夏の交通事故防止を呼び掛け ドライバーはこまめな休憩を! 鵜住居町で初の街頭指導
夏の交通事故防止県民運動が15日から始まった。釜石市では一足早く12日に、市交通安全対策協議会(会長=小野共市長)による統一街頭指導が鵜住居町で行われた。夏場は暑さで疲労がたまりやすく、居眠りや注意力低下で運転中の事故発生が懸念される。長時間運転するドライバーは特にもこまめな休憩が必要だ。24日までの運動期間中、市内では防災行政無線や車両巡回、横断幕やのぼり旗などでの広報活動を行い、事故防止を呼び掛ける。
12日は街頭指導に先立ち、うのすまい・トモスで開会式が行われた。交通安全関係3団体、交通指導隊、警察署から計83人が参加。同協議会会長の小野市長は「県内では高齢者が関係する交通事故が多い現状に加え、全国的に子どもが被害に遭う事故も後を絶たず、全年齢層での交通事故対策が必要。関係機関、団体の連携を密にし、運動を推進していきたい」とあいさつした。
釜石警察署の三浦正人署長は「管内では今年、人身、物損事故ともに昨年より若干増加傾向にある」とし、ドライバーや歩行者へのさらなる注意喚起の必要性を指摘。重大事故に直結する横断歩行者妨害や速度超過などの交通指導取り締まりを強化していく方針を示した。
この後、鵜住居小・釜石東中前の交差点からスーパーマルイチまでの国道45号沿いの歩道に参加者が散らばり、街頭啓発活動が行われた。ハンドポップを掲げてドライバーに安全運転を呼び掛けたほか、歩行者や自転車利用者にチラシを配り、事故防止への意識を促した。
同運動のスローガンは「わたるまえ わすれずかくにん みぎひだり」。運動の重点に▽暑さなどによる過労運転の防止▽高齢者と夏休み中の子どもの交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―を掲げる。同協議会では18日夜に大町青葉通り周辺の飲食店を訪問し、飲酒運転根絶への協力を呼び掛ける予定。
釜石署によると、今年1月から7月15日までの管内の交通事故発生件数は人身事故が13件(うち死者1人、負傷者12人、前年同期比1件増)、物損事故が311件(同10件増)。八重樫徹交通課長は「交差点付近の車と人の事故は、安全確認をしっかりしていれば防げたであろう事故が多い。高速道路の釜石道、三陸道は東北道のようなサービスエリアなどがないので、高速道を降りての休憩も意識してほしい」と話す。
同協議会は季節ごとの各種交通安全運動の街頭指導をこれまで大町や中妻町で実施してきたが、今回初めて鵜住居町で行った。今後は市中心部以外でも活動していく方針。