GWの胃腸トラブルに注意!消化機能が低下しやすい原因とその解消法
新年度の疲れをリフレッシュできるGW(ゴールデンウィーク)に入り、開放的になっている人も多いのではないでしょうか。そんななか「GWになってから、なんとなく胃腸の調子が悪い」とお悩みの人はいませんか?
実は、GWは消化機能が低下して、胃腸トラブルが起きやすい時期です。そこで、今回はGWに消化機能が低下しやすい原因とその解消法についてご紹介します。
GWの消化機能の低下に注意!
消化機能の低下とは、胃酸や胆汁、膵液などの消化液の分泌が乱れたり腸での飲食物の吸収が悪くなったりして、消化がスムーズに進まず、消化不良になっている状態を指します。(※1)
以下は、消化不良のときの起こる胃腸トラブルの一例です。
・胃もたれ
・胃痛
・胃の重さ
・食欲不振
・吐き気
・大きいげっぷ
・膨満感
・下痢
・便秘
GWは、さまざまな理由から胃腸の消化機能が低下しやすい時期のため、このような不調に悩む人が多くなる傾向にあります。
GWに消化機能が低下する理由
消化機能が低下する理由には、食生活や生活習慣の乱れ、胃炎やがんなどの疾患、老化による胃腸機能の衰え、薬の副作用などが挙げられます。
そのなかでも、GWやその前後の消化機能の低下に関わっている原因を詳しく説明します。
1.胃腸の負担の大きい食事
GWは胃腸に負担をかける食事になりやすいため、消化機能が低下しやすくなります。
胃腸の負担が大きい食事とは、1日中お菓子をだらだらと食べている、外食が増えて脂っこい食事を食べ過ぎる、過度の飲酒などが当てはまります。
2.自律神経の乱れ
春は朝晩の寒暖差や天気による気温の変化が大きく、体温調節機能をもつ自律神経に大きな負担がかかり、バランスが崩れやすくなります。
自律神経は消化機能を調整する役割ももっているため、自律神経が乱れると、胃酸過多や腸のぜん動運動の低下を引き起こし、胃もたれや胃痛、便秘などの胃腸の不調につながるのです。
また、連休中は、遅寝遅起きになったり食事の時間がバラバラになったりと生活リズムが乱れてしまう人も多いのではないでしょうか。睡眠パターンの乱れや不規則な食事も、自律神経を乱す要因のひとつです。
GWになってから胃腸の不調を感じており、上記の2つの理由に当てはまる場合は、セルフケアで対策できる可能性が高いです。
GW明けに不調を残さないためにも、早めに対策を始めましょう。
消化機能を低下させない日常生活のポイントとは?
GWの消化機能の低下を予防・解消するには、胃腸の負担を減らしたり自律神経を整えたりすることが大切です。
具体的な対策方法を6つご紹介します。
1.胃腸に負担をかけない食事にする
消化機能が低下しているときは、胃腸に負担をかけないような食事に切り替えましょう。おかゆやうどん、大豆製品、白身魚、ささみ、にんじん、だいこん、ほうれん草など、脂肪が少なく、消化しやすい食材を使うのがポイントです。
アルコールやカフェイン、脂肪分の多い食品、香辛料、冷たい飲食物などは、胃腸の負担が大きいため、不調を感じているときは避けましょう。
また、食後は30分ほど休憩をとる、間食を控える、就寝直前の食事を避けるなども胃腸の負担の軽減に役立ちます。
2.発酵食品を摂る
善玉菌が多く含まれる発酵食品は、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、消化を促す効果が期待できます。
腸内環境の改善には、さまざまな菌をからだに取り入れたほうがいいため、ヨーグルトやキムチ、納豆、味噌など、複数の発酵食品を食べるようにしましょう。
3.食物繊維を摂る
食物繊維は、腸内の善玉菌のえさになったり便通を促したりして、腸内環境を整えます。発酵食品といっしょに摂りましょう。
食物繊維は、動物性食品以外のさまざまな食材に含まれています。たとえば、玄米や全粒粉などの穀物類、さといもやさつまいもなどのいも類、ごぼうやモロヘイヤなどの野菜類、大豆やいんげん豆などの豆類、わかめやのりなどの海藻類、しいたけやえのきなどのきのこ類、りんごやバナナなどの果物類などが食物繊維を多く含む食材です。
