<元カノに会いたがる旦那>ワンオペ育児の私をおいて元カノに会いに行く?ありえない【まんが】
数年前の話です。私はマユノ(30歳)、育休中です。9か月の娘・ヒナの子育てに悪戦苦闘する日々ですが、旦那・コウヘイ(30歳)はまったく気遣ってくれません。それどころか最近は帰りが遅いことが多くなり、家庭のことはなにもしてくれないのです。ただでさえワンオペ育児でいっぱいいっぱいなのに、ヒナを寝かしつけたあとに夕飯を作れだなんてあんまりです。孤独でつらい日々を過ごしているある日、コウヘイが衝撃的な発言をしました。
そうはいっても、育児で追われているのでコウヘイのスケジュールまで完璧に把握する余裕はありません。それにヒナが産まれる前までは大体20時前には帰宅していたので、余計にモヤモヤしています。
仕事に支障が出るからと別部屋で寝ているコウヘイが、ヒナの夜泣きで眠れない私の気持ちをわかってくれるはずもなく……。そもそもコウヘイは以前から私の気持ちにあまり寄り添ってくれません。特にヒナの妊娠中につわりが悪化したときはつらい思いをしました。
つわりが悪化して入院を勧められた日はタクシーでなんとか帰宅したのですが、コウヘイはつまみを食べながらビールを飲んでいました。有給休暇を取得したにもかかわらず、病院には「せっかくの休暇を無駄にしたくない」と付き添ってもくれませんでした。私は泣きながらコウヘイに抱きつき、体調のことを打ち明けました。しかし、コウヘイはこう言いました。
その日から私は、コウヘイに期待しなくなりました。コウヘイの言動にやきもきするよりも、今はヒナのことを第一に考えて自分の感情は押し殺そう。ずっとそう思っていたのですが……。 私が夕食の準備をしていると、別部屋でゲームをしていたコウヘイが慌てた様子でリビングにやって来ました。
コウヘイの衝撃的な発言に唖然とした私は、持っていた菜箸を落としてしばらくフリーズしてしまいました。育児と家事に追われている私と大事な娘を置いて元カノに会いに行くというのはどういう魂胆なのでしょうか。いままでコウヘイの言動に何度も目をつぶってきた私でも、さすがにふつふつと怒りがこみ上げてきました。今は問い詰めたい気持ちでいっぱいです。
皆さんはこの状況、どう思いますか?
元カノって誰?重い病気なの?家族より元カノ優先するの?
「どうなるかわからない」ということは、もしかしたら病状がかなり深刻なのかもしれません。生死に関わることならこれ以上怒るわけにもいきませんが、家族よりも元カノを優先するコウヘイの言動へのモヤモヤは収まりません。「スマホ見せて!」と私が手を出すと、コウヘイは目を見開いてフリーズしました。スマホをこちらに差し出す気はないようです。しびれを切らして歩み寄ると、コウヘイは後ずさりをしました。それから逃げるように別室に戻っていき、リビングで寝ていたヒナが泣きはじめてしまいました。
モヤモヤした気持ちを抱えていると、高校時代からの親友・チアキ(30歳)から連絡が来ました。チアキからの突然の離婚報告に私は衝撃を受けます。半年前に電撃結婚したチアキは、かなり旦那さんとラブラブだったはずです。事情が気になった私は、さっそく会う約束をしました。数日後、チアキが私の自宅にやってきました。
彼女を見ていると、自分がコウヘイのことを誰にも打ち明けたことがないことに気づきました。私には頼れる両親もママ友もいません。義両親との関係は良好で、月1で会ったりLINEで近況報告をしたりもしますが、さすがにコウヘイの悪口を言うわけにはいきませんでした。だから、ヒナが産まれてからずっと孤独だったのです。
チアキにコウヘイのことを打ち明けて気持ちが軽くなると、いままで自分が我慢しすぎていたことに気づきました。これ以上ため込んでいたら壊れてしまっていたかもしれません……。 チアキはそんな私の気持ちに真剣に向き合って共感してくれました。そして私は、相手が自分の気持ちに寄り添ってくれることの心強さに気づいたのです。しかし、元カノの件について話し終えると、チアキは真剣な表情をしています。そしてコウヘイが嘘をついていると言うのです。どういうことか、しっかり話を聞こうと思います。
