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山口乃々華・ジェイミン・坂田隆一郎に聞く、作品や役への想い ミュージカル『SERI~ひとつのいのち 2026』インタビュー

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(左から)坂田隆一郎、山口乃々華、ジェイミン

こだわりの舞台及び映像コンテンツを企画プロデュースするconSeptが、新たな切り口で3ヶ月連続上演企画『conSept2026:シーズンReBORN』を始動、その第一弾として2026年2月にミュージカル『SERI ~ひとつのいのち』を上演する。

原作・倉本美香『未完の贈り物(2012年刊)』を2022年に初ミュージカル化し、「多様性の暗闇に光を当てる」をテーマに、目も鼻もない状態で生まれた少女・千璃(セリ)と母・美香をめぐる実話を、ひとつのいのちに贈る愛と祝福の物語として紡ぎ好評を得た。2026年版として先ごろ発表された新ビジュアルでは、3人の家族写真のショットが印象深い。そのビジュアル撮影が行われている現場で、山口乃々華、ジェイミン、坂田隆一郎に話を聞いた。

家族写真の思い出

ミュージカル『SERI~ひとつのいのち』2026 新ビジュアル

ーービジュアル撮影を拝見しましたが、家族写真撮影では穏やかな空気感で、とても癒されました。撮影はいかがでしたか?

一同:楽しかったです!

ーー大人になると家族写真を撮る機会は少なくなるように思いますが、家族写真の思い出をお聞かせください。

山口:ちゃんと家族全員の写真を専門の写真館で撮ったことは、たぶんないと思います。旅行へ行った時や、毎年祖母のお家に行くとみんなで写真を撮るのですが、スナップ的なものが多いですね。

坂田:確かに成人式まででした。小さい頃から、母が何かあると写真を撮りたいと、よく写真館に行っていたんですが、恥ずかしくてあまり好きではなかったですね(笑)。当時は芸能のお仕事をしていたわけでもないので、カメラを向けられるのも苦手で。でも大人になってから、その良さが分かるようになり、アルバムを見返したいと思うようになったので、今では本当に感謝しています。

ジェイミン:私は大学院の卒業記念で撮ったのが最後かな。記念にお母さんとも一緒に撮りますよってカメラマンさんに言われて2人で撮ったんですけど、その時はあまり綺麗に写ってなくて。でも後から見ると、母が少しでも若い時に写真を撮っておいて良かったなと思います。今もちゃんとした写真を残しておきたいと思いますが、スマホのカメラがあるからなかなか写真館で撮る機会は少ないですね。

ーー本日の撮影で初めましての方も多かったと思います。初めましてで、お互いの距離を縮める時、どんなことをされますか?

山口:好きな食べ物トークをしちゃいます。何をよく食べますかとか、昨日何食べました? とか。

山口乃々華

坂田:稽古場だと一緒に食べに行ったり、好きだと聞いたから買ってきたよとか、あと誕生日に好きな食べ物を揃えたり、そういう事ができますよね。食べ物って強い!

山口:あとカラオケ、何を歌いますか?と。(一同笑)

坂田:確かに! みんな歌が好きだから音楽の話はしますね。ちなみに何を歌われますか?

山口:この季節は、クリスマス関連を(笑)。

坂田:さすが季節に合わせて考えてる! 僕はあまり知らない歌は歌いたくないので、一緒に行く人が楽しめそうな曲や、「これなら知ってるかな」という曲を選ぶことが多いです。大人の方と行くときは、ちょっと懐かしい曲を歌おうかなとか。自分の好きな歌というよりは、相手が好きそうな曲を歌って楽しんでもらう方が好きです。

ジェイミン:優しい! 私はみんなで行くカラオケは苦手ですね。新曲とか全然わからなくて(笑)。日本で大学に通っている時、ひとりでカラオケに行くのは好きでした。マンションでは大声で歌の練習をするのは無理なのと、ひとりだと1つの曲を何回歌ってもいいので。坂田さんが優しい! と思ったのが、私は自分が歌いたい曲を、まわりが知らなくても唄ってしまいます。(一同笑)

ーージェイミンさんが演じる美香は、バリバリのキャリアウーマンなので、もしかするとそういう部分があるかもしれません!

ジェイミン:(笑)よく唄っていた曲が…あれ? タイトル忘れちゃった(ワンフレーズを口ずさむ)。

山口:わ~~綺麗な歌声!

坂田:ずっと聞きたい!

