【上越から世界へ】電子部品市場沸騰の中、新潟太陽誘電が「令和の県下最強企業」となる理由
沸騰する業界にあって、真の世界水準に
今や世界の産業界、のみならず金融経済や安全保障においても、半導体を中心に回っている。もはや第二次大戦時の原油のような、国家間の戦略物資となった感覚だ。世界的にIOT 社会が定着し、今また生成 AI が台頭し始めた中、半導体市場はさらに拡大する。
ここで紹介する新潟太陽誘電株式会社(新潟県上越市)の親会社である太陽誘電株式会社は半導体メーカーではないが、広義の半導体市場でくくられる受動電子部品メーカーとして、世界市場に確固たる地位を築いている。
太陽誘電が主として世界に送り出しているのは積層セラミックコンデンサ(MLCC)である。
上越市頸城区にある新潟太陽誘電本社工場
半導体市場を大きく成長させたのは、IOT社会を構成するスマートフォンやパソコン、サーバーなどだが、それらは半導体だけで起動するものではない。あらゆるエレクトロニクス製品は半導体とともに高度な電子部品を必要とする。
その高度な電子部品の中でも代表格と言われるのがコンデンサ。恥ずかしながらコンデンサについて予備知識の乏しい記者は、新潟太陽誘電の商品技術部石井佳祐次長に「ポピュラーな例」で教えていただいた。
「スマートフォンには、多くのアプリが存在します。これを起動させるのに電源の供給を必要としますが、例えば何らかのアプリを起動中に電話がかかってくると、受信を行うアンテナ部分やノイズ除去のフィルターも電源供給を必要とするので、小さなスマホの中で電源の奪い合いが始まってしまうのです。こういう場合に対応すべく、機能ごとに電源が落ちないよう、機能の近くに電池のようなものが配されるのですが、これがコンデンサです」
最新の高度なスマートフォンには、1台あたりにコンデンサが1000個以上搭載されている。電子機器の小型化、高度化が進めば進むほど、それを実現すべくコンデンサに求められる期待も大きくなるという分野であり、今後もますます規模の膨張は進むだろう。上記はほんの一例で、一時的に電気を蓄えたり放出したりするコンデンサは、ほぼすべてのエレクトロニクス製品に使われる。
経済産業省は、国際競争力の「鉾」とするために「特定重要物資」と定め、半導体や蓄電池、レアメタルなどを指定し強化策を講じているが、2024 年1月、これにデータセンターや電気自動車などに使われる小型化、高性能化した電子部品(積層セラミックコンデンサなど)を追加した。国を挙げて、この分野を盛り立てていく姿勢だ。なぜか?
半導体市場において複合的な理由から遅れを取った日本だが、電子部品の分野では日本の企業が上位独占を続けているからだ。特にハイエンド向けの積層セラミックコンデンサが強い。全世界で3兆円以上と言われるこの分野の市場規模だが、上位4社のうち3社は日本の企業なのである。
最先端技術も、やはり人から
太陽誘電本体は、インダクター=コイルやノイズ除去に使うフィルタなど、高度な電子部品を生産して世界に送り出しているが、製造品の、実に65%が積層セラミックコンデンサである。2018年には世界初、静電容量1000μFの積層セラミックコンデンサを開発するなど、コンデンサの部門ではグローバルに技術力で渡り合ってきた。
グループでは、世界4カ所に生産拠点を分けているが、日本国内には1カ所だけしかない。
それが、上越市頸城区にある新潟太陽誘電株式会社である。
同社は太陽誘電グループが、世界最高水準の技術を発揮する積層セラミックコンデンサの量産工場として2007年に設立。現在も同社は「これ一本」であるが、しかし「この一本」がグループの屋台骨に他ならない。社員数は太陽誘電グループ全社員の10分の1にも満たないが、コンデンサの売り上げへの貢献度はそれをはるかに上回るものと言える。
石山正之代表取締役社長
同社の代表取締役社長石山正之氏が掲げるのが「上越から世界へ」というコーポレートミッション。頸城の地から世界に打って出て、最先端部門で存在感を示しているグローバル企業がある。
注目すべきは「地域の雇用の担い手」としての新潟太陽誘電である。
