【激突】関東最強の避寒地は「伊豆」か「房総」か → ごちゃごちゃ言わんと最南端に行って同時に気温を計ったらこうなった
あ、ハワイ行きたい! 夜寒すぎてハワイ行きたいー!! 避暑地ならぬ避寒地だ。でも、忙しくてハワイは無理なので、関東近郊で最も暖かい場所に行きたい。
そこであひるねこ記者に相談してみたところ、冬暖かい関東の避寒地は現在、2つの地域のつばぜり合い状態のようだ。
・房総半島
東京で言うと小笠原諸島が温暖らしいけどハワイより行くの大変だから趣旨的に別枠として、あひるねこ記者いわく、千葉県の房総半島が暖かいらしい。
確かに、「関東 避寒地」で検索してみたら、南房総は黒潮の影響で冬でも暖かいとGoogleのAIが言っていた。あと、「関東で冬、もっとも温かな避寒の地はどこ!?」というテーマのウェブ記事でも南伊豆vs南房総になっている。
伊豆半島は静岡県だから東海だけど、広域関東圏であり、さらにその行きやすさを考えると「関東の避寒地」という呼び方もおかしくはない。
・どっちなんだコラ
そして、言われてみると、地図でも2つの半島の先っちょは太平洋に突出している。さすが最強に並び立つ2つの地。地形的にも甲乙つけ難し。むしろ、最強はどっちなんだコラあひるねこ! 今しかないぞ! 今しか!
あひるねこ「……」
あひるねこ「ゴチャゴチャ言わんと……」
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> 先っちょの気温を計ったらええんや <
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そんなわけで、二手に分かれて伊豆半島と房総半島の先っちょに行くことにした。
・イデオロギーのぶつかり合い
私(中澤)は南伊豆、あひるねこ記者は南房総の先っちょまで行き、同時に気温を測定する。関東最強の避寒地はどっちなのか。南伊豆と南房総の激突が今、ここに幕を開けたのである。やるぞ!!
これは闘争だ。派閥争いでありイデオロギーのぶつかり合いだ。ゆえに我々もまたガチ。向かうのは紛れもなく先っちょであり、到着時間を合わせてビデオ通話で生中継する。
目標時刻の14時30分に到着するため、私は朝8時9分渋谷発の山手線に乗った。満員電車の窓から差し込む朝日がまぶしい。
・月曜日の朝に渋谷から熱海へ
品川から8時34分熱海行きの東海道線に乗り換える。平日の朝、品川からの下りの東海道線に乗ったのは初めてだけど、満員っぷりが山手線とあまり変わらない。横浜を通るからだろうか。ぶっちゃけ東海道線は座れると思っていた。東京人の電車移動率を舐めてた。
やっと座れたのは横浜。空は広くなってきたけど、まだ旅してる感じはしないな。座れたとは言え、満席でキチキチに詰まってるからかもしれない。そして、その状況が熱海まで続く。
熱海は最近人気という噂だけど、確かに月曜日の朝から熱海に行くマダム2人組とかもいて東京から向かう人の多さに実態を垣間見た。だからか、未だに旅してる感が乏しい。なんなら奥多摩より東京っぽいのである。でも、さすがに次に乗り換えるJR伊東線は空いてるだろう。と思いきや……
伊東線に乗りかえても満席継続。クッ、まだか……! 伊東で伊豆急行線に接続して終電の「伊豆急下田駅」まではこの電車。計20駅である。まだまだ先は長い。だが、諦めるわけにはいかない。すべては関東最強の避寒地にたどり着くために!
・旅っぽくなってきた
と決意を新たにしていると、来宮駅から加速度的に乗車人口が減っていく。おおおおお! 拘束から解き放たれたかのようだ!! やっと東京から解放された気分になった。私はパズルから抜け出したピース。縛るものは何もなく、誰も行く先を知らないミッシングピース。
しかも、人が減ってきた辺りから車窓の景色に海が広がるようになってきた。伊豆急サイコォォォオオオ!!!
気づけばドアから入ってくる風も包み込むように優しくなっている。ウェルカムと言っているかのような暖かさはもはや春。もう避寒地と言わず、日本最強が伊豆って言ったっていい。すべての道は伊豆に通ず。老後は伊豆に住もう。
・あひるねこ、発進
伊豆のあまりの避寒地オーラに私が老後の理想郷を見ているその頃、あひるねこ記者は……
中野にいた。
あひるねこ記者は11時20分東京駅発の高速バスで館山駅まで行き、地域バスに乗り換えて房総半島の先まで行くというコース。ゆえに、発進したばかりであった。
東京湾アクアブリッジのおかげで南房総は距離の差以上に近い様子。アクセスのしやすさは良いところ。ただ、送られてきた画像にはそこはかとなく哀愁が漂っていた。
・昼ごはんタイム
道中の旅感はこちらの方が上かもしれない。そう考えると、避寒地に求めるものって暖かさだけじゃないのかもなあ。そんなこんなで11時57分に伊豆急下田駅に到着。
もう十分半島の先っちょと言える範囲ではあるけど、ガチの先端まで行くにはここから東海バスに乗って45駅。
行きのバスは1日9本で、13時20分が最終便になるため、私のように遠くからアクセスする場合はなかなかハードルが高い。でも、今は余裕があるので……
寿司食ったろ。
駅前の通りを歩いてたら地魚の回転寿司屋『にぎりの太助』があった。寿司職人が握るグルメ回転寿司で、下田魚市場直送。この日の地魚は金目鯛(税込792円)、ムツ(税込473円)、メジナ(税込473円)、イサキ(税込396円)、アジ(税込308円)だった。
食べてみると、そんな地魚はもちろん、しめサバ(税込308円)やまぐろ(税込360円)もウマイ。下田に来たという実感が湧く店だったからあひるねこにライン送っとこ。
・あひるねこは今
あひるねこ記者はちょうど千葉に入ったところのようだ。それにしても、さんさんと降り注ぐ太陽が冬着だともはや微妙に暑い。その上優しい風も吹いてるので外を歩くだけで気持ちいい。ストリートにはヤシの木まで生えている。カリフォルニアかよ! あひるねこにライン送っとこ。
どうやら、向こうも暖かい様子。この南伊豆相手に一歩も引かない南房総もまたさすがであると言えよう。
相手にとって不足なし。それじゃあ東海バス乗っちゃいますか!
・最後の直線
駅前を離れ街中を走る東海バス。20分くらいでより牧歌的になる車窓の景色。
ここであひるねこ記者からライン。館山駅に着いたらしい。これから路線バスであるJRバス南房州線に乗り換えるという。ついに2人とも最後の直線に入ったようだ。
それにしても、私が乗っている東海バスの景色がなかなか凄い。先っちょに向かってるだけあって車窓を流れる海のキラキラが迫って来るようだ。圧倒される海っぷりである。こんなにダイナミックな景色のバスはあんまりないんじゃないだろうか。
と思いきや、あひるねこ記者のJRバス南房州線の景色もなかなかの海っぷりを発揮していた。先っちょのバスは凄い。ここに新たな概念を発見した。
色んな発見があった長い道のりもついに終わり。その全貌を現す伊豆半島と房総半島の先っちょ。だが、先っちょで生中継したところ想定外の事態に。予想だにしなかった最強避寒地の結末は次ページ(https://wp.me/pbYbbF-aV7g)で!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.