猫の寿命が短くなる『ダメな飼い方』5選 病気や事故を呼び寄せかねない生活習慣とは
1.外出をさせる(外飼い)
一般社団法人ペットフード協会によれば、外に出ない猫の平均寿命は約16歳ですが、外に出る猫は約14歳となっています。つまり外飼いの猫は、室内飼いの猫と比べて、平均寿命が2年も短いのです。
これは外出することによって、病気やケガ、事故などのリスクが高くなるためです。具体的には以下のようなリスクがあるでしょう。
✔寄生虫に感染する(ノミダニなど)
✔交通事故に遭う
✔野良猫や野生動物と接触する(感染症やケンカ)
✔ケガをする
✔迷子になる
猫は環境さえ整っていれば、狭い場所でも暮らしていくことができます。愛猫の健康のためにも、室内の飼育環境を整えて、完全室内飼いにしましょう。
2.不健康な食事
人間の食べ物を与える、おやつばかり与えるなど猫の健康を害する食事の習慣は肥満や寿命を縮める原因にもなりえます。
人間の食べ物を与えていると、うっかり猫が食べてはいけない食べ物(玉ねぎ、ニンニク、チョコレート、ぶどうなど)を与えてしまう可能性があります。最悪の場合は命を落とすことになりかねません。人間の食べ物は与えないようにしましょう。
またおやつばかり与えていると、栄養失調や肥満のリスクがあります。肥満になると、糖尿病や心臓病、関節の病気などのリスクが高まることがわかっています。病気のリスクを減らすためにも、年齢にあった総合栄養食を与えるようにしましょう。
おやつを与える場合は、1日の摂取カロリーの10%程度までにし、その分ご飯を減らすようにします。
3.飼い主さんが喫煙をする
実は飼い主さんの喫煙も猫にとっては命を脅かしかねない危険な習慣です。人間と同様に、猫も受動喫煙で健康を害することがわかっています。
喫煙習慣のある飼い主さんと暮らす猫は「悪性リンパ腫」の発生率が2.4倍上昇、5年以上の喫煙歴がある場合は、3.2倍上昇するという報告があります。
タバコの害は近くで喫煙するのはもちろんですが、猫のいない部屋や空気清浄機を設置した部屋で吸ったとしても悪影響を無視できるわけではありません。
服やカーテン、じゅうたんなどに付着した有害物質を摂取することで間接的に被害をもたらす「三次喫煙」のリスクがあります。
つまり禁煙をしない限り、猫の健康を脅かす可能性があるのです。猫と暮らすなら禁煙をおすすめします。
4.トイレ掃除をしない
猫はとってもきれい好きな動物です。排泄物が残っているとトイレを我慢してしまうこともあります。
猫がトイレを我慢すると、尿路結石症や膀胱炎など泌尿器疾患のリスクが高まります。泌尿器疾患も場合によっては結石がつまるなどで尿が出ず命にかかわる可能性もあり、決して油断ができない病気です。
猫が安心して排泄できるように、できれば排泄のたびに、最低でも1日2回はトイレ掃除をおこない排泄物を取り除くようにしましょう。
またトイレが汚れていると、トイレ以外で排泄をする原因にもなりますので注意してください。
多頭飼いや仕事などで長時間の留守番をさせる場合は、トレイを多めに用意しておくのがおすすめです。
5.ワクチン接種を受けさせない
猫の感染症を予防するためのワクチンを接種させないのは、病気のリスクを高め、寿命を縮める可能性のある行為です。
猫のワクチンで予防できる病気には以下があります。
✔猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
✔猫カリシウイルス感染症
✔猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
✔猫クラミジア感染症
✔猫白血病ウイルス感染症(猫白血病)
✔猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
外飼いでなくても、万が一脱走をしてしまったときに感染する可能性がありますし、感染症によっては、飼い主さんがウイルスを運んできてしまう場合もあります。
そのため完全室内飼いであっても、ワクチン接種が推奨されているのです。
猫のワクチンには、予防できる病気によって3種混合ワクチン、5種混合ワクチン、7種混合ワクチンのほか単体のワクチンがあります。どのような病気がどのワクチンで予防できるか獣医師に確認して相談しましょう。完全室内飼いの場合は一般的に、年1回3種混合ワクチンを接種します。
まとめ
猫の寿命を縮めてしまう飼い方を5つ紹介しました。
猫を健康で長生きさせるためには、完全室内飼いを徹底し、年齢にあったキャットフードを与えることが基本となります。さらに喫煙習慣を改める、トイレ環境を整える、ワクチン接種で感染症予防に努めることもお忘れなく。
また猫の正しい飼い方を知り、実践することも愛猫を長生きさせる秘訣です。この機会に、ぜひ猫の飼い方について学んでみませんか?
(獣医師監修:加藤桂子)