ジェイミン:(照れながら)平原綾香さんの「カンパニュラの恋」という曲です! 忙しくても歌いたくてよくカラオケに行きました。思い出の曲です。

ジェイミン


千璃ちゃん自身は悲しいわけじゃない

ーー皆さんが歌で繋がっていく貴重なお話をありがとうございます。さて本作は、山口さんと演出・振付の下司尚美さんによって、とても魅力的な作品になっていますね。

山口:実話なので苦しさや重さはありますが、演出家の下司さんが、両親は心配だから悲しんだり苦しんだりしているけれど、千璃ちゃん自身は悲しいわけじゃないと、明るくハッピーな方向に視点をもっていってくださって、心がギュッと締めつけられたり温かくなったり、人の愛情が感じられる瞬間が詰め込まれている作品だと思います。

ーー坂田さんとジェイミンさんは初参加ですので、下司さんについて山口さんから紹介していただけますか? 初演の際、山口さんと2人で鏡の前に並んで、ずっと振りを練習されていたことが印象に残っています。寄り添った演出方法と思いました。

山口:下司さんはとてもハッピーな方です。どう思ったの? とか、こうやったらこう見えたりもするんだけど、どうですか? みたいな感じで提案をしてくださります。すごく優しくてハッピーな感覚派。きっと第一印象のままの方です。

坂田:もちろん厳しいのもありがたいですけど、そうやって一緒に作っていこうよって言ってくださると、演者もいろんなアイディアを出しやすくなります。今日、撮影現場にわざわざ逢いに来てくださって、ご挨拶できました。

ジェイミン:本当にお話を伺ったそのままハッピーな方でした! わざわざ来ていただいてすごく嬉しかったです。元気で前向きな方という印象でした。稽古が楽しみです。

一緒に葛藤してもらえるように、子育て経験がない方をキャスティング

ーーこの作品を繋いでいく代表として心がけていることは?

山口:お話としては辛いところもあるので、とにかくみんなで心の栄養をいっぱいにして、幸せに楽しくハッピーな気持ちを持ちながら、毎日お稽古場で集まれたらなって思うので、“明るく元気に挨拶から”を心がけて、たくさん会話をして、みんなでまた新たに作れたらいいなって思っています。がんばります!

ーー父親役を演じることについて、今の想いをお聞かせください。

坂田:自分が見える世界の中で見えること、見えないことがこのお話の中で出てきます。自分自身も見えているのに見ないふりをするとか、目では見えているけど心は見えてなかったり、見えるからこそ悩むことがあると思っています。人間同士の複雑な心情を、父親として千璃と美香と通じ合いながら広げ、お医者さまや弁護士の皆さまとステージ上で繋げていく。そして観ているお客さまにもその想いが伝わるようにできたらと思っています。丈晴は優しい普通の夫ですが、色々葛藤して成長していきます。初めての父親役なので不安もありますが、ネガティブなことばかり考えず、希望をしっかり持ってあきらめずに支える、そんな父親として精一杯生きることを心がけたいです。

坂田隆一郎

ーー坂田さんの父親役を楽しみにしています。プロデューサーによると、初演も含めて美香役と丈晴役に関しては、子育て経験がない方をキャスティングしているとのこと。作品を作りながら一緒に葛藤してもらえるように、知らない事を生かす、それがよりリアリティを増す要素になると、そんな願いが込められたおふたりに期待が膨らみます。そしてジェイミンさん、美香を演じるにあたり大切にしたいと思っていることは?

ジェイミン:まずは稽古場でいろんな感情を全部出して感じて、ステージの上ではその感情を圧縮して、よりお客さまに伝わるよう届けたいです。美香は結婚する前はキャリーマンとして仕事中心で、千璃が生まれてからは千璃のことだけをずっと見ていて、思いつめてしまったかもしれませんが、結局は千璃によって自分の心と物理的な全ての視野が大きく広がります。そういうところを念頭において表現したいと思っています。

ーー千璃が笑ってからの美香の変化も見どころですね。ありがとうございます。では最後にメッセージをお願いいたします。

ジェイミン:初めて日本で挑戦するミュージカルです。ジェイミンという韓国のミュージカル俳優が日本で演じることは、私にとっても皆さんにとっても新鮮だと思っています。どう演じるのか楽しみにしていただきたいです。そして、この作品はとても深いメッセージと暖かくて明るいメッセージを持っています。私達が発するメッセージを受け取ってもらえたら嬉しく思います。良い作品になるようにがんばります。ぜひぜひ観に来ていただきたいです。

坂田:軽い気持ちで来てほしいとは言えませんが、色々なことを考えさせられる作品です。僕は、考えることや感じることをやめないで欲しいと思っています。この作品を観て何かを感じ、考えて、その先に「来て良かった」と思ってもらえると思います。僕たちは、しっかりメッセージを伝えられるようにがんばるので、ぜひ劇場で生で感じてほしいです。

山口:この作品は、生演奏でそれに合わせて素敵な楽曲を唄い、身体の表現も加わって迫力があります。私は先ほどジェイミンさんの歌声をちょっと聞いただけでテンションが上がりました。美香の感情が大事な作品だと思いますし、美香が歌い上げる楽曲の迫力はすごいことになるだろうなって、とても楽しみです。もちろん坂田さんの優しい歌も楽しみですし、前回からより濃くなりそうで、きっとお腹いっぱい胸いっぱい、心もいっぱいで帰っていただける作品になると思います。ぜひいらしてください。

(左から)坂田隆一郎、山口乃々華、ジェイミン

スタイリスト:尾村あや
ヘアメイク:田中エミ

インタビュー:谷中理音  撮影:瀬津貴裕

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