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「若者たちの葛藤に注目を!」連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』出演 柾木玲弥さん&皇希さんインタビュー 【#ミカキン 連載vol.9】

Sitakke

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北海道の小さな町の、幻みたいなひと夏の話——。

かつて炭鉱で栄えた北海道・三笠市。
その豊かな自然と静かな街並みを舞台に、少し不思議な「ひと夏の物語」が紡がれます。

4月25日の午後6時半から、全6回にわたって放送中の連続ドラマ『三笠のキングと、あと数人』(通称・ミカキン)。

13年ぶりに北海道放送(株)が制作した本作は、アイドルを夢見て上京した青年・健太(演:高杉真宙)と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩(演:柄本時生)が、心にぽっかり空いた穴を抱えて再会し、小さな町で全力疾走する姿を描いています。

本記事では、出演者の柾木玲弥(まさき・れいや)さん皇希(こうき)さんにインタビューを実施。役柄への思いや、撮影の舞台である三笠市の魅力について、お話をお聞きしました。

ドラマ内のワンシーン 左から皇希さん、柾木玲弥さん

今回の役どころ

下部(演:柾木玲弥)
26歳。三笠の「ボス猿」と呼ばれる存在。健太(演:高杉真宙)や先輩(演:柄本時生)とは学生時代からの知り合いで、健太に対してはちょっと厳しめの態度。

大下(演:皇希)
下部と一緒に行動する取り巻き的存在。健太に対しては下部と同様に厳しい態度をとる

今回のドラマ撮影で印象に残っていることは?

――柾木玲弥さんは、北海道 当別町ご出身ですよね。北海道にゆかりのある作品への出演ということで、どのように感じていますか?

柾木玲弥さん
お話をいただいて嬉しかったです。北海道でのお芝居の仕事は初めてで、地元で仕事ができるということが素直に嬉しかったです。

――地元で仕事したいという思いはあったのですか?

柾木玲弥さん
すごくありました。地元、北海道が好きなので。もっと全国に北海道の良さが知れ渡ればいいのにな~という思いもありました。東京のスタッフさんが来てくれて、真宙くんや時生くんが来てくれて、こうして北海道でドラマを作っているのは北海道出身者としてすごく嬉しいです。

ドラマ内のワンシーン

――三笠市ロケの思い出や街の印象は?

柾木玲弥さん
初めて来た時、三笠市の方がバーベキューをしてくださって、ありがたかったです。三笠市はメロンが有名で、「メロン食べなさい。スイカ食べなさい。トウモロコシ食べなさい」という感じで、みなさんすごく優しく、いろんな食べ物をくださって、それが印象的でしたね。地元の方々と密着してやっていくんだなというのを感じました。本当に地元の皆さんの協力のもとで作られているドラマだと思いました。

――皇希さん、三笠市の印象はいかがですか?

皇希さん
新千歳空港から三笠市までロケバスで移動している間、ずっと自然が広がっていて。今は東京に住んでいて自然と触れ合うことがないから、普段見られないものを見てワクワクしました。元々は田舎出身なので、すごく落ち着くなという気持ちもありました。

撮影が休みの日に、三笠市や周辺の、営業しているのかわからないような店に入ってみたんです。昼間の中途半端な時間に行ったので、マスターと二人きりで。夏なのに空調もついてなくて扇風機が回っているような、普段感じられない空間で、地元の話をしながらその町の料理を食べる。僕はそういうのが好きなんです。そういった田舎ならではの温かみが自分の日常にはなかなかないので、そういうのを感じられてすごく良かったですね。

――撮影中のエピソード、思い出に残っているシーンはありますか?

柾木玲弥さん
やはりダムのシーンですね。あれが多分皇希くんとの初めての撮影現場だったんですけど、すごく暑い日にすごく長いダムの道を走ったのが思い出です。

皇希さん
印象的なシーンで言えばそこですね。柾木さんとちゃんと会話したのもその日が初めてでした。一緒に撮りながら、もうひたすら走って、途中から疲れすぎて会話もなくなっていくんです。2人のシーンでも、僕個人のシーンとしても、そこはすごく印象的でした。

あと、いっぱい水を飲みましたね。そのワンシーン撮るだけで3.5Lくらい水を飲んだと思います。その後、真宙くんに「明日絶対筋肉痛が来るよ」と言われて。僕は普段ダンスをしているので甘く見ていたんですが、次の日には本当に筋肉痛に。もう歳には勝てないなと感じました。

初対面のお互いの印象は?

ドラマ内のワンシーン

――初対面のお互いの印象はいかがでしたか?

