セ・リーグ球団別週間MVP 阪神・近本光司が打率4割&4盗塁!広島・中村奨成も存在感
リーグトップはwRAA5.4の近本
プロ野球セ・リーグは阪神が20日から6連勝で首位に浮上した。先週まで首位だった広島は3連敗で2位に転落。ゲーム差なしで巨人が続き、2.5差でDeNAと中日が4位タイ、最下位ヤクルトも4位に8厘差で、首位まで4ゲーム差の混戦が続いている。
SPAIAでは4月22日から27日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
セ・リーグトップのwRAA5.4をマークしたのは阪神・近本光司だった。22日のDeNA戦で3号ソロ、24日のDeNA戦では4安打を放つなど25打数10安打の打率4割をマーク。wRAAには反映されないが、盗塁もセ・リーグトップの6個、先週だけで4盗塁を記録し、不動の切り込み隊長として首位浮上に貢献した。
チームも巨人戦で77年ぶりに開幕から5戦5勝。27日の6戦目で初黒星を喫したものの、巨人を突き放しての貯金5には価値がある。V奪回に向け、今後も近本の活躍は欠かせない。
巨人・吉川尚輝、ヤクルト赤羽由紘も活躍
DeNAに3連敗した広島では、2017年ドラフト1位の中村奨成が調子を上げてきた。23日のヤクルト戦で3安打猛打賞、スタメンを外れた27日のDeNA戦でもバウアーから代打で三塁打を放つなど12打数5安打の打率.417で、チームトップのwRAA2.8。広陵高から入団8年目の今季、飛躍のきっかけをつかむか。
阪神戦6試合目でようやく一矢報いた巨人では、吉川尚輝がチームトップのwRAA2.7を記録した。今季は不動の3番として起用されており、先週5試合で17打数5安打の打率.294。主砲・岡本和真へのつなぎ役として貴重な働きをしている。
2勝2敗だったヤクルトでは、赤羽由紘が急上昇。25日の中日戦で4安打を放ち勝利に貢献、27日もタイムリーを放つなど17打数8安打の打率.471、wRAA2.4をマークした。打順が日替わりの中、クリーンアップから下位打線までこなして献身的な活躍を見せている。
中日・上林誠知、DeNA三森大貴も気を吐く
1勝4敗と負け越した中日では、上林誠知がチームトップのwRAA2.2。25日のヤクルト戦では2号ソロを含む2安打3打点を挙げるなど13打数4安打の打率.308をマークした。ソフトバンクから移籍2年目の29歳が、貧打にあえぐチームの中で存在感を放っている。
3勝3敗だったDeNAだが、wRAAトップは三森大貴の0.8と寂しい数字。23、24日の阪神戦で2試合連続マルチ安打など気を吐いたが、6試合トータルでは24打数6安打の打率.250どまりだった。強力打線が本領を発揮できず、昨年の日本一チームが借金3と苦しい状況。25日に二軍で実戦復帰したタイラー・オースティンの一軍合流が待たれる。
今週のセ・リーグ週間MVPは、どちらかと言えば脇役タイプの打者が並んだ。ただ、チームを勢いづけるのは、やはり主砲クラスの快音だ。早いもので4月もあと2試合で終了。5月戦線に向けて、各チームとも主軸選手の復調が期待される。
【関連記事】
・パ・リーグ球団別週間MVP ソフトバンク柳町が12球団トップ、楽天・浅村は2000安打まであと9
・阪神・佐藤輝明が本塁打量産する要因をデータ分析、40年ぶり生え抜き30発へ期待膨らむ
・2025年にFA権取得見込みのプロ野球選手、宣言なら争奪戦必至の目玉は?
記事:SPAIA編集部