胃腸機能の低下を予防・解消するには、さまざまな植物性食品をバランスよく摂取しましょう。
4.早食いや食べ過ぎを避ける
早食いは、からだが満腹を感じる前に食べ過ぎてしまうリスクがあります。満腹中枢が刺激されるのは、食事を始めてから15分以上経過してからといわれています。食事の際は、最低でも15分かけて、よく噛んでゆっくりと食べましょう。
また、食べ過ぎを防ぐために、食事の量は「もう少し食べられそうだな」と感じる程度の腹8分目を意識することも重要です。満腹感がわかりにくい場合、普段の食事の7〜8割まで食事量を減らすのがおすすめです。
スマホやテレビを見ながらのながら食いは、噛むことがおろそかになり満腹感を感じにくくなります。消化機能の低下を感じている人は、ながら食いを避け、食べることに集中しましょう。
5.軽い運動を取り入れる
軽い運動は、腸のぜん動運動を促して便通をよくする効果が期待できます。また、自律神経の調整にも役立ちます。
GW中は、ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、軽く汗ばむ程度の運動を習慣にしましょう。運動を習慣化することで、GWの運動不足による体重の増加も予防できますよ。
6.生活のリズムを整える
GWの期間も生活のリズムを整え、自律神経の乱れを防ぎましょう。毎日の起床や就寝、食事、入浴をできる限り同じ時間にすると、自律神経が整いやすくなります。日中に眠気を感じるようなら、起床時間を遅くするのではなく、15〜30分ほど昼寝をしましょう。
また、朝起きたら10〜15分ほど日光浴をする、午前中に散歩をする、夜は部屋を電球色(オレンジ色の光)にするなども自律神経を整えるのに役立ちます。
GWの消化機能の低下には漢方薬もおすすめ
ここまでさまざまなセルフケア方法をお伝えしてきましたが、GWの消化機能の低下には漢方薬の服用もおすすめです。
漢方薬は不調の根本改善を目的とする漢方医学のなかで、効果が認められた生薬を組み合わせた薬です。また、自然由来の生薬からできており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
毎日飲むだけなので、「すぐに食事や生活習慣を改善するのが難しい」と感じる人にも取り入れやすいこともメリットのひとつです。
消化機能の低下に対しては、下記のような働きのある漢方薬を選びましょう。
・胃腸の機能を回復させる
・自律神経のバランスを整える
・からだを温めて冷えが原因の胃もたれを改善する
消化機能が回復すると栄養素の吸収もよくなり、肉体的・精神的な疲労の軽減にもつながります。
<GWの消化機能の低下におすすめの漢方薬>
・安中散(あんちゅうさん)
胃腸を温めて、胃痛や胃もたれ、胸やけなどを改善します。胃腸が弱い人や体力があまりない人に向いています。
・平胃散(へいいさん)
水分代謝や胃腸機能を整え、不規則な食事や食べ過ぎによる胃もたれや消化不良を改善します。体力がある程度あり、食後におなかが鳴りやすく下痢気味の人に向いています。
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
消化機能の低下を防いでGWを楽しもう
GWは気温の変化や生活リズムの乱れで消化機能が低下しやすい時期です。
また、GWの不調をそのままにしておくと、休み明けにさらに症状が悪化してしまう可能性も。食事や生活習慣に気をつけて、GWのうちに不調を解消しておきましょう。
なお、消化機能を根本から改善するには、漢方薬を飲むのもおすすめです。消化機能の低下を防いでGWを十分に楽しみ、休み明けも元気に過ごしましょう。
<参考文献>
※1 たまプラーザ南口胃腸内科クリニック「消化不良はどうして起こるの?その原因や予防策について解説!」
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
(mimot.(ミモット)/あんしん漢方)