植栽500本の空中庭園や立ち読み歓迎の大型書店も JR東日本の高輪ゲートウェイシティに大型商業施設「ニュウマン高輪」誕生(東京都港区)
2025年3月にまちびらきしたJR東日本のTAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)に同年9月12日、総面積約5万平方メートルにおよぶ大型商業施設がオープンした。JR東日本グループの駅ビル運営会社・ルミネの「ニュウマン高輪」で、ルミネ各店舗の中で最大規模。セレモニーで表輝幸社長は、「100年後の未来に出会えるような、新しい体験をニュウマン高輪から発信したい」と決意を語った。
ニュウマン高輪は3月のまちびらき時点で一部テナントが先行開業。半年を経過した今回、期間限定店を含め177店舗が出そろった。引き続き、2026年にも一部店舗がお目見えし、全体では約6万平方メートルの商業エリアが誕生する。
駅ビル会社のルミネは、ルミネやニュウマンのブランド名で新宿、池袋、大宮などに駅ビルを展開するが、高輪ゲートウェイは少々異色。既存店はほぼターミナル駅への立地だが、高輪ゲートウェイは山手線と京浜東北線が停車するだけの中間駅だ。同駅は2020年3月開業で、周辺に目立った繁華街はない。
ニュウマン高輪は買い物客やレジャー客の来店をうながして、高輪ゲートウェイシティを〝東京を代表するまち〟、さらにはゲートウェイ駅をターミナル駅に並ぶようなJR東日本の基幹駅に成長させる役目を託される。
このため、ニュウマン高輪の戦略も独特。通常の駅ビルは「駅ビル初出店」、「〇〇社の新業態」とテナントの情報発信がニュースの柱になるが、高輪では高層階(28、29階)に大型植栽500本以上を配した空中庭園の「LUFTBAUM(ルフトバウム)」、「入場料が必要な大型書店」と、来店をうながす商空間・商環境をPRする。
ドイツ語で空の木を意味するルフトバウムは、2層あわせて約8000平方メートルのスペースに大型植栽500本以上を配した。地上150メートルの高層階からは、好天なら遠く富士山も望める。春の桜、秋のもみじと四季の移り変わりが東京都心で味わえる。テナントは飲食店街。
大型書店「BUNKITSU TOKYO(ブンキツトーキョー)」は、入場料が必要な書店としてファンを増やす「文喫」として4店舗目にして最大規模。約3300平方メートルの店内に、新刊から名作まで約10万冊をそろえる。店内にはラウンジ。もちろん、立ち読みならぬ着席読み歓迎だ。
ニュウマン高輪は、催しも多種多彩。オープニングでは、クラフト酒(日本酒、梅酒、ノンアル飲料など)の試飲イベントを開催した(9月12~14日)。今後も話題を提供して、いつもフレッシュな商業ゾーンを演出する。
記事:上里夏生
(写真は全点ニュウマン高輪オフィシャル)