「行儀よくしないと降ろすよ!」エア・カナダCA、毛布を要求した乗客に激昂しフライト欠航
機内では客室乗務員(CA)に無礼な態度をとったり、隣席の迷惑客など乗客によるトラブルが頻発している。しかしこのほど、カナダの航空会社「エア・カナダ」のCAが乗客に横暴な対応をして問題視された。当時、機内にいた乗客が撮影した動画には、CAが乗客を指差しながら激しく怒鳴る様子が映っていた。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
【動画】「静かにしないと降ろすわよ!」怒りの矛先は乗客全員へ
航空業界にまつわるニュースを配信する『FL360aero』が7月28日、Xに動画を投稿したところ注目を集めた。動画は、同月26日にモロッコのムハンマド5世国際空港発、カナダのモントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港行きのエア・カナダAC73便機内で撮影されたものだ。
投稿によると、同機は離陸するため滑走路へ移動する矢先、エアコンが効きすぎて肌寒かったため1人の乗客が毛布を要求したところ、CAが激怒したという。他の乗客が撮影した動画には、毛布を要求した乗客に向かって大声で怒鳴るCAの姿が映っている。
CAはその乗客に向かって「警察に連絡してあなたを降機させる」と言い放ち、怒りが収まらない様子だ。さらに「行儀良くしていないと飛行機から降ろすわよ! すぐに機長に伝えるけど、いいよね? どうなの?」と怒鳴り散らしていた。しかしこのCAの態度が、他の乗客の反感を買ってしまうことになった。
機内からは「その人を降機させるなら自分たちも飛行機から降りる」といった声があがり、また一部の乗客が機長を呼ぶように要求したが、CAはそれを無視し「客室乗務員に対するいじめは許さない!」と叫び、乗客全員に向かって「みんな行儀よくしなさい! 静かにしないと降ろすわよ!」と怒鳴り散らしたのだ。
結局、同機は離陸せずに駐機場に戻り、フライトが欠航になった。
この動画がSNSで拡散されると、次のような声があがった。
「エア・カナダって最悪の航空会社だよ。私は大西洋を渡る際、二度と利用することはないだろう。」
「明らかにCAのプロ意識が欠如している。彼女の行動を見れば分かるよ。」
「なんで毛布を頼んだことがこんなにエスカレートするのか? 信じられないよ。何か別のことを言われたのかな? それでも航空会社の従業員は、私たちの安全のために冷静でいなければならない。」
同便が欠航になったことを受けて、エア・カナダは乗客に翌日の便を用意し、問題のCAの代わりに別のCAを乗務させた。同社の広報担当クリストフ・ヘンネベル氏(Christophe Hennebell)は、カナダのニュースメディア『CTV News』の取材に応じ、このように述べている。
「当社は、今回の問題を非常に深刻に受け止めております。この問題については調査中で、適切な措置を講じるつもりです。乗客の皆様にはお詫び申し上げるとともにエア・カナダに対する期待を著しく欠いてしまったことを深く反省しております。」
なお今回の騒ぎについて同社は、遅延および不安な思いをさせたことに対する補償金を乗客に支払っている。
画像は『FL360aero X「Stress levels are quite high in the sky these days」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)