ダマされていた私。離婚するべき?娘の将来を考えると……
元カノを優先しようとしたことには怒っていましたが、嘘をついているなんて思ってもみませんでした。たしかに私はコウヘイの「浮気していたら元カノって馬鹿正直に言わないだろ?」という言葉をうのみにしたからこそ、嘘をついていると考えていなかったのです。思えば最近帰りが遅いのも元カノに会っているからかもしれません……。
今まで一度も考えたことのなかった「離婚」という文字がふと頭をよぎりました。けれどヒナの顔を思い出してすぐにその考えを頭から追い出しました。愛するヒナのためなら、自分の感情は二の次です。
旦那が元カノと浮気しているかもしれないと考えるだけで気が気ではありません。私は、ヒナを寝かしつけてからSNSで情報を集めることにしました。しかし、コウヘイのアカウントはすでに削除されており、ルカという名前もたくさんありすぎて特定できなかったのです。SNSがダメなら探偵に依頼する方法もありますが、ヒナの今後の教育費を考えると、今、高額なお金を払うのは現実的ではありません。ヒナがいるので自分で尾行することもできません。子育て中は浮気の証拠集めが難しいという現実を突きつけられて落ち込んでいると、義母からLINEが届きました。
義母は両親のいない私を気遣って、実母のように接してくれます。そのやさしさをありがたく思っていると、寝室のドアが開きました。
チアキの真似をしてSNSで浮気の情報を集めようとしたものの失敗に終わり絶望していると、追い打ちをかけるようにコウヘイのひどすぎる言葉が胸に突き刺さりました。今日は帰れないなんて、元カノに会いに行くこと以外に考えられません。またも家族を置いて元カノに会いに行こうとするなんて……信じられません。私は一体どうしたらいいのでしょうか?
浮気は疑惑から確信へ?もうムリ……お義母さん、助けて!
口論がヒートアップしたせいで、ヒナが起きてしまいました。私がヒナをあやしている間に、コウヘイは「そういうことだから」と冷たく言い捨てて元カノの元へ行ってしまいました。今回のことで、コウヘイが浮気をしていることに確信を持ちました。しかし、私には証拠をつかむ方法はありません。ここまで家族をないがしろにして元カノに会いに行くような旦那とは、もう顔も合わせたくないのに……。
悔しすぎて自然と涙があふれてきたとき、ふとチアキの「向こうの親も協力してくれたから」という言葉が頭をよぎりました。 これ以上ひとりで抱え込むと精神的に壊れてしまいそうだと思った私は、ヒナを寝かしつけた後に先ほどの義母のLINEの返信を打ちました。今までずっと、義母へコウヘイの悪口を言うことは申し訳ないと思ってためらっていたのですが、今回ばかりはもう我慢の限界でした。
翌朝私はヒナを連れて義実家を訪れました。あのあと、義母がすぐに電話をくれてお邪魔することになったのです。少なくとも今日1日はコウヘイと顔を合わせなくて済むのでほっとします。
コウヘイが元カノに会いに行って絶望しているときに義母が私の話を聞いてくれたことはとても心強かったです。翌日私が義実家に訪ねたときもていねいにおもてなしをしてくれました。居場所があると感じるだけで安心感があります。 しかし、義母が差し出した写真には中学時代のコウヘイと元カノが写っていたので動揺してしまいました。義母の真意はなんなのでしょうか? 不安な気持ちがこみ上げました。
中学時代から成長しない旦那と元カノ。気持ちが……冷めた
中学時代に発していた「ルカは俺がいないとダメ」という言葉をわざわざ私に言ってくるなんて……気持ちがすっと冷めていきました。
義母は大きなため息をつくと、私に何度も謝りました。きっと自分の息子の黒歴史を嫁に話すことは相当勇気のいることだったに違いありません。それなのに私に話してくれたことがありがたかったです。 そして義母が話してくれたことで気がつきました。コウヘイも元カノも中学時代から精神年齢がまったく変わっていないのです。きっと元カノの病気をきっかけに気持ちが盛り上がり、家庭をないがしろにして突っ走ったのでしょう。