社員数は2024年5月時点で1804名。うち20代〜30代が70%を占め、平均年齢は34歳と、世界の名だたる大手と渡り合っているイメージからすれば、とても若々しい企業だと感じる。
先端分野で世界の大手と競争している会社だが、社員の平均年齢は比較的若い
一方で、拡大する市場から同社の生産するハイエンドの積層セラミックコンデンサはますます需要が高まり、さらなる業容の拡大が求められる。そうなると、結局はマンパワーの慢性的枯渇が避けられないのも実情だ。
「上越から世界へ」と同時に、同社が掲げる企業姿勢が「技術は人から」というもの。世界最小のコンデンサを生産する同社にして「新しいものを産み出すときは、常に人が主役である」と言う。最先端技術を持つ会社が、全てを注いで世界水準のプロダクトを産み出し、世界に発信している。そう考えると、高いエンジニアレベルが求められ、相応の人材の確保は困難を極めるのではないか。
上越本社の社員食堂
社員がくつろげる休憩室
前出の商品技術部石井次長は話す「新潟太陽誘電は、グループの中でも若い世代が活躍できる企業だと思います。若いうちに要職についている社員も多く、若い発想を吸い上げる姿勢もある企業だと思います。高度な技術と知識が必要とされるのは確かですが、それは最終的に求められることであり、私を含めほとんどの社員は学生時代にコンデンサの勉強などしてきませんでした。世界を相手にするという大きなやりがいの中で、それは自然に醸成されていくものなのでしょう。社内教育制度だけでなく自ら勉強できる環境も整っています。先輩社員が丁寧に伴走して指導する体勢もあるので、臆せずにぜひ挑戦していただきたいと思います」
今この時代、世界各国が国力を競うように投資を行って成長を続ける分野。そこで新潟太陽誘電は確固たる地位を築いている。地方を拠点にする企業でこれ以上のやりがいはないだろう。
技術スタッフ
さらに同社の求人情報にある「数字」で働き場所としての優良さを紹介したい。
社員の男女比は男性 82%となっているが、業務を考えればこれから女性がますます活躍できる職場ではある。世代構成は前述したように、とても若々しい。2023年の実績でキャリア採用は40%(2021年は70%)と転職組にも広く門戸が開かれている。
次に待遇面。まず休暇だが、年間の休日は今年度123日(交替勤務136日)、有給休暇取得率89.1%(年間有給休暇取得日数平均16.3日)。これはかなり多い。
各種手当も豊富で遠隔地手当や住居手当など手厚いので、都市部から距離があっても安心して働ける。新潟県内を見渡しても、これだけの待遇を用意できる企業はなかなか見当たらない。
世界最高水準のやりがいあるステージ「電子部品産業」で、ここまでの好条件。にもかかわらず採用が業容拡大のスピードに追いついていない、という現状がある。もし「工場の立地が都市部と距離があるから」というたった一点で求職者の選択肢から外れてしまうのだとしたら、なんともったいない話なのか。
米シリコンバレーもかつては、現在の繁栄がとても想像できないくらい、めぼしい産業のない地域だった。「先端分野で世界を相手に戦う企業が、地元にある」新潟県民は、ぜひこの事実を知ってほしい。
(文・伊藤直樹)
【新潟太陽誘電株式会社】電子部品業界の魅力がわかる企業説明会
<中途採用向け>
実際に働く社員と交流して、疑問や不安も解消できます。
新潟太陽誘電の魅力がギュッと詰まった内容です。興味のある方はお気軽にご参加ください。
日時 2024 年 6 月 23 日 10:00~11:00
場所 新潟太陽誘電(株) 新潟県上越市頸城区上吉 197 番地 8
<プログラム概要>
・会社のご紹介
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製造職、技術職 他
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【申込】 会社ホームページ
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