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10試合連続2得点以下の阪神、打線テコ入れなら森下翔太と近本光司の起用法がカギ

SPAIA

阪神の森下翔太,ⒸSPAIA

高校と大学の先輩から白星もぎ取った森下翔太

開幕からもうひとつ波に乗れない阪神。18日の巨人戦では延長10回に佐藤輝明がサヨナラ打を放ち、3連勝で勝率5割としたが、10試合連続2得点以下の球団ワースト記録に並ぶなど得点力不足解消は喫緊の課題だ。

その中でキラリと光る働きをしているのが2年目の森下翔太。17日の巨人戦で3回に決勝タイムリーとなる二塁打を放ってチーム全打点となる2打点。18日も無得点に封じられていた菅野智之から8回に同点タイムリー、延長10回にもチャンスを広げる中前打を放ってサヨナラを呼び込んだ。

東海大相模高の先輩・菅野をマウンドから引きずり下ろし、中央大の先輩・阿部慎之助監督が率いる巨人を負かすとは、虎党の溜飲を下げる活躍だ。

リーグ最多四球もチーム打率はリーグワースト

森下は今季開幕からほぼ3番で起用されており、60打数13安打で打率は.217だが、得点圏打率は.385と勝負強さを発揮。3本塁打はリーグトップタイ、11打点はリーグ3位につけている。大山悠輔と佐藤輝明が打率1割台と不振に苦しむ現状では、阪神打線で最も頼りになるポイントゲッターだ。

昨季はリーグ3位のチーム打率.247に加え、リーグ最多の494四球を選んだ。岡田彰布監督が「安打と四球は同じ価値がある」と球団に掛け合って四球の査定ポイントを上げたことが四球増につながっとたびたび話題になった。

今季もここまでヤクルトと並んでリーグトップタイの57四球。にもかかわらず、10試合連続2得点以下を記録したのはリーグワーストのチーム打率.207が一因だろう。いくら四球を選んでもチャンスで打たなければ得点が入らないのは当然だ。

岡田監督は14日の中日戦で昨季全試合に4番で起用した大山悠輔を5番に下げた。昨季は「恐怖の8番」として機能していた木浪聖也を1番、不動のリードオフマン・近本光司を3番、佐藤輝明を4番、森下翔太を7番に据えたのも指揮官の悩める胸中がうかがえる。

中日戦は2-1で勝ったものの新打線はわずか4安打と機能したとは言えず、16日の巨人戦から1番・近本、森下・大山・佐藤のクリーンアップに戻した。

ただ、4番・大山は打率.159だけでなく、得点圏打率はさらに低い.143と深刻な状態。不名誉なワースト記録を更新しないためにも打線のテコ入れは必要かも知れない。

昨季リーグ最高の得点圏打率.378だった近本光司

昨季、規定打席に到達した打者で得点圏打率が最も高かったのは近本光司の.378。1番ながら勝負強さを兼ね備えており、だからこそ8番・木浪が活きていたのだ。

近本は今季も打率.239にとどまりながら得点圏では.300と勝負強さは健在。ただ、昨季は打率.267だった8番・木浪が今季ここまで.212と振れていないことも得点力が上がらない一因だろう。

逆に2番・中野拓夢は打率.288ながら得点圏打率は.214とチャンスで打てていない。思い切って1・2番を入れ替え、中野・近本・森下と並べた方がデータ的にはつながる可能性が高まる。

打順の組み換えは相手投手との相性や選手の順応性なども絡むため、データ通りに機能するほど単純ではない。勝っているうちは動かず我慢した方が波に乗れる可能性もあるが、手をこまねいていては投手陣への負担が増すリスクも高まる。

阪神は今日から首位・中日と3連戦。貯金生活に突入するか、借金生活に逆戻りするか、指揮官の采配が注目される。

※成績は4月18日終了時点

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記事:SPAIA編集部

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