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中山忍が“中山美穂の妹”と呼ばれるコンプレックスを克服した芝居の世界

文化放送

「おとなりさん」(文化放送)のゲストコーナー「10時のおとなりさん」の12月13日のゲストに、女優・中山忍さんが登場! 実の姉・中山美穂さんと比較された10代の頃のコンプレックスとは?

鈴木おさむ「1998年にドラマ『オトコだろッ』で女優デビューということですが、きっかけはなんだったんですか?」

中山忍「私、3歳年上の姉が中山美穂なんですけど、姉が初めて海外に仕事に行くときに成田空港まで家族で見送りに行ったんです。そのとき喫茶店でアイスクリームとかを食べてたら、吉田啓一郎監督に話しかけられて、回りまわって“ドラマに出てみませんか?”と声をかけていただいたんです」

鈴木「お姉ちゃんがある日突然デビューしてブレイクしていくって、どんな感じで見えるんですか?」

中山「もちろん同じ家に住んでるんですけど、私が起きる前に仕事に出かけて行くし、私が寝てから帰ってくるので、“急に家から姉がいなくなっちゃった”っていう感じですね。テレビをつけると姉が出ていて、キラキラしていて。急に姉が違う世界に飛んで行ってしまった感覚でした」

鈴木「それって当初は嬉しいんですか?」

中山「もちろん嬉しいんですけど、“ビックリする”っていう方が」

鈴木「本人もそうだけど家族も、特にきょうだいは一番ついていけないんじゃないかって思うんですよね。学校でもそういうこと言われるだろうし。僕の子供は小学生で、僕らの前では言わないですけど“母親が芸人である”ってことを、僕が思っているより言われると思うんですよ。そういうのがプラスなのかマイナスなのか分からないし、隠してる気持ちもあるかもしれないけど、複雑な思いですよね。思春期ですから」

中山「嬉しいし応援しているんですけど、常に“中山美穂の妹”って言われるので、“中山忍っていう自分はどこに行っちゃうんだろう?”と10代の頃はそれがコンプレックスになってしまって。でもうちのマネージャーが根気強い人で“それはすごく良いことなんだよ。名前を言えば誰もが知っている人の妹っていうのは分かってもらいやすいから、とってもプラスなことなんだよ”ってこんこんと言われて腑に落ちて、それからは楽しく仕事をできるようになりました」

鈴木「実際にデビューすると“中山美穂さんの妹で……”って紹介されたと思うんですけど、そのときのコンプレックスって当然ありますよね?」

中山「すごいありましたね。10代の頃はひねくれていたので、ラジオに出てあまり話したくない話題になると“はい・いいえ・そうですね”で答えていたので、“ラジオで黙ってると放送事故になるんだよ?”と言われるくらい喋らなかったんです。“悪いことしたなー”って反省してます。当時の方ごめんなさい!」

鈴木「その中で、最初はコンプレックスを持っていたけど、それが溶けていった瞬間はどのくらいだったんですか?」

中山「二十歳くらいの頃です。歌詞も覚えられないし振り付けは間違えるしダメなアイドルだったんですけど、その中で泣いても許してもらえずに“できるまでやりなさい”って言ってもらえたのがドラマの現場だったんです。そこでやりがいとか達成感を知って、“お芝居って楽しい。女優を目指したい”って思ったんです」

鈴木「腐ってしまう自分に対して、楽しいって思わせてくれた人はいるんですか?」

中山「本当にお世話になったのは渡瀬恒彦さんです。私が罪を懺悔するシーンで、渡瀬さんは台本にはないセリフを本番だけポロっと言うので涙腺が崩壊するんです。そんな俳優さんなかなかいらっしゃらないです」

鈴木「渡瀬さんってすごかったって言いますよね! あの方も渡哲也さんの弟さんで色んなコンプレックスを感じていたんだと思うけど、芸名を“渡”じゃなくて“渡瀬”にしてるから、僕なんか後で渡哲也の弟って知ったくらいでした。コンプレックスだったり、何かあったんじゃないですか?」

中山「後でうちのマネージャーから聞いたんですけど、“忍は芝居も上手くないし、お姉ちゃんはあんなに偉大なのに”って渡瀬さんに言ったらしいんですけど、そしたら“俺は弟だぞ? 忍は大丈夫だ”と言ってくださったんです」

鈴木「えーすごい! その言葉はすごいですね。その事をあまり言ってないはずじゃないですか? それを言うべきだと思わせたことがすごいですね」

中山「現場でどう振る舞うべきか、言葉じゃなくて背中で見せてくれました」

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