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がんになった妹が子宮全摘を選ばなかった理由。自閉スペクトラム症の息子が命をつなぐ、奇跡の物語

毎日が発見ネット

がんになった妹が子宮全摘を選ばなかった理由。自閉スペクトラム症の息子が命をつなぐ、奇跡の物語

まゆんさんは、看護師でありシングルマザー。自閉スペクトラム症があり特別支援学級に在籍する小学6年生の息子・太郎くんの子育てに奮闘しています。まゆんさんと太郎くんが、さまざまな出来事を一緒に乗り越えていく姿を漫画『自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界』で紹介。まゆんさん一家の何気ない日常は、愛や優しさであふれ、共感できるエピソードがたくさんあります。


本稿のテーマは「いろんな生命」。太郎くんの存在が新しい命をもたらす力になったお話です。


妹のはるんががんだと知ったとき


――はるんさんから初めてがんだと知らされた時、どんなことを思いましたか?


まゆんさん(以下、まゆん) はるんまでも目の前からいなくなるのか...と不安や絶望感に襲われました。さらに、子宮全摘をしないという話を聞いて、実際は漫画に描いているよりももっと長い時間を使って、はるんと話しました。


――ばあばやじいじはどんな様子でしたか?


まゆん ばあばやじいじはほとんど口を出すことなく、私とはるんの話し合いの結果を待っていました。はるんの思いと、私たち家族の思いを伝え合いました。


――最終的には、はるんさんの気持ちを尊重したのですね。


まゆん はるんの気持ちを尊重しました。でも、家族の思いを伝えないと後悔すると思い、気持ちだけは伝えました。兄を亡くした辛さを知っているので、私たちが心配する気持ちを十分に理解したうえでの決断だったと思います。


太郎くんの存在が命と命をつなぐ...

――はるんさんが子宮温存の選択をした理由は太郎くんの存在が大きかったのですね。


まゆん 2人は太郎が小さい時から仲良しなんです。私が「はるん」と呼ぶので、太郎もそう呼ぶようになりました。太郎にとっては、とてもよい話相手です。2人ともドラえもん好きという共通点があるので、よく語り合っています。


――無事出産したはるんさん。出産前と出産後では大きな変化があったようですね。


まゆん やはり母になり、子どもへの愛が日常でプラスになっていると感じています。太郎に対しても、変わらずあたたかく接してくれるので、見ていてこっちがほっこりするんです。


太郎くんの存在によって「子どもがほしい」と思い、子宮温存の選択をしたはるんさん。命が命をつなぐ、縁を感じずにはいられませんね。

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