ビルトインガレージの特徴や坪数別でおすすめの間取りは?プロが徹底解説!
「愛車を眺めて毎日を過ごしたい!」とビルトインガレージのある家にあこがれる方も多いのではないでしょうか。せっかく家を建てるのであれば、自分の希望を叶えられる場所にしたいですよね。 今回は、ビルトインガレージの物件を専門に扱う【東京ガレージ】(運営:ART&TECHNOLOGY合同会社)の方にインタビュー!ビルトインガレージの特徴や設計上の注意点、坪数別のおすすめな間取りなどを、プロの目線から語っていただきました。お話を伺った方ART&TECHNOLOGY合同会社 代表山本訓也さん
資格:1級建築士/1級建築施工管理技士/宅地建物取引士/FP2級技能士東京ガレージ事業部安田淳一郎さん
ビルトインガレージとは?
ビルトインガレージとはどのような空間を指すのでしょうか。ビルトインガレージの概要についてご紹介します。
車両を屋内保管でき、住まいと一体になっている空間のこと
ービルトインガレージとはどのような空間ですか? 当社では「シャッターなどでガレージが区切られている、住まいと一体になった車庫」と定義付けています。街中などで自動車の頭が出ていたり、シャッターがついていないものもありますが、そういった空間は当社の定義ですとビルトインガレージとはなりません。 あくまで車両を屋内保管できる空間であることがビルトインガレージの条件としています。
ビルトインガレージを設置するメリット
ビルトインガレージを住宅に導入するメリットにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
車の保管環境が向上
ービルトインガレージを導入するメリットは何が挙げられますか? いちばん大きなメリットは、車両の保管環境が向上することです。屋内で保管できるため雨風の影響を受けないことに加え、防犯・セキュリティ面も安心できます。ー防犯面というと、車両へのいたずらなどでしょうか? そうですね。車両へのいたずらをはじめ、バイクの盗難被害を防ぐためなどといった防犯面でビルトインガレージは効果的です。バイクは自動車と比べて簡単に盗難されてしまうため、家の外に保管するのは怖いという方も多くいらっしゃいます。 シャッター内に保管することで、防犯面ではかなり安心できるでしょう。
愛車を眺めて生活できる
ーそのほかビルトインガレージのメリットはありますか? 愛車を整備したり、鑑賞するといった趣味のスペースとしても使えることです。住まいの一部として愛車を眺められるため、自動車やバイクが好きな方にとってはかなり充実した空間となるでしょう。
ビルトインガレージを設置するデメリットや注意点
ビルトインガレージを設置することで、雨風の影響を受けずに防犯面でも安心できることがわかりました。 ビルトインガレージを設置するデメリットや注意点も確認していきましょう。
部屋数を確保したい方には不向きな場合も
ービルトインガレージを設置するデメリットはありますか? 部屋数が限られてしまうことです。限られた敷地の場合、ひと部屋をガレージとして使うか居住スペースとして使うかは熟考する必要があります。 ガレージはどれだけ小さく設計したとしても3m×6m以上の空間を要するため、主寝室ほどのスペースがとられてしまいます。希望の部屋数とガレージに使える空間を照らし合わせながら考えることが大切です。
設計を間違えると使いにくくなる
ーなるほど。ビルトインガレージを設置する際の注意点はありますか? スペースを狭めすぎると使い勝手の悪いガレージになってしまうため注意が必要です。 一般的な住宅では、お客さまの要望を詰め込むとどうしても最小の寸法を狙いたくなるため、「寝室のベッドは〇cmなので寝室の空間も△cm削れる…」といったように、できるだけ省スペースで部屋数を増やせるように設計します。 このように通常の居住スペースを設計する際は、最小の寸法を狙ってできるだけほかのスペースを確保することが大切である一方、ガレージの場合はおすすめできません。 自動車が入るギリギリの大きさでガレージをつくってしまうと、ガレージに自動車を入れづらかったり、扉を開けるとガレージの壁にぶつかってしまうなどといったケースが考えられるためです。ー家づくりの段階から、暮らし方を見越しておくことが大切なのですね! そうですね。車を日常的に使う方であれば、ビルトインガレージは毎日使うもの。ストレスなく使えるよう間取りを考えることが大切です。
【坪数別】ビルトインガレージの間取り
