前足部からの着地ができているか? 走り方の基本をチェックし身体の不調を事前に見抜く!【スポーツ障害予防の教科書】
走りのチェック
走り方の基本は前足部からの着地
動きケア®では「よい走り=身体の部分に過度の負担がかからない走り=効率よく前に進む走り」と考えています。走り方が身体の部分に過度の負担を与えるものになっていると、当然スポーツ障害も起きやすくなってしまいます。この機会にぜひ、見直してみてください。
まず、着地の仕方ですが、歩きの場合は踵から着地でしたが、動きケア®では走る場合は前足部からの着地を推奨しています。また、足裏のバランスよい使い方という観点から、前足部・踵部同時着地もO Kです。
今まで多くの方に走り方の指導をしてきましたが、意外と走りも踵から着地と思っている方がたくさんいらっしゃいました。その中のランナーやトライアスリートには、踵から着地を前足部から着地に変えたところ、「腰痛がよくなった」、「頻繁に起こっていた足のつりが起きなくなった」、「ベストタイムが向上した」という方もいました。ですから、今、踵から着地で走っていてどこかに痛みや不調を抱えている方は前足部から着地を少し試してみるのもよいかもしれません。今までみてきて、特に踵から着地の走りで骨盤が後傾していると、身体のどこかの部分に過度の負担がかかり、痛みや不調がでやすいようです。
それでは、チェック項目を使って(4)着地の仕方以外もチェックしてみましょう。
(1)骨盤が後傾している
(2)胴体がねじれている
(3)腕が上体よりも後方に大きく振れない
など「できていない例」に該当する場合は身体を部分に分けて、それぞれの基本運動をチェックしてみると、必ず十分にできない動きがあります。例えば、骨盤が後傾している↓胸郭部の伸展が十分にできない、胴体がねじれてしまう↓骨盤部・腹圧が十分にかかっていない、腕が上体よりも後方に大きく振れない↓肩甲帯・内転(背骨に寄せる動き)が十分にできないなどです。まずは、その動きを十分にできるようにして、必要があれば「連動ケア」で仕上げていきましょう
走りのチェック
チェック項目
(1)骨盤はやや前傾しているか
(2)体幹部(胴体)はねじれていないか
(3)上体よりも後方への腕振りが大きくなっていないか
(4)前足部から着地もしくは前足部・踵部同時着地をしているか
できていない例
(1)骨盤はやや前傾しているか→骨盤が後傾している
(2)体幹部(胴体)はねじれずに走れているか→体幹部(胴体)がねじれている
(3)上体よりも後方への腕振りを大きく使えているか→前方や横に大きく腕を振っている
(4)前足部から着地もしくは前足部・踵部同時着地をしているか→踵から着地している
体幹部がねじれない走り方とねじれた走り方
効率のよい腕の振り方と効率の悪い腕の振り方【スポーツ障害予防の教科書】” width=”701″ height=”1024″ class=”alignnone size-large wp-image-322809″ />
効率のよい腕の振り方と効率の悪い腕の振り方
効率のよい腕の振り方
上腕骨を胴体よりも後ろへ大きく振ることによって、効率よく前へ走ることができる。
効率の悪い腕の振り方①前へ大きく腕を振る
上腕骨を胴体よりも前方へ大きく振ると後ろ重心になりやすく、効率よく前へ進めない。
効率の悪い腕の振り方②腕を横に振る
腕を左右に振ると、バランスを取るために身体が左右に横揺れするため、効率よく前へ進めない。
効率の悪い腕の振り方③拳を力強く握る
手指をしっかりと握ってしまうと肩に力が入らないため、強く腕を振ることができない。
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』