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災害に備えて“防災用ホイッスル”は、 必ず持っておきましょう

TBSラジオ

ゲストは、福祉防災コミュニティ協会 代表理事の鍵屋一さんでした。鍵屋一 さんは、京都大学博士、跡見学園女子大学教授であり、これまで内閣府「災害時要援護者の避難検討会」ほか、多くの防災関連の委員を歴任されています。現在は、福祉防災コミュニティ協会 代表理事を務め、この度「だれでも防災 避難が難しい人のための一冊」(中央法規出版)をお書きになりました。

鍵屋さんの著書「だれでも防災 避難が難しい人のための一冊」
能登半島地震では、福祉施設や病院、それから自宅で暮らす高齢者や障がいのある方などの命が危険にさらされました。これは過去の災害でも、避難が難しい人たちの尊厳が失われる場面が繰り返されてきました。公助はもちろん大切ですが、緊急時には自助も欠かせません。そこで、要配慮者が災害前にどう備え、発災時にどんな支援が必要なのかが、「だれでも防災 避難が難しい人のための一冊」にまとめまられています。


Q.「要配慮者」とは、どんな意味?
「要配慮者」とは、高齢者や障がいのある方、乳幼児、妊婦、外国人、セクシャル・マイノリティなど、日常生活において行動や情報の入手に困難を抱えていたり、災害時に配慮が必要な人のことを言います。実際に避難が難しい場合もありますが、避難にあたり必ずしも支援が必要なわけではありません。一方「避難行動要支援者」は要配慮者のうち自ら避難することが困難な人々を指し、災害等が発生するおそれのある場合に特別な支援が必要となります。具体的には要介護認定を受けた高齢者や、障がい者手帳を持つ人などが含まれます。

耳が聴こえにくい方は、所持品にホイッスルをつけよう

運動会等で「ピーっ!」と吹くホイッスルには、「防災用のホイッスル」があります。災害時に建物に閉じ込められ、助けを求める際に、周りの物をたたくだけでは音も伝わりにくく、疲れます。このような時の為に、ホイッスルは必ず携帯しておきましょう。声が届かない場所や状態でも、音で自分の存在一を知らせることができるので、耳が聴こえにくい方、聴覚障がいのある方以外でも、ホイッスルは一家に1つ常備しておくことをおすすめします。

Q.そのほか、耳が聴こえにくい方、聴覚障がいのある方のために、 知っておくべき防災情報は?
音声だけの警報・避難指示を把握できないため、多様な受信手段が必要です。スマホの緊急地震速報はバイブレーションを活用したり、視覚的警告アプリやテレビの文字放送なども活用しましょう。また、災害時には補聴器や人工内耳の電池が手に入りにくくなるため、予備の電池も準備しておきましょう。

視覚障がいのある方は、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ろう

目の見えにくい方や、視覚障がいのある方は、割れたガラスや倒れた家具に気づかずにケガをする可能性が高いため、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ると良いです。他にも、家具に転倒防止装置をつけたり、床や廊下に物を置かずに整理整頓を習慣づけるといった安全な動線を確保した環境づくりも推奨します。障がいの有無にかかわらず、どれも有効な防災となります。

Q.そのほか、視覚障がいのある方やその関係者に向けた防災のポイントは?
災害時には、普段と違う音やにおいがしたり、人の気配も慌ただしいなど、なじみの道であっても避難が難しい場合があります。視覚障がいがあることを周囲に伝え、支援を求めることが大切です。また、視覚障がい者の歩くお手伝い(歩行介助)のコツとしては、名前を名乗ってから「お手伝いしましょうか」と声をかけ、行き先と目的を明確に伝えましょう。階段や曲がり角では「あと2段」など、具体的に伝えることも大切です。

ひとり暮らしの高齢者の方は、行政サービスを活用しよう

具体的な行政サービスとして「避難行動要支援者名簿」に登録すると災害時に適切な支援を受けやすくなります。市区町村で、この名簿に従って、ご本人の同意を得た上で支援者と情報を共有し、避難方法、支援内容、受け入れ先の福祉避難所を明記した個別の計画を作成します。ひとり暮らしの高齢者は社会参加が減りがちで、地域とのつながりが希薄になると、災害時の情報や支援が届きにくくなるので、こうした公助を頼ることも大切です。ぜひ、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。そして、災害発生時には、身体能力が落ちて移動に時間がかかったり、歩行補助や車いすが必要になったりする高齢者は、避難に時間がかかります。そのため、早め早めの避難が何よりも重要となります。

妊産婦の方は、化粧ポーチ感覚で防災セットを持ち歩こう

避難バッグを考えるとハードルが高いかもしれませんが、普段持ち歩く化粧ポーチの感覚で、防災セットを携帯しましょう。中身は母子手帳のコピー、連絡先のメモ、パーソナルカード、携帯トイレ、ホイッスル、モバイルバッテリー、レジ袋、小型LEDライト、除菌シート、あめ等自分に必要なものを詰めてみると、意外とコンパクトに収まります。医療サービスを受ける際、母子手帳がママや赤ちゃんの健康状態を把握できる唯一のカルテになります。過去の災害では避難するときに母子手帳をなくして困った人が多かったので、スマホで撮影してクラウドに保存したり、母子手帳アプリを活用するなど、二重、三重のバックアップで備えましょう。

(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)

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