ビルトインガレージのある住宅は、具体的にどのような間取りになるのでしょうか。坪数別でおすすめの間取りをご紹介します。
20坪台は1階にガレージ、2階に居住スペース
ー20坪台でおすすめの間取りを教えてください! 20坪台の場合、1階はガレージスペース、2階に居住スペースを置かれる方が多い印象です。20坪台後半になれば、1階にガレージと水回り、2階に居住スペースというケースが多いでしょう。 間取りは1LDK~2LDKとなり、単身者やDINKs(子どもを持たない夫婦)の方におすすめです。
30坪台は1階にガレージと水回り、2階に居住スペース
ー30坪台でおすすめの間取りを教えてください! 30坪台では1階にガレージとLDK、2階に2~3部屋ほどの居住スペースを設置できます。20坪台と比べてLDKを1階に設置できる点が特徴。間取りとしては2LDK~3LDKが一般的です。 3~4人家族におすすめの坪数になります。
40坪台は3~4LDK、1台ではなく2台分のガレージスペースも
ー40坪台でおすすめの間取りを教えてください! 40坪台は3~4LDKと広いスペースを確保できます。40坪台後半になると、2台分のガレージを設けることも可能です。 かなりスペースに余裕が生まれるため、ガレージにかけられる空間もこだわることができます。
意外と知らない!ガレージのシャッターにはどのような種類がある?
ビルトインガレージを検討する際は、ガレージのシャッター部分にも注目するとよいでしょう。 ガレージのシャッター部分は、巻き取り式とオーバースライダー式の2種類があります。それぞれどのような特徴があるか、確認していきましょう。
巻き取り式
ー巻き取り式のシャッターとはどのようなものですか? シャッター上部にシャッターを収納する「シャッターボックス」があり、その中にぐるぐるとシャッターを巻きながら収納していくものになります。一般的に広く用いられているシャッタータイプです。 巻き取り式には手動と電動の2種類があり、ガレージでは一般的に電動型を選ぶ方が多い印象です。ーなぜ電動型を選ぶ方が多いのでしょうか? 手動でガレージを上げ下げする場合、帰宅するたびに手動でガレージを開けないと車を入れられないなど、不便なケースが多いためです。
オーバースライダー式
ーオーバースライダー式とはどのようなものですか? ガレージの天井にスライドさせる形でシャッターを上げ下げするものになります。オーバースライダー式のシャッターは、巻き取り式のものと比べてシャッターを上げ下げする速度が速く、音も静かな点が魅力です。 ただ、その分巻き取り式よりも値段が上がってしまうためコスト面では注意が必要です。
ビルトインガレージのある家で生活する注意点
ビルトインガレージのある家で生活するには、いくつかの注意点を把握しておくとよいでしょう。 ビルトインガレージがあることで生じるリスクについて解説します。
シャッターは断熱性・気密性に弱い
ービルトインガレージのある家で生活する際の注意点はありますか? シャッターはドアや窓などのほかの開口部と比べて気密性や断熱性が下がることです。湿気がたまらないよう換気扇を設置したり、断熱の部分では居住スペースとの間にドアを設けるなどといった対策が必要になります。
ガレージのおすすめ活用法は?
ガレージは車を収納するという用途だけでなくさまざまな活用方法があります。おすすめなガレージの活用方法をご紹介します。
趣味の空間として活用する
ーガレージの活用方法で何かおすすめなものはありますか? 趣味の空間として活用される方が多い印象です。自転車やアウトドアが趣味の方は自動車と一緒に収納したり、簡易的な車のメンテナンススペースや洗車スペースをつくる方もいらっしゃいます。 そのほか、雨天時に家族で遊べるスペースとしても活用できますね。
ビルトインガレージを設置する際におすすめの住宅設備は?
ーガレージに設置しておくべき住宅設備はありますか? 換気扇やコンセントはあったほうがよいと思います。「車を収納すること」以外の使い道が広がるような住宅設備を取り入れると、より使い勝手のよい空間に仕上がります。 また手洗い場も検討される方が多い印象です。車のメンテナンスをしてそのまま手を洗える動線も便利ですよね。
まとめ
いかがでしたか?ガレージハウスについてプロの目線から学べましたね。 ガレージハウスのメリット・デメリットを正しく把握することで、納得のいく家づくりにつながります。家族で話し合いながら、楽しく家づくりをしていきましょう!