三菱重工、改良版の中型輸送ドローンから初公開のVTOL型ドローンなど多種多様なラインナップ[2024国際航空宇宙展]
三菱重工は、改良版の中型輸送ドローンから初公開のVTOL型ドローン、ヘリ型ドローンまで各種ドローンを展示した
中型輸送ドローン
中型輸送ドローンは、民間用途と防衛用途のデュアルユースに対応。今回展示された機体は、アームが畳める構造に改良されたバージョンとなり、初公開だという。
主に物流や送電線の建設現場などでの使用が検討されている。物流用途では、山間部や離島などアクセスが困難な場所で200kgの積載物を運べる。災害時には、孤立した地域への物資輸送も想定しており、途絶したルートのラストワンマイルを200kgの生活物資を積載して運ぶことが可能だ。
現在はバッテリーを使用しており、長時間飛行できないため、ハイブリッド化に向けて設計をすすめている。今年度初飛行を予定しており、ハイブリッド版では2時間飛行するのが目標だという。
今後の開発をすすめていき、型式認証の取得に向けた検討に入るとしている。中型輸送ドローンは、最大離陸重量が150kg以上あるためドローンの扱いではなく、航空機のカテゴリーに入る。
テスト飛行を進めているが、日本国内では飛行場所の確保に苦労しているという。無人航空機の市場を拡大するためのひとつの要素として、長距離のテスト飛行ができる環境構築が求められる。
VTOL型ドローン
VTOL型ドローンは、滑走路がない場所や船の上からの運用を想定しており、防衛向けに開発されている。防衛省との実証試験契約を進めつつも、開発費は主に自社で負担しているという。展示会では、初出展となる。
最初に手掛けた主翼幅3.4mのVTOL型ドローンは、ペイロードが5kgでカメラを搭載し、監視や警戒活動など情報収集で使用される想定だ。
次に製作した主翼幅4.7mとなるVTOL型ドローンは、ペイロードは20kgとして、物資輸送もできるようにしたという。航続距離はどちらも1000kmとなる。
動力については、垂直離着陸はバッテリーによる電動モーターを使用して、水平飛行はエンジンを使用している。
どちらの機体も複数製作して開発を進めているが、現在の課題として、垂直離着陸と水平飛行のスムーズな切り替えが技術的な課題だという。
他にもヘリドローンや戦闘支援無人機コンセプト、H3ロケット模型、月面ローバーなど、見どころ満載の展示ブースだ。
電力会社と開発している点検用ヘリドローン
戦闘支援無人機コンセプト
戦闘支援無人機コンセプト 概要
H3ロケット模型
月面ローバー
三菱重工