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「りくりゅう」ペア、フィギュアスケート四大陸選手権で笑顔の銀メダル

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三浦璃来・木原龍一組,Ⓒゲッティイメージズ

4カ月ぶりの復帰戦で存在感、世界選手権へ

故障による離脱を乗り越え、復活を印象付ける笑顔の銀メダルだった。

「りくりゅう」の愛称で親しまれるペアの三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が2月4日まで中国・上海で行われたフィギュアスケートの四大陸選手権で合計190.77点をマークし、2023年9月のオータム・クラシック(モントリオール・合計188.05点で2位)以来の復帰戦で着実な一歩を示す存在感を示した。

ショートプログラム(SP)2位で迎えたフリーは3位。198.80点で初制覇したディアナ・ステラートデュデク、マキシム・デシャン組(カナダ)に及ばず、2連覇こそ逃したものの、試運転は上々だったようで観客の前で滑る喜びを改めてかみしめた様子だ。

22歳の三浦は自身のSNSで「4カ月ぶりの復帰戦でとても緊張しましたが、龍一くんとまた試合に出場することができてとても嬉しく思いました。サポートしてくださった方々に感謝してもしきれません」とコメント。

31歳の木原は腰椎分離症からようやく演技ができるレベルまで回復し、自身のインスタで「4カ月ぶりに試合に復帰出来た事を心から嬉しく思います」と感謝の言葉をつづった。

2連覇が懸かる世界選手権(3月・モントリオール=カナダ)へ弾みを付けた形だ。

昨季は「年間グランドスラム」達成、リフトやスピンで課題

昨季の「りくりゅう」は、国際スケート連盟が主催するグランプリ(GP)シリーズファイナル、四大陸選手権、世界選手権の主要国際大会を制し、日本勢初の「年間グランドスラム」を達成。だが今季は木原がシーズン開幕直後に腰を痛め、実戦から遠ざかっていた。

2人で本格的な練習を再開できたのは今年に入ってからという。四大陸選手権の大会前、木原が中継局インタビューで「けがなく2人とも安全に滑り切れたら満足。まだ技の回数制限とかあるけど、腰の痛み自体はほとんど治ってきている」と語っていた通り、試行錯誤の段階ながら表彰台に立てたのは大きな自信になっただろう。

緊張感が漂ったSPは65.61点で2位発進。木原が「技術的にとても難しいプログラム」と指摘するフリーでは回転しながら持ち上げるリフトでは最高評価のレベル4を獲得し、スロー3回転ルッツやツイストを滑らかに決めた。

一方で2人並んで跳ぶジャンプは後半ミスが重なり、技術点でリフトやスピンでわずかに得点の取りこぼしもあった。それでも実戦で滑り切れた今回の経験は大きく「年間グランドスラム」を達成したペア王者の意地でもあった。

結成5季目、最強ペアは世界へ「挑戦者」

結成5季目を迎える「りくりゅう」。世界でもトップクラスのスピード感を武器に、日本フィギュア界の歴史を塗り替えてきた2人はブルーノ・マルコット・コーチとともに2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪を照準に定める。

そのステップとなる今季は苦境に直面しながらも世界選手権へ「挑戦者の精神」と声を合わせ、頂点を目指す構えだ。

最強ペアは歩みを止めない。カナダ人のマルコット・コーチの教えは「常にポジティブであれ」と一貫している。

10年後、20年後のフィギュアスケート界におけるペアの進化をも見据える木原は「世界選手権までに今回見つかった課題を改善出来るよう、練習に励みたいと思います」、三浦も国際スケート連盟の公式サイトで「四大陸選手権に向けて準備する時間はほとんどなかったが、フルでプログラムをこなし、良い結果を出せて満足している。レベルが良くなかった要素もたくさんあるので、世界選手権に向けて改善していきたい」とコメントした。

2人とも自分たちの現在地に向き合いながら平常心で挑む。

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記事:堺俊輔

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