インフルワクチン「点鼻」のメリットと注意点 割高?効果は?医師に聞いたポイント
札幌市では、2024年より1か月以上も早くインフルエンザが流行期に入りました。
家族や自分のワクチン接種を考えている人も多いかと思いますが「痛くない」ワクチンに注目が集まっています。
連載「じぶんごとニュース」
「痛くない」ワクチンに注目
札幌市中央区の円山ため小児科では10月に入り、インフルエンザ疑いの患者が一気に増えたといいます。
「9月の中旬下旬ぐらいからポツポツと来ていたけど、10月に入って増えてきた。やはり1か月以上の早い流行が始まったという印象」
札幌市内の感染状況を示す、一医療機関あたりの患者の数は9月29日からの1週間で、患者の数は流行入りの目安となる「1」を超えて、1.47となりました。
2024年より1か月半ほど早く、過去10年間で2番目に早い流行入りです。
円山ため小児科の多米淳院長によると「いま流行しているのはほとんどがA型といわれているもの。症状に関しては例年とほとんど変わらない。高い熱・頭が痛い・体が痛い・すごくぐったりしちゃう」といいます。
重症化予防に効果があるとされる「ワクチン」と言えば、注射での接種が思い浮かびますが、注目を集めているのが昨シーズンから登場した、鼻に噴霧する点鼻タイプです。
対象は、2歳~18歳で接種は1度で済みます。
そして、「痛み」がないため注射が苦手な人向きです。
夕方に再びため小児科を訪れると、34人がインフルエンザの予防接種の予約をしていて、うち5人は「点鼻タイプ」を選びました。
▼国内での接種対象は、2歳~18歳の子ども
▼接種は、1回のみで1万1000円(取材した小児科の場合)
▼効果に差はない
▼痛みがない
注射のワクチンの場合、13歳未満の子どもだと1回4000円前後を2回接種するため、点鼻ワクチンの方が料金的には割り高になります。
注意点も
点鼻タイプは、弱毒化した生のウイルスを体内に取り込むので、飛沫などで他の人に移してしまう可能性があり、品質保持の「安定剤」にはゼラチンが含まれています。
そのため、「不活性化ワクチン」である注射での接種が推奨されている対象者もいます。
▼喘息や免疫疾患の患者や家族
▼妊娠中や授乳中の患者
▼ゼラチンアレルギーの患者
厚生労働省によりますと、今シーズンのワクチンは、過去3年間の使用量を上回る約5300万回分の供給を見通しているということです。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年10月16日)の情報に基づきます。