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台所で見つけた小さな知恵 ~収納・道具・食 【趣味どきっ!MOOK】

NHK出版デジタルマガジン

台所で見つけた小さな知恵 ~収納・道具・食 【趣味どきっ!MOOK】

台所は毎日毎日、一日に何度でも使う場所。だからこそ、使いやすさを向上させ、ストレスを減らすさまざまな工夫が自然に生まれます。
「神は細部に宿る」といいますが、快適で使いやすい台所は、小さな知恵から生まれます。

今回は、『NHK趣味どきっ!MOOK 人と暮らしと、台所 16のカタチ』より、「収納の知恵」、「道具の知恵」、「食の知恵」をそれぞれ1つずつご紹介します。

収納の知恵

料理研究家 有元葉子

ありもと・ようこ
シンプルかつ、洗練された料理を、明快な理由のある手法とともに提案する料理研究家。センスある暮らしぶり、凜とした生き方にもファンが多い。使いやすくデザイン性に優れた台所道具の開発にも携わっている。『オリーブオイルがある暮らし』(小学館)、『めんの本』(文化出版局)など著書多数。
https://www.arimotoyoko.com

空き瓶をため込んでしまう悩みの解決策

あると便利だから、捨てどきがわからないからと、ついついため込んでしまいがちな使用済みの空き瓶。気がつけば台所のあちこちから出てくるなんて人もいるかもしれません。

常に整然とした台所をキープしている有元さんなら、きっぱり「捨てます!」とおっしゃるかと思いきや……。「空き瓶はないと困ります。たくさんは不要だけれど」とのこと。代わりに自分なりのル
ールがあります。

のり残りや剝がれ残りなく、きれいにラベルを剝がせたもの。できるだけ広口で、中まで手で洗えるもの。残すのは、この2点をクリアしたものだけ。すると、清潔に使える空き瓶だけが手元に。また、
かごからあふれるほどは持たないというのもルールにしているそう。

なんでも取っておくのではなく、自分にとって使い勝手のいいものだけを適正な量で。そう心がけることが、整った台所をつくります。

道具の知恵

翻訳家・文筆家 服部雄一郎/ 宿運営 服部麻子

はっとり・ゆういちろう/ はっとり・あさこ
ともに1976年生まれ。5人家族。ごみやプラスチックを減らすための実践的な取り組みなど、循環を楽しむ暮らしが注目を集める。一棟貸しの宿「ロータスリトリート」もスタート。暮らしを綴った夫妻の共著に『サステイナブルに暮らしたい』(アノニマ・スタジオ)、雄一郎さんの訳書に『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』(NHK出版)などがある。
https://sustainably.jp
https://lotusretreat.info

新聞やちらしをおすそわけ袋に変身させる

高知に移住し、自然の恵みをいただいたり、差し上げたり。すっかりおすそわけ文化が馴染みになった服部雄一郎さん・麻子さん。活躍するのが自作の紙袋です。

ごみを出さないよう意識しているので、材料は古紙。お気に入りで必ず入手している無料のタブロイド紙を使うことが多いそう。写真やデザインがよいので、リサイクルとは思えぬ、おしゃれなおすそわけ袋が完成します。

おすそわけ袋のつくり方

1 新聞紙やちらし1枚を横長に置き、下3分の1を上向きに折る(ここをポケットと呼ぶ)。

2 裏返して縦長に置き、上下の3分の1ずつを内側に折る。下の折り返しを上のポケットに差し込む。

3 再度裏返してポケットと反対側の両角をそれぞれ三角に折る。三角の先をポケットに差し込みながら折る。

食の知恵

北欧ジャーナリスト 森 百合子

もり・ゆりこ
夫の正岳さんと愛猫と暮らす。著作活動を中心に北欧のライフスタイル、旅、カルチャーなどの情報を発信し、北欧と日本の架け橋となる活動をしている。北欧ヴィンテージの雑貨店も運営。『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』『日本で楽しむ わたしの北欧365日』(ともにパイインターナショナル)、『探しものは北欧で』(だいわ文庫)など、著書多数。
https://hokuobook.com

コーヒーはやかんでいれて気軽にもてなす

(左)鍋は、梁に取り付けたフックにかけて。片手を伸ばせば、すぐ手にできる状態。/(右上)コンロの正面、いちばん手が届きやすい棚には、道具&調味料の一軍選手を並べている。よく使う調味料は酢の空き瓶に詰め替えて、ツールの下の段を定位置に。瓶の高さがレンガ棚にジャストフィット。/(右下)ごま、スープの素(もと) 、とうがらしなどは、空き瓶に入れ替えて使いやすく。専用品をわざわざ買わなくても、同じもので揃っているだけですっきり。「密閉性も高くて、使い勝手もよいです」
(左)鍋は、梁に取り付けたフックにかけて。片手を伸ばせば、すぐ手にできる状態。/(右上)コンロの正面、いちばん手が届きやすい棚には、道具&調味料の一軍選手を並べている。よく使う調味料は酢の空き瓶に詰め替えて、ツールの下の段を定位置に。瓶の高さがレンガ棚にジャストフィット。/(右下)ごま、スープの素(もと) 、とうがらしなどは、空き瓶に入れ替えて使いやすく。専用品をわざわざ買わなくても、同じもので揃っているだけですっきり。「密閉性も高くて、使い勝手もよいです」

コーヒーをドリップでいれるとなると、さまざまなステップやルールがあって、手間だと感じることがありますよね?

北欧の人々からのおもてなしを体験して、森夫妻宅では人が集まるときのコーヒーは、とても気楽にいれられる「やかんコーヒー」になりました。

元は北欧の人々が森の中でコーヒーを飲むときの、古くからの方法だったのだとか。やかんに入れて蒸らすだけという簡単さに、「これでいいんだ!」と目からうろこが落ちるほどです。

やかんコーヒーのいれ方は簡単。湯を沸かし、粗めにひいたコーヒー豆をやかんに直接入れます(1.5ℓの湯に対して豆90g)。全体を混ぜてふたをして3分間ほど蒸らし、茶こしを使って保温ポットに移せばでき上がり!

前もってたっぷり準備できるので、おもてなしのときも慌てませんし、おかわりにもすぐ対応できます。

いかがでしたか。様々な方の台所にお邪魔してみると、それぞれの台所に見つかる小さな知恵ひとつひとつに、学ぶこと、参考にしたいことがありますよね。

台所は暮らしの中心にある場所。だから、使っている台所道具の選び方にも、ものの置き方にも、さらに小さな知恵ひとつにも、その人が大切にしていることが自然に表現されてしまいます。台所から人生が見える―― 。だから、台所はおもしろい。

『NHK趣味どきっ!MOOK 人と暮らしと、台所 16のカタチ』では、NHK「趣味どきっ! 」で2018年から「人と暮らしと、台所」というテーマで取材してきた多くの方々の台所やその知恵の中から、16の台所を厳選して再構成しています。

料理研究家のように料理に携わる方から、料理とは関係のない仕事に従事しながらも、食を大切にしている方、画家だったり小説家だったり、アクセサリー作家や米農家まで。ひとりひとりの台所の知恵から、そこから見えるその人の生き方までを、ぜひ本書で感じてみてください。

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