焼津は何と言ってもマグロとカツオ! 地産地消の「書皮」(しょひ) が話題【週末は書店に行こう!】
突然ですが、皆さん「書皮」って何かご存知ですか?
こんにちは。静岡新聞社出版部の営業担当、アッキーこと秋田です。
静岡県内の書店をめぐり、話題のお店、注目イベント、店員さんのイチオシ本などを紹介するコーナー「週末は書店に行こう!」です。
突然ですが、皆さん「書皮(しょひ)」ってご存じですか?私はこの仕事に携わるまでこの言葉を知りませんでした。大阪にある正和堂書店の書皮が「かわいい」と話題になり、最近では全国展開する大型書店の「書皮」のミニチュアがガチャガチャ(カプセルトイ)にも登場しました。答えは……。
こちらです!画像は正和堂書店のブックカバー (写真提供:正和堂書店)。書店で本を購入した時にかけてくれる「ブックカバー」のことを書皮と言うんです(アイスのバーはしおりです)。
こちらではユニークなデザインのさまざまなタイプのカバーがあります。
ちなみに、正和堂書店さんのブックカバーはオンラインショップ(https://seiwado.base.shop/)でご購入もできます。
書皮に話を戻します。書皮は日本独特の文化で、始まりは大正時代にまでさかのぼります。書店の宣伝のほか、会計済みの目印として店名やオリジナルのデザインを印刷した紙で購入された本を包む習慣ができました。
今では書店にとって店のPRをする重要なアイテムの1つです。またどの書店もブックカバーには並々ならぬこだわりもあります。
実は県内にもユニークな書皮があるんです。それが今回紹介する焼津谷島屋の書皮です。
絵柄は焼津らしく魚のイラストが描かれており、マグロが書皮全面を泳いでいます。しかし、よ〜く見ると1匹だけ…カツオがいるんです‼
よーく、探してみてくださいね。
そのほかにも「本を持っているマグロ」や「マグロの背びれにつかまるカエルちゃん」、鯛や本を読んでいるダイバーなど、かわいらしく描かれたキャラクターが所々にいて焼津の海が楽しく表現されています。
書皮について焼津谷島屋店長の鈴木正樹さんにお話を聞きました。
「焼津谷島屋は戦後、本家の『谷島屋書店』=浜松市=から暖簾分けし、その後も谷島屋書店と同じ柄の書皮を使用してきました。ちなみに谷島屋書店の書皮は大正時代、浜松に縁のある俳人・相生垣瓜人が自らが詠んだ短歌をモチーフにデザインしたものを現在も使用しています。 焼津谷島屋では定番書皮も使用しながら、地元焼津を表現したオリジナルの書皮もつくろうと考え、イラストは、焼津市在住で現在も活躍中のイラストレーター・ヤマムラトモヨさんにお願いし、描いていただきました。
ヤマムラさんとはイラスト内容について何度も打ち合わせを重ねました。焼津といえば、「魚と海」をイメージする方が多いと思います。力強く、マグロやカツオたちが焼津の海に回遊する姿をメインに描き、所々に海のキャラクターやヤマムラさんのキャラクター「るーくん」を描くことにより、大人から子どもまで幅広い方々により親しみやすいイラストになるように試みました。
また、書皮の紙にもこだわりを持ち、地元企業から古紙幣の再生紙の提案があり、採用しました。 紙色もちょうど焼津の特産物の『黒はんぺん』色になりました」。
書皮の表面と裏面です。紙色は見事に「黒はんぺん」色ですが、写真では色が分かりにくいので、ぜひ当店に来てみてください。
こうしていろいろな作業をかさね、焼津谷島屋さんのオリジナル書皮が完成しました。まさしく「オール焼津」で制作した地産地消の書皮が完成しました。
当初は、特別企画として期間限定で終わる予定でしたが、地元・焼津では大好評で現在でも使用し続いているそうです。ちなみにこのイラストはクリアーファイルやしおり等当社オリジナルグッズとして焼津谷島屋 登呂田店で販売しています。
書皮ひとつとっても、いろいろな苦労話や誕生秘話がありますね。静岡県内の書店さんにはまだまだ個性的な書皮がたくさんあります。
皆さんも、各店の書皮がどんなデザインなのかを楽しみにしながら、ぜひいろいろな書店に出かけてみてください。
最後に焼津谷島屋登呂田店さんからとっておきのお知らせです。同店で本を購入した方で「アットエスの記事を見ました」と店舗中央のレジで伝えてくれた方の「先着20名様にヤマムラトモヨさんデザインのオリジナルしおりをプレゼント」してくれるそうです。こちらもお楽しみに!
■焼津谷島屋 登呂田店
住所:焼津市西小川2-1-1
電話:054-627-2439
X: https://twitter.com/yaizuyajimaya
Facebook:https://www.facebook.com/yaizuyajimaya/?locale=ja_JP