そっと時間を忘れに行く。福崎町の古民家『旬の玉手箱 あまみ』で出会う静かなご褒美 福崎町
コーヒーを飲みながら、静かな時間にとろけてみたい。そんな夢を叶えてくれるのが、福崎町にある『旬の玉手箱 あまみ』です。
福崎町の有形文化財の一つ、旧小國家の一角に佇むこちらのお店。暖簾をくぐると、店員の西本さんの柔らかな笑顔と、ゆったりとした空間が出迎えてくれます。
人気メニューのハンドドリップ珈琲は、大のコーヒー好きの西本さんが、厳選されたコーヒー店から仕入れられたこだわりの豆を使用。
控えめな酸味と爽やかな後味が、肩の力をほどいてくれます。店内に満ちる芳醇な香りと、流れるBGMに身をゆだね、庭をぼうっと眺めていると、短い待ち時間さえもご褒美に感じます。
今は、よりリラックスできるオリジナルブレンドを試作中なのだとか。完成が楽しみです。
お客様の雰囲気に合わせて、インスピレーションで選ばれるという器も楽しみのひとつ。焼き物好きにはたまらないポイントです♡
添加物を極力控えた米粉のチーズケーキは、しっとりと口の中で溶け、ご年配の方にも食べやすいと好評。付け合わせのミルクアイスとの相性も抜群です。この「ミルクアイス」、あまりの美味しさに単品メニューとして独立してしまったという裏話も。
濃厚でいて、くどくない。“ごほうびの味”があるとしたら、きっとこれ。シェイクにして飲みたくなるほどの美味しさです。
素材はカカオ100%のチョコ、タズミの卵、よつ葉バター、きび糖だけ。濃厚なガトーショコラも見逃せません。カカオ本来の香りと味わいが口いっぱいに広がります。トッピングのカカオニブは抗酸化作用があるスーパーフード。美容と甘さを兼ね備えた贅沢な逸品です。
自家製レモンスカッシュは、ハチミツが苦手な方への配慮から、有機のアガベシロップを使用。国産ノンワックスのレモンを使っているので、安心して味わえます。二重構造のカップで水滴がつかないのも、お客様が長時間快適に過ごせるようにという、細やかな気配りから生まれたもの。
料理人の店主のモットーは「こだわりを持たないこと」。料理人としての"こだわり"をあえて手放し、お客様が「美味しい」と感じるものを作ることに徹しておられるそうです。ホールスタッフの声を反映しながら改良を重ねるランチメニューやディナーでは、苦手な食材があれば変更にも対応してくれるとのこと。
メニューが美味しくて優しいのはもちろんですが、お話を聞けば聞くほど感動するのは、お店の方全員のお客様に向けられた真摯な姿勢です。そこにはサービス精神を超えた、人と人との関係を紡ぐような空気が流れています。
西本さんが何より大切にされているのは「コミュニケーション」。美味しい材料に出会った感動や、美しい器を見つけたときめきを、そのままお客様に伝えたいという思いがあります。仕入れ先とのやり取りもデジタル化が進む今だからこそ、顔が見えて温度感のあるやりとりを心がけておられるとのこと。
「心行くまで過ごしてくださいね」という言葉が単なる社交辞令ではないのもうれしいところ。ご自身の経験から、お客様を急かしたくないという強い思いを持つ西本さん。「本当に長居していいんですか!?」と2回も念押しする私に、「むしろどうぞ♡」と笑顔で返してくれました。
10時頃から訪れランチやカフェでゆっくり過ごす地元の方、県外からご予約して早めの時間からディナーを楽しまれる方など、滞在時間や楽しみ方は様々だそうですが、皆様、笑顔でその扉をあとにするのです。
美味しい食事に舌鼓を打ち、必要なときにはさりげなく声をかけてもらい、読書に集中しているとそっと見守られる。そんな穏やかな空気に包まれて、気づけば時を忘れ自分の時間を楽しんでいました。
「旬の玉手箱 あまみ」は現代にひっそりと隠された竜宮城。日常からそっと抜け出して、自分に還るための小さな旅路でもあり、「ただいま」と言いたくなる温もりに出会えるところです。
今週末、あなたも自分だけの"玉手箱"を探しに、タイムスリップしてみませんか。
場所
旬の玉手箱 あまみ
(神崎郡福崎町山崎814番地 旧小國家主屋内)
営業時間
ランチ 10:30~14:30(L.O.14:00)
カフェ 14:00~17:00
ディナー 17:00~20:00(L.O.19:30)※完全予約制
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください
定休日
火曜日
駐車場
有(旧小國家の共用駐車場をご利用ください)