩をして、忘れられない1日になりました。思い出すだけで生きる力が湧いてきます。「食べることは生きることだからね」私もいつか、誰かにそう言ってあげたいです。
5.気分上がる!彩りパフェ(白井市/ちくわママ)
私の元気がでてまた明日から頑張ろう!となる食べ物はパフェです。千葉県内にはパフェを出すお店が何軒かあるのでパートがない日、息子が幼稚園に行ってる時に時間を見つけて行ってます。その時に旬のフルーツがたくさん乗っているのでまず見た目でテンションアップ!そして口にして幸せの時間! 食べ終わって満たされ、また明日から家事に育児にパートを頑張ろう!と活力が沸きます。おいしいものを食べている時間が1番幸せです。
6.産院のイブ特別ディナー(市川市/みる)
クリスマスイブが出産予定日だった娘。お世話になった産院では、クリスマスイブに超特別ディナーがふるまわれることで有名でした。もしかしたら参加できるかも!?と淡い期待を抱いていましたが、臨月になり分娩に対して毎日震えあがっていた私を察してか、娘は予定より2週間以上早く、驚きの分娩スピードでスッポーンと産まれてきてくれました。なんて親孝行な娘だろう!と感動しつつも、クリスマスディナーが食べられなかったことは残念で、スタッフさんに「クリスマスディナー食べたかったです~」と話したところ、「2人目で頑張って☆」と返されました。
そのことも忘れた頃、ようやく2人目を妊娠。予定日は正月。姉弟そろって冬生まれかーなんてのほほんと構えていたら、息子も娘と同じく予定日より早く産まれてきました。しかもクリスマスディナーがギリギリ食べられる日に!なんて親孝行な子供たち!!!奇跡のクリスマスディナーは、七面鳥の丸焼きや巨大ロブスター、デザートビュッフェなど想像以上に超豪華な内容で、天にも昇る気持ちでした。
産まれた瞬間、親孝行以上のものを返してくれた子供たち。今でもその日の写真を見ると元気が出て、子供たちを大切にしようと思います。
7.思い出のヨーグルトケーキ(松戸市/ひさしのこかげ)
幼少期、私は父親の酒の肴が好きで、甘いものが苦手な子供でした。そんなわけで私は市販の甘いケーキは受け付けず、私の誕生日にはいつも母親の手作りのヨーグルトケーキ。ヨーグルトに生クリームと砂糖を混ぜて、ゼラチンで固め、缶詰のみかんをのせて完成。甘酸っぱい爽やかなケーキです。今でこそ甘いケーキも好んで食べられるようになりましたが、やっぱり一番好きなケーキはヨーグルトケーキ。母親にレシピを教えてもらい、自分と母親の為に作っています。お店では売っていない私の特別なスイーツです。
8.忘れられない2週間ぶりの食事(船橋市/まるねこ)
世の中にはおいしいものがあふれてますね。グルメ番組も流行ってますが、私は3年前に病院で飲んだあるものが心に深く残ってます。それは茶碗一杯の重湯です。二週間ぶりに口にした夕食です。体調を崩して病院に行き、検査のほかはベッドの上で、食事ができない毎日を点滴でしのぎました。辛かったです。
ようやくベッドのテーブルに運ばれた一杯の重湯を一口食べると、なぜか涙があふれて止まらないんです。うれしくて、ありがたくて、言葉にならない味わいに包まれました。今でもその時の涙は忘れ難い思い出です。健康で普通に食べられることは当たり前ではないと身に染みました。