「11月1日」は犬の日!なぜ「11月11日」じゃない?わんこ愛炸裂『教えて? イヌのココロ』Netflix配信中
わんこは家族
都会のワンルーム暮らしは気軽で便利だが、どうしても埋められない穴がある。「ペット」の存在だ。動物の飼育が可能な賃貸住宅は限られているし、毎日の散歩やケアをする余裕がない人も多い。しかし、動物と触れ合いたいという衝動を抑えられない経験は誰しもあるだろう。数千年以上にわたって動物と交流してきた私たちにも、その本能が刷り込まれているのだ。
Netflixオリジナルドキュメンタリー『教えて? イヌのココロ』は、長らく人間のパートナーとして共に暮らしてきた「イヌ」を多角的に考察・検証する。ラブラドール・レトリバーやフレンチ・ブルドッグなど人気の犬種が生まれた経緯や、いわゆる「イエイヌ」がどのように「家族」となっていったのかを、じっくり解説。ときにあざとさすら感じさせる、わんこの“上目遣い”に重要な意味があったなんて!
すべてはオオカミからはじまった
かつて人間との生存競争で生き残った肉食動物が、ヒグマとオオカミだった。そしてオオカミは「人懐っこさ」によって、異なる生き物へと分化していく。「強いだけじゃ生き残れない」を実践して生まれたのが現在のイヌであり、その合理的かつ理性的な進化に驚かされると同時に、なんだか心に温かいものが流れ込んでくる。
家族にイヌがいる人は、活発な子や神経質な子、のんびりやさんがいることをご存知だろう。そして子犬から一緒に育った人は、それが人間同様の“個性”であることも知っている。本作は子犬の思考を研究することで性格パターンを解明する機関も登場し、それは補助犬や介助犬の存在とも繋がっていく。トレーニング次第ではあるけれど、向き不向きは誰にでもあるものだ。
人を助けるイヌたち
イヌが人間の指示(手助けする言動)を理解する能力はチンパンジー以上だそうで、近縁種以上に通じ合えることが証明されているという。あるトレーナーは「無駄な行動をするイヌはいない。そのすべてに適切な意味がある」と語る。理解できない動きや吠えにストレスを感じてしまいがちだが、イヌたちが何を言わんとしているのか、どう感じているのか、私たちは家族として理解したいと願う。
そして日本に暮らす私たちは、災害救助犬の存在も忘れてはならない。今年9月の能登半島豪雨災害の際にも、小さなコーギー犬が出動したことが報じられた。いま国内には250頭の救助犬がいるというが、中には殺処分直前に施設から救われ、訓練の末に表彰されるまでに成長したイヌもいるという。本作で描かれる訓練の様子は厳しさもあるが、現場では心からの笑いも起こっていて、まさにイヌがもたらす効果を感じさせてもくれる。
保護施設から迎えて! 欧米で禁止されるペットショップ
日本では約700万頭のイヌが飼育されており、そのうちペットショップで購入した割合が半数を超えるという。保護施設から迎えるという概念が根付いていないことを伺わせる結果であり、5万頭以上いるという保護犬と野良犬は明日をも知れぬ生活を強いられている。いまだに新たなミックス犬などが売り出されていて、買う人がいる以上そういった問題は解決から遠ざかってしまう。
今年フランスではペットショップでの犬猫の販売が禁止され、ドイツも厳しい法律があるため生体販売はほぼ不可能な状況だという。またニューヨーク州を筆頭に、アメリカでもペット販売の禁止に舵を取りつつある。血統書付きの可愛らしい犬猫をお店で購入すれば、同時に殺処分へと一歩近づく犬猫がいるということだ。
ともあれ本作は、とにかく1時間強のあいだイヌがずっと映っているので、シリアスな人間ドラマや激しいアクションなんかに疲れたという人には息抜きの意味でもオススメ。ただしイヌと暮らしたいという激しい衝動にも駆られるので、その点だけはご注意を。
ちなみに11月1日は「犬の日」に制定されている(もちろん「ワン=1、ワン、ワン」の語呂合わせ)のだが、なぜ1月11日でも11月11日でもなく「11月1日」なのか? これには諸説あるようで、まず何かと忙しい年始は避け、2月22日の「猫の日」から間を空けつつ“鳴き声3回”の語呂合わせにはマッチする11月1日になった、のだとか……。
Netflixオリジナルドキュメンタリー『教えて? イヌのココロ』独占配信中