ガチ中華で “おまかせ” したら謎の魚を食べることになった
ガチ中華って、イマイチどんなメニューなのか分からないことが多い。日本語表示が可能な店でも、「これ何?」となることはよくある。だったら……
いっそのこと全部 “おまかせ” にしてしまえ!
──と思いたち今まで何度か実践してきたのだが、先日は思わず「それはやめて!」と言いそうになった。
なぜなら、店員さんが挙げてくれた料理の1つが、ガチ中華のど素人である私からするとよく分からない魚だったからである。
・中国の様々な料理が集まるフードコート
訪れたのは「沸騰小吃城」といい、実はお店自体は以前に紹介している。
今回ここで “おまかせ” をしようと思うのだが……看板を見てもなんと読むのか分からない。
ふっとう……何とか? つまり、私には読み方さえ分からない。分かったことといったら、池袋にあること。そして、表の看板から「中国の色々な地方の料理があるっぽい」ということくらいである。
入店して席に着き、QRコードからメニューを読み込むと予想通りだった。メニューには、東北地方から四川、香港、西安、上海など、様々な地方の料理が表示される。
こんなに選択肢があると、何を選べばいいのか全くわからない。店員さんに従うのが1番だろう。
というわけで、店員さんに「いくつか “おまかせ” でもらえますか?」と聞いてみると、ちょっと間を置いて「辛いの、大丈夫?」のお言葉。
ガチ中華の “辛いの” って怖いんだよな〜とビビりながらも「大丈夫です」と答えると、店員さんは察したのだろう。
辛い系の中ではビギナー向けだと思われる「よだれ鶏(968円)」をオススメしてくれた。私的にはもちろん無問題。それを頼もう。
で、次に提案してくれたメニューが「酸菜魚(1628円)」というものなのだが、それを見た瞬間……
魚はきつい
と思ったのだが正直なところ。というのも、中華料理というのは豪快さが魅力の料理。大好きだけど、ひいき目に見ても繊細な料理とは思えない。
一方、魚料理を美味しく味わうには繊細な処理が必要……というイメージがあった。つまり、個人的に中華料理&魚が相性的に合うとは思えなかったのだ。
そもそも、私の中華料理観の5割は「餃子の王将」で、4割は「大阪王将」によって形作られている。どちらの王将にも数えきえないほど通っているが、魚料理を提供しているのを見たことがない。
強いて言うなら、海鮮あんかけ系だろうか? まぁ、他にもあるかもしれないが、少なくとも王将で魚はメインではないだろう。
つまるところ、ガチ中華で魚を頼むのはすごーくすごーく抵抗がある。が、本記事の趣旨は店員さんの “おまかせ” に身を委ねることなので、NOという選択肢はない。
「そちらでお願いします」と伝えて、待つことしばし。まず出て来たのは、よだれ鶏。
これは日本でもメジャーなヤツ……と思いきや、タレにガチっぽさを感じる。
辛いのは辛いのだが、唐辛子的な辛さというよりシビ辛い感じ。鼻詰まりのときに食べたら一発で鼻が通りそうなほど、パンチが強い。
で、お次がいよいよ魚料理だ。
てっきり平皿かと思ったが、ラーメンの丼みたいなので出て来た。黄色のスープの上に、白い魚と高菜、唐辛子などの香辛料が浮かんでいる。
見た目は悪くない。ただ問題は、何の魚か分からないこと。タイとかブリとかアジとか、そういった情報が全く無い状態で食べる魚料理がこんなに怖いとは思わなかった。
おそるおそる、魚を口に入れてみると……
タラっぽい!?
……というのが第一印象。ただ、周りのスープの影響か鍋とかに入っているタラよりも脂が多いかも。ややオイリーなタラといったところか。
驚いたのは、思ったよりもクセがないこと。クセの塊みたいな料理かと思ったが全然違った。
どちらかというと優しい味。スープはクリーミーでありながら酸味があり、全体的にマイルドに仕上がっている。個人的に馴染みは全くない味だけど、余裕でイケる! むしろ美味い!!
それにしても、「よだれ鶏」といい「酸菜魚」といい、私が日本人だから日本人でも食べやすいものを選んでくれたのだろうか?
よくわからないが、店員さんは「ちょっと1人だと量が多かったかもですね」「辛かったら唐辛子はよけて食べて」と気遣いがすごい。
これよ、これ。ある程度話をしたら、親身になってくれるこの感じ。日本でも個人経営の店などではよくあるが、この温かさを味わえることこそガチ中華でおまかせをする醍醐味かもしれない。
──と、思いながら店を出たのであった。ごちそうさまでした!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 沸騰小吃城
住所 東京都豊島区西池袋1-43-7福住ビル 3F
時間 11:00~23:30
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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