スターモール商店街 買物客は駐輪可に 2月10日から社会実験
平塚駅前「湘南スターモール商店街」で2月10日から約1カ月間、買物客の自転車駐輪を可能とする社会実験が始まる。同商店街は自転車等放置禁止区域にあり、店先に停めた自転車は、撤去や警告の対象になっている。
30店が参加
社会実験の実施主体は湘南スターモール商店街振興組合と平塚まちなか活性化隊。期間は2月10日(月)〜3月7日(金)。
社会実験に参加する30店の買い物客が店指定の場所に駐輪できる。対象店舗はポスターを掲示して案内するという。店に自転車で来店したことを伝え、店から渡された駐輪許可プレートを自転車に掲示する。利用時間は30分間。
条例施行から40年
「平塚市自転車等の放置防止に関する条例」がが制定されたのは1983年。翌84年に施行され、平塚市は駅前中心街周辺の放置自転車に対して警告や撤去などで厳しく取り締まってきた。
市交通政策課の職員によると、条例施行前の平塚駅前は、自転車であふれかえっており「ラスカ前のロータリーも自転車でぎゅうぎゅうだった」という。平塚市には鉄道駅がJR平塚駅のみという背景もあり、「放置自転車の数は全国でワースト1位、2位という状況だったようだ」(交通政策課)。
客足復活へ奔走
商店街の常盤卓嗣理事長は「戦後復興後に誕生した駅前の商店街は、駐輪場を整備する土地の余裕がない。駐輪規制で商店街の客が激減してしまった」と話す。自転車の買い物客を復活させ、商店街の活性化につなげようと、2019年から平塚市に規制緩和の要望活動を続けてきた。
市は駅前駐輪場が空いていることなどを理由に当初は難色を示していたが、コロナ禍を経て平塚駅周辺地区将来構想の策定などに着手したことから態度を軟化。商店街、まちなか活性化隊のメンバーらが協議を続け、社会実験を実施するまでこぎつけた。
商店街の副理事長でまちなか活性化隊の代表を務める能勢康孝さんは「楽しく安心してお買い物に来てもらえる商店街にしたい。駅前には同じ悩みを抱える商店街があるので、社会実験を経て横にも展開できれば」と語る。