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【高砂】富士高砂酒造‐静岡県 ー 富士山と醸した酒

酒蔵プレス

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。今回は、静岡県富士宮市の富士高砂酒造を特集します。

富士を背に、願いを酒に

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

富士高砂酒造は、全国に1300ある浅間大社の総本山「富士山本宮浅間大社」のすぐ西側にございます。

山中正吉翁がこの地に酒蔵を構えたのは、 1830年(天保元年)。
以来、ひと時も休むことなく、100年かけて自然の濾過を施された富士山伏流水と、能登杜氏の伝承技術で日本酒を醸しております。

能の中には「松は緑」を謳うものが多くあり、特に謡曲「高砂」の相生の松、松は緑に感した初代正吉が「高砂」の銘を戴いたと言われています。
謡曲「高砂」は結婚式でよく謳われる「高砂や、こ乃浦船に帆をあげて 月もろともに…」との歌詞の船出した夫婦がいつまでも仲睦まじく老いていく内容の謡です。

創始の当時、天保年間は世相が暗く飢餓が続いた頃で初代正吉は清めや和に使われる酒にこの意を込めました。

―代表銘柄は?

高砂山廃純米辛口」

アルコール度数:15%

原料米:五百万石、一般米

お薦めの飲み方:冷酒、常温、ぬる燗

おすすめのペアリング:グリル系肉料理、燻製料理、肉じゃが、筑前煮、焼き鳥レバー、焼き鳥砂肝、さわら西京焼き、ポルチーニのリゾット

「酒カルダモンレモンハイの素」

アルコール度数:40%

容量:500ml

おすすめのペアリング:エスニック料理、肉料理、燻製料理、カレー

菌も、水も、人も、この蔵に生きている

―酒造りで心がけていることは?

当蔵に自生する微生物達、そして富士山の恵(超軟水の伏流水)とのコラボレーションによって生まれたのが「高砂山廃仕込み」です。
自蔵に生息する乳酸菌を利用して仕込む酒造技術で、長時間かけて酒母を育てます。この酒母で醸したお酒は蔵独自の風味が形成され、また原料米の旨味が生かされます。
高砂は江戸時代よりこの味と技術を伝承し、富士山伏流水と共に独自の味を研き続けています。東北・北陸地方の酸の効いた濃醇な山廃酒と比べると、当蔵の風味は大人しく優しい口当たりでほのかに甘さを感じる酒質です。米の旨味を引き出す最善の方法(酒母造り)として、この技術を大切にしています。

「酒は裏切らない」=「信じて造る」
現杜氏の小野杜氏が酒造りにおいて最も大事にしている信念。
これは平成18年に急逝した先代の杜氏の言葉です。山廃酒母が思い通りに進まない時、麹の品温が上がらない時、醪がキレなくなった(発酵が進まない)時、この言葉を思い出しては乗り切ってきました。
「迷った時は手のかかる方を選べ」「手をかければかけるほど酒は応えてくれる」と。

良質な富士山の伏流水、厳選された地元中心の酒米、この間違いのない原料と水。
そして真摯な造りの姿勢さえあれば、酒はぶれません。必ず応えてくれると信じています。
仲間の蔵人達、そして自分自身を信じて、この富士の麓の地で酒を造り続けています。

ー読者へのメッセージをお願いします!ー

創業以来、富士山の伏流水と能登杜氏の技を活かした酒造りを続け、変わることのない品質を守りながらも、時代に寄り添う革新を取り入れています。
「酒は裏切らない」——造り手が真摯に向き合い、信念をもって酒を醸すことで、必ず応えてくれる。
この想いを胸に、伝統製法を大切にしながらも、新たな挑戦を続けております。
富士山の恵みと職人の技が生む一杯を、ぜひお楽しみください。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

富士山、白糸の滝、まかいの牧場、ふもとっぱら、田貫湖キャンプ場

また酒蔵見学は要電話予約となります。
HPよりご確認ください。

今回ご紹介した酒蔵について

【静岡県】
富士高砂酒造株式会社
静岡県富士宮市宝町9-25
https://fuji-takasago.com/

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