体調より仕事を優先する昭和文化に20歳代の半数が共感 職場での「昭和あるある」に関する調査
パーソルキャリア(東京都千代田区)の調査機関「Job総研」は12月9日、20歳代から50歳代までの匿名社会人男女を対象に、社会人生活で経験した「本当にあった怖い時代」のエピソードを募集し、総投稿数400件の結果を基に世代間のギャップを明らかにした。
調査では、30歳代〜50歳代が経験した「昭和あるある」に対する、その時代を知らない20歳代の価値観や意見をまとめた。
「体調を崩すのは気合いが足りないから」など、昭和のパワハラエピソード続々
30歳代〜50歳代(N=42人)に対し、社会人生活での「本当にあった怖い時代」の経験の有無を聞いたところ、88%が「ある」と回答した。
具体的なエピソードとしては、以下のような投稿が寄せられた。
・体調を崩し2日休んだら、気合いが足りないと叱責され、始末書を書かされた
・新人は定時より30分以上前に着いておき、朝早く来て机を拭いたりするのが当たり前だった
・女性がお茶くみする会社にいた。誰が何を飲むか、砂糖がいくつ必要かは当たり前に覚える文化だった
・24時間寝かさない新人研修に参加したことがある
・風邪は土日に引くように!と社内規則に書いてある会社にいた
このうち、「体調不良が評価に影響する」経験談に関連して、20歳(N=85人)に、体調不良時の対応について尋ねた。その結果、「評価優先で働く」(51.0%)と「体調優先で休む」(49.0%)で意見が割れた。
評価優先派、体調優先派のそれぞれの意見は以下の通り。
評価優先ではたらく派
・「体調管理ができない人」という評価をされたくないので、無理して働く
・古い考えだが、新人なのでなるべく頑張っている姿勢を見せなきゃと思う。評価が下がるのも怖い
・上司が仕事をしているのに休むことに罪悪感がある。評価に影響あるなら頑張ってしまうのは理解できる
体調優先で休む派
・昔は大変だったのだと思うが、今の時代体調不良で怒鳴ったりしたら、その会社も上司もおかしい
・寒くなり体調不良のリスクも増えているのに、休ませない上司がいるなら、転職を考える
・自分の生活の方が大事なので絶対に体調優先で休む。仕事に労力を割いていられない
体調不良を評価に反映させる場合、今なら「パワハラ」に該当する可能性があるが、実際評価への影響に怖さを感じてしまう若手層が一定数いることから、上司や評価者は、職場の個人が休みやすい雰囲気を作る必要性がある、と同調査は指摘する。
また、「朝早くの準備・雑務は新人が担当する」については、93.0%が「当たり前だと思わない」と回答した。
コメントでも、「新人だからはやる理由にならない」「昔は自分もやったなどの無理強いはやめて」「100歩譲っても、新卒だけやるのはおかしい」などの声が挙がった。
なお、同調査では、個々人の意見や価値観が尊重される令和時代の当たり前は、30歳代以降の経験があったからこそ、かつての慣習や風習が見直されたとまとめている。
調査の詳細は同社の公式リリースで確認できる。