きっとコウヘイは元カノを心配しているわけでも大切にしているわけでもなく、ただ単にどこまでも自己中で幼稚なのだと思います。だからこそ、下手に隠すよりも、元カノと会うと正直に言えば、浮気だと疑われないと安易に考えたのでしょう。 ムカつくのと同時に、私は吹っ切れました。これ以上私が我慢する必要なんてないと思ったのです。ヒナのことも、育児をまったくしない幼稚な父親といるくらいなら私がひとりで責任を持って育てたほうがいいと思えるようになりました。
義母は少し切なそうにはにかむと、私をやさしく抱きしめてくれました。抱きしめてくれた義母のあたたかさが体に伝わってきて、思わず涙が出そうになります。 結婚していても心が通じるわけじゃない。でも、血がつながっていなくても心が通じることがある。結局法的なしばりは関係なくて、最後は純粋な人と人とのつながりなんだなと強く実感しました。これからも義母のことは大切にしていきたいです。
離婚の決意は固めました。あとはコウヘイに伝えるだけです。勇気をもってコウヘイに向き合おうと思います。
謝罪されるも響かず!義母立ち合いのもと、最後の話し合い
義母が打ってくれたメッセージに釣られたコウヘイの返信を見て、私が思わず吹き出すと、義母もつられて笑い出しました。たしかに「ヒナを取り戻したいなら」という言葉は、敵が漫画のヒーローに向かって言う言葉のようです。私にはこんなふうにコウヘイを動かせません。きっと元カノもコウヘイの扱いが上手いのでしょう。なんだか滑稽に思えてきました。そして1時間後、コウヘイはのこのこと義実家に乗り込んできました。
義母はいままで見たことがないような険しい表情で言いました。コウヘイはビクンと肩を震わせると、ゆっくりこちらにやってきました。真正面に義母、斜向かいに私が座ります。重々しい空気が漂っています。
義母のすさまじい剣幕に圧倒されたコウヘイは、しぶしぶ私に謝罪しました。ただ、ちっとも心がこもっていないのでまったく心に響きません。もはやコウヘイに対しては怒りの感情しかありません。
義母はコウヘイのスマホを指さしました。コウヘイはハッとした表情をすると、すぐさまスマホを隠しました。「見せないなら離婚届を書きなさい」そう言うと、義母はすっとなにも書かれていない離婚届を差し出しました。いつの間に用意したのかと驚いたのですが、よく見るとかなり色あせていてシワも目立ちます。もしかしたら義母自身が使おうとして保管していたものなのかもしれません。義母は自分が夫婦生活でつらい思いをしたからこそ私の味方になって協力してくれたのでしょう。そのことに気づくと、涙が出そうになりました。
悔しい!最大級の裏切りに「……さようなら、クズ旦那!」
コウヘイがトイレへ逃げ込もうとしたそのとき、突然ヒナがものすごい声量で泣きはじめました。ひるんだコウヘイから、私はすかさずスマホを奪いました。義母はヒナをあやしてくれています。義母が思い切り怒鳴ると、コウヘイは委縮してフリーズしてしまいました。私はその隙にスマホを確認し、私の手は怒りで震えはじめました。なんと元カノの体調不良は命にかかわる病気ではなく妊娠によるつわりだったのです。コウヘイはただ単に元カノの「死んじゃうよ」という感情的な言葉に踊らされていたのです。
コウヘイのひどい言葉を改めて口にすると、なぜあのとき離婚しようと思わなかったのか不思議になるくらいでした。
私はスマホの画面をコウヘイに突き出しました。コウヘイの顔からみるみるうちに血の気が引いていきます。
私はまさか元カノがコウヘイの子どもを妊娠しているなんて思ってもみませんでした……。悔しくて悔しくて泣きたくなりましたが、毅然とした態度でコウヘイに言い切りました。
私が離婚した後、驚くことに元義母……アケミさんも離婚したのです。元義父にも長年愛人がいたそうで、私の離婚を機に思い切って離婚したそうです。離れてしまうと、なぜ我慢してコウヘイと一緒にいたのかすっかりわからなくなりました。その後、コウヘイと元カノがどうなったのかは知りませんし、全く興味はありません。
離婚後の解放感はとても大きいものでした。私と義母は法的な家族ではなくなってしまいましたが、以前よりも絆が深まって本当の親子のような仲です。これからも2人で支え合いながらヒナを大切に育てていきたいです。