トランプ氏が大統領令に署名…そもそも大統領令って何?前嶋和弘が解説
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)1月22日の放送は、現代アメリカ政治外交が専門の上智大学総合グローバル学部教授の前嶋和弘氏が出演。アメリカのトランプ大統領が大統領令に続々と署名したニュースについて解説した。
野村邦丸(パーソナリティ)「そもそも大統領令って何ですか?」
前嶋和弘「アメリカの政治の建付けは、議会が最初に法律を作って、上院、下院を通って、最後に大統領が署名して、それで法律が作られる。大統領令は何かというと、法律を解釈して政策に落とし込んでいく方針なんです。でも、トランプ氏はそもそもの法律がないのに、作ってしまっているわけです。議会を説得していないのに、どんどん作っているから打ち上げ花火でしかないんです」
邦丸「アメリカとメキシコの国境に壁を作ると言ってますよね」
前嶋「大統領の権限でできること、できないことがあります。アメリカとメキシコの壁は議会からの予算がついていないからできない。そんなお金、あるはずがない。あり得ないことをやろうとしています」
邦丸「大統領の権限でできることというのは?」
前嶋「恩赦の権限はあるので、罪を犯した人を大統領が恩赦することは可能です」
邦丸「アメリカの行政府のトップがトランプさん。議会の承認は立法府といわれる法律を作っていく組織がある。議会の承認を得ないで、やるよ~と言っても根拠がないわけですね」
前嶋「やれるものもあるのですが、多くがハリボテですね。大統領権限があれば、何でもできるといったイメージがあるかもしれませんが、実はそうじゃないんです。我々はそこを見過ごしてはいけないですね」