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私立中学進学率 中原区は過去35年で最高 2年連続で上昇

タウンニュース

中原区は過去35年で最高

川崎市教育委員会は3月、市内の教育に関する基本的な統計資料をまとめた2024年度「年刊教育調査統計資料」を公開。これによると、23年度の中原区の私立中学校の進学率は27・5%で、過去35年間で最高だった。市内で最も高く、2年連続で上昇した。

同資料は、市内の学校関係者を対象に行った調査を収録したもので、毎年刊行されている。今回の24年度版は、昨年5月と10月に行った調査によるもので、市立学校の児童生徒数や教職員数、小・中・高校卒業後の進路状況などがまとめられている。

これによると、23年度の市内の市立小学校卒業生は1万2312人で、このうち私立中学校への進学者は2270人と全体の18・4%を占める。中原区は卒業生2177人のうち599人の27・5%が私立中学に進学し、市内で最も高かった。麻生区が22・4%、宮前区が19・1%と続き、最も低かったのは多摩区で9・4%だった。

全市では横ばい

中原区の私立中学校進学率は市内では依然として高く、前年度の26・4%からは1・1ポイントの上昇。21年度は14年度から7年ぶりに下降したものの、以後は2年連続の上昇となった。27・5%は、資料にある1989年以降では最高値となる。全市的には前年の18・4%から変わらず横ばいになっており、川崎区、宮前区、麻生区で前年より上昇した。

利便性も要因か

市教育委員会事務局の担当者は「あくまで数字としての統計的な資料であり、結果について分析はしていないため明確な理由は不明で教委としての公式な見解もない」とした上で、「一般論として、首都圏にも近く、交通の利便性の良さや保護者の考え方、社会状況なども一つの要因として影響しているのではないか」と答えた。

武蔵小杉で学習塾を営む男性は区内の私立中の進学率が高い理由について「人口増に加え、タワーマンション居住者など経済的にゆとりのある人が多く、大手の進学塾も多い。教育に関心が高い保護者が増え、少子化の中、子どもに掛ける教育費にも余裕があるのでは」と推測する。

3年連続で上昇している要因については「武蔵小杉駅周辺の小学校では半数以上が私立中学を目指しているという話も聞く」とする一方、教育改革による影響も指摘。「26年度からは所得制限なしで私立高校の授業料が実質無償化になる。中学のうちから私立校に進学し、そのまま系列高校へ進むことを考えている可能性もあるのでは」と話している。

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