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猫にとって『NGな食器』5選 高さや直径…細かいところにダメなポイントが

ねこちゃんホンポ

猫にとってのNG食器5選

どんなに見た目が魅力的でも、実際には猫にとって使い勝手が悪いものや、衛生管理が難しい食器は避けたいものです。

猫の楽しい食事のためにも、NGな食器の特徴を知っておきましょう。

1.ヒゲが当たる

深すぎたり、直径が狭すぎたりする食器は、猫が顔を突っ込んで食べることになり、ヒゲが食器の内側に当たりやすくなります。

猫のヒゲは、感覚器官としての機能があるため、食器の壁に当たっていると、食べている間ずっと邪魔されているような不快感があるのです。猫によっては、この感覚がめんどうになって途中で食べることをやめてしまう場合もあります。

ちいさな食器を使っていて、猫の食べ残しが多い場合は、ヒゲがあたっていないか食事中に見てあげることが大切です。

2.浅すぎる

スープ皿のような浅い食器は、ヒゲが当たらないのでよいと感じますが、ドライフードを与える際には適していません。フードがお皿の淵まで滑ってしまい、食べにくくなることがあるためです。食器周辺に食べこぼしが多いのは、食器のせいかもしれません。

お皿のように浅い食器は、ペルシアやエキゾチックショートヘアのような鼻ぺちゃな猫には向いていますが、一般的なマズル(鼻先)の高い猫にとっては、食事に負担を感じさせてしまうでしょう。

マズルの短い猫のために浅い食器を選ぶ場合は、食器のふちにドライフードの滑り止めができる程度の小さな段差があるものが良いでしょう。

3.低すぎる

器の底に高さがまったくない食器を床に置いて低い位置で食べさせるのは良くありません。

床に近い位置で食べると、猫は首を大きく曲げた姿勢になります。頭を下げて食べると食道よりも胃が高い場所に位置するため、飲み込む際に余計な負担がかかることがあります。

食道が下がることで吐き戻ししやすくなったり、離乳直後や高齢猫など嚥下機能が万全ではない猫にとっては誤嚥のリスクが高くなったりします。特に太り気味の猫は注意が必要です。

ちょうどよい高さに食器を見つけるのは簡単ではありませんが、食器の下に適当な台を置くだけで、体に負担のない状態で食べさせることができます。スタンドや「足」のついた食器を利用するのも良いでしょう。

4.お水とフード容器が一体型

食器スタンドと食器がセットになっているものや、自動給餌機の中には、お水とフードの容器が一体型になっているものがあります。ひとつの場所で飲水と食事がまかなえるので便利に見えますが、どちらかといえばあまり好ましくない食器です。

理由は2つあります。ひとつは、水の中に食べ物が入っていますと雑菌が混ざり合い、飲用水の清潔を保てなくなるからです。

ふたつめは、猫は食事と飲水をわける傾向にあるためです。自然の世界では、水源は捕食する場所(食事)と同一でないことや、水源には敵もやってくるリスクがあり長居しない習性があるためです。

生まれながらに完全室内飼育の猫も多い昨今では、飲食行動に個体差がありますが、飲水量が少ないケースでは、食器が原因ということも考えられます。

5.汚れが残りやすい形

複雑な形をした食器は猫にとってはあまり好ましくありません。例えば、早食い防止用の容器では、凹凸の境目に汚れが溜まりやすく、毎回時間をかけて十分に洗わないと衛生的に問題が生じます。

また、猫型の食器も人気ですが、耳の部分などの突出した部分は、製品によっては汚れが残りやすいものがあります。これらの食器は猫の食べやすさには大きな影響を与えませんが、衛生面での注意が必要です。

とはいえ、すべてがダメなわけではありません。ドライフードの滑り止めくらいの浅い凹凸であれば問題ないでしょう。

猫にとって理想的な食器とは?

猫にとって理想的な食器には、いくつかチェックすべきポイントがあります。

✔猫の顔が入るくらいの大きさ
✔深さ3~5cmくらい
✔洗いやすいもの
✔陶器製

小さい器でヒゲが当たるのを避けるには、猫の顔が十分に入るくらいの大きさが良いとされています。深さ3~5cm程度が猫にとって食べやすい目安になります。

食器は毎日使うものなので、毎食ごと洗う必要があります。洗いやすさもポイントのひとつです。洗剤の香りや成分など猫にとって好ましくないものもあるので、猫の食器は、あまり洗剤を使わない、または使う場合は徹底的に洗い流す必要があります。

猫用食器には、プラスチック、陶器、ステンレスなどがありますが、陶器製のものがおすすめです。熱湯消毒もでき、程よい重さがあるので安定性もバツグンです。細かい傷から菌の増殖しやすいプラスチック製は避けましょう。ステンレスは衛生面では勝りますが、光る素材を嫌う猫もいるので注意が必要です。

また、猫の食事のしやすさから、高さのある食器が良いでしょう。ただし、食器に直接高さがない場合は、食器スタンドを使用する方法もあります。高さは5〜10cmくらいで猫が食べている様子を観察しながら調節できれば完璧です。

まとめ

猫の食器選びは、猫の食事のしやすさや健康にまで直結する重要なポイントです。

つい見た目でかわいいものや、お世話の効率化を考えて選んでしまいがちです。しかし、愛猫が毎日使うものだからこそ、猫に合わせて慎重に選びましょう。

特に、ヒゲが当たらない形状や洗いやすく、衛生管理がしやすいものが最適です。もちろん、すべての猫に完璧な食器はありませんから、愛猫の様子を観察して、もう一度いま使っている食器を見直してみましょう。

もしかしたら、もっと改善できる方法があるかもしれませんよ。


(獣医師監修:唐野智美)

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