部活動地域移行 「横須賀モデル」構築へ スポーツ協会と連携、休日主体に
公立中学校の部活動を地域のスポーツ団体などに移行していく取り組みに関し、横須賀市は市スポーツ協会との連携で実現する方針を打ち出している。国が定める2023年度から25年度の「改革推進期間」に基づき、先行して運動4競技(柔道・ソフトボール・水泳・バドミントン)でモデル事業を実施。市教育委員会では、平日を個々の自主練習に位置づけ、メーンの活動を休日主体に展開していく構想を描く。各団体も受け皿の役割を果たすことができるかの検証を進めている。
運動4競技で試行実施
部活動の「地域移行」には、生徒数減少の中での活動維持と過重となっている教員の働き方を見直す2つの狙いがある。国から大枠の方針が示されているが、各自治体に裁量が委ねられており、兵庫県神戸市が2026年度から市立中学校の部活動を終了させ、地域団体への全面移行を打ち出すなど対応はさまざま。
横須賀市では、40種目の団体が加盟する市スポーツ協会の組織力を頼る。長期的には地域への全面移行をめざしていくが、当面は過渡期として教員が各団体の構成員として加わり、学校との橋渡し役を担っていくことを想定。兼業として給与とは別に報酬を受け取れるよう仕組みを整える。実際の活動は休日を充てることになるが、市教委では、平日の部活動指導が軽減されるため長時間労働は避けられるとの見方を示す。生徒数の減少により野球やサッカーなどの団体競技で単独チームを結成できないケースへの対応として、エリアごとに3〜6校で編成するブロック別の部を設置していく考えだ。
モデル競技の水泳は1月18日、市内7校の部員を集めて合同練習を行った。横須賀水泳協会のメンバーが指導役を務め、オペレーションの確認と課題の洗い出しを行った。同協会では、中高生を対象とした強化練習を年に数回実施してきた経緯があり、「スムーズな移行を目指している」と渡辺正理事長。ただ、年間スケジュールに中学生の指導をどれくらいの頻度で組み込んでいけるのか、指導者への報酬の有無に加え、施設の利用料など生徒の費用負担の問題も横たわる。
昨年末に行ったソフトボールの合同練習に指導者として参加した山本賢寿市議会議員は、12月議会の一般質問で、生徒との信頼関係を構築していくことの難しさを吐露。スタート段階では、「先生頼みにならざるを得ない」との見解を示した。