卵子凍結費用を上限40万円までサポート 三菱UFJ銀行、不妊治療などを支援する福利厚生を導入
グレイスグループ(東京都渋谷区)は3月11日、婦人科系疾患の予防や妊活、不妊治療を支援するためのサービス「Grace Care(グレイスケア)」を、三菱UFJ銀行(東京都千代田区)が導入することを発表した。
企業は負担金0円で導入できる「婦人科ダイレクト」
Grace Careの「婦人科ダイレクト」は、対面診療とオンライン診療を組み合わせて、保険適用ピル・漢方の処方を行う企業向けサービス。企業は負担額0円で福利厚生として導入可能(健康保険による保険診療の費用負担除く)。幅広い年代の女性従業員に対して婦人科疾患の早期発見や早期治療を促し、女性特有の健康課題の解決に取り組む企業を支援する。
同サービスでは、症状がある人の保険診療を前提として、保険適用のピルや漢方を処方し、無料配送を行う。初診と年1回以上の提携クリニックでの対面受診を必須として、3か月ごとの診療はオンライン受診も可能。
三菱UFJ銀行は卵子凍結にかかる費用を上限40万円までサポート
三菱UFJ銀行は同日、卵子凍結の際の費用を補助する福利厚生制度を導入することを発表している。39歳以下の女性行員(2028年度以降は34歳以下)を対象に、40万円を上限に4月1日から実施する。「妊娠・出産しやすいとされる年齢は、キャリア形成においても、業務を広げ、スキル・専門性を深める重要な時期」とした上で、卵子凍結を実施する際にクリニックに対して支払う採卵・凍結費用をサポートする。
卵子凍結保存サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」の初期費用についても、従業員特別価格で提供する。同サービスは、1月から卵子凍結支援制度を導入した資生堂(東京都港区)も採用している。
医学的理由ではない、いわゆる「社会的適応」の卵子凍結は保険診療適用とならず、関連するすべての医療行為は自費診療。凍結した卵子の保管は期間を通じて費用がかかる。グレイスグループによると、アメリカの大規模医療施設における最新の調査では、38歳未満で20個以上の凍結卵子を融解して使用した女性の70%が子供を授かっている。
東京都も助成金、注目が高まる卵子凍結サポート
国際女性デーに合わせて三菱UFJ銀行は3月5日、卵子凍結や不妊治療、プレコンセプションケアに関する知識の普及を目的とする社内研修を実施した。当メディアでも既報の通り、東京都は卵子凍結に関する知識・情報の提供を含め、助成従業員のライフ・キャリアプランをテーマとして、企業が自主的にセミナーを実施する場合に経費を支援している。また、従業員の卵子凍結を支援する福利厚生を整備した企業への助成も行っている。
月刊総務オンラインの「望まない離職を防ぐ不妊治療支援」では、不妊治療にかかる具体的な時間的負担や両立への課題などについて詳しく解説している。
発表の詳細はグレイスグループの公式リリースにて確認できる。