皇希さん
柾木さんと最初に待機場所で会った時、目も合わせてくれないし、ずっと下を向いて携帯をいじっているような方でした。正直、気難しい方なのかなと思いました。僕自身もフランクに「イェーイ」みたいなタイプではないので、あまり深く関わらないでおこうと思っていたんです。でも、時間が経てば経つほど、この人はこんなにふざけた人なんだというくらい、よく話すようになりました。

今ではこの距離感で話せて、仲良くシーンも撮れていますが、最初から距離が近かったら、あのシーンの撮影はどうなっていたんだろうと考えることもありますね。一緒にいる時間が長ければ長いほど、面白い人だと感じました。

柾木玲弥さん
皇希くんが言ったように、最初は現場の空気がどんな感じなのかを探っていました。でも、明るい方が多くて和気あいあいとした現場だったので、僕も楽しくなってきちゃった。皇希くん、面白すぎ!

――スタッフからも「柾木玲弥くんは一言も話さない」という声があったそうですが(笑)

柾木玲弥さん
そりゃ、話すことがなければ話せないですから(笑)。
やはり皆さんのおかげです。この現場の空気のおかげかもしれません。

皇希さん
今となっては「だる絡み」が酷いのに、初日のあの日を思い出すと、もう全然違う人やん!(笑)

ドラマ内のワンシーン

――今回のドラマは、若者がもがきながら自分の人生に向き合っていく物語です。お二人は、挫けそうになった時に自分ならこうしてきたという経験はありますか?

柾木玲弥さん
僕は多分何もいいことは言えないんですけど、僕のポリシーというかモットーとして、自分がどう思っていようと時間は進むから、周りは進んでいくから、あまり深く考えてこなかったタイプかもしれません。

挫けそうになっても挫折しそうになっても、自分がそう思っていても、周りが進んでいくんだから、そんなことを考えても無駄だなと思ってきました。くよくよする時間が面倒だというか…だったら他を頑張ろうみたいなタイプですね。

皇希さん
僕の場合はですね…あ!僕が話し始めたら、急にポッキーを食べ始めた! 他人の話に興味を持てって! もう少し!(笑)

(※皇希さんが話し始めた途端、突然ポッキーを食べ始める柾木さん。それに 気づいた皇希さんはツッコミを入れ、周囲の笑いを誘っていた)
柾木くんと違って、気にしないというよりは気にしちゃうタイプです。結構考えて、気持ちが落ち過ぎてしまうことはないけど、ネガティブな考え方をちゃんとするタイプです。僕はすごく周りに支えられていて、一緒に仕事をする仲間、近くにいる友達、もちろん家族もそうですし、応援してくれる人たちが、僕のことを肯定する発言をしてくれたり、SNSで何か書いてくれたりすると、自分が復活していくんです。

そういった人との繋がりや、ちょっとした支えで自分が復活していくので、周りの人たちをすごく大事にするように意識しています。
自分がちゃんとした行動をとっていれば、そういう環境ができてくるだろうし、自分が悪いことをしてれば、そういう人が集まってきちゃうだろうし。いい意味で周りを頼ってみるということも大事かなと思ってます。

――最後に見どころを教えてください。

ドラマ内のワンシーン

柾木玲弥さん

僕は北海道出身で、北海道の良さをよく知っています。今回の舞台である三笠市は、これまであまり訪れたことがありませんでしたが、自然豊かで人々も温かく、すごくいい町だなって感じました。そんな三笠市の魅力が、作品にもたくさん詰まっていると思います。

キャストの皆さんも、スタッフの方々も本当にプロフェッショナルだし、この三笠市という場所で作り上げた作品は、きっと本当にいいものになるんじゃないかな、って思っています。

皇希さん

キャスト陣の話をすると、僕もテレビで見ていた方々と一緒にお芝居するという不思議な感覚でした。

見どころで言うと、こういった地方の小さな町に生きる若者だからこその葛藤に注目してほしいですね。
健太(演:高杉真宙)は東京に行く選択をして、それを茶化していた僕たちみたいな存在がいて。でも、実は劣等感も感じている。

今回は三笠市という題材ですが、そういった小さな町で育ってきたからこその思考や行動、言動だと思います。僕も元々田舎出身なので、自分とリンクする部分がありました。

同じような境遇の方々に、このドラマを見て、登場人物たちと同じことをしてほしいとか、何か影響を受けてほしいというわけではありません。ただ、そういう方々が見た時に、より一層感情移入できる、そういう気持ちになれる作品だと思います。かといって、そうでない方は見なくていいというわけでもありません。でも、何かそういう面白さだと思うんですよ。

見どころとしては、地方の小さな町で育ってきた若者たちの物語として、さまざまな出来事や心情の変化を楽しんでいただけたらと思います。そしてシンプルに脚本自体が面白いので、全6話を通して楽しんでもらえたらって思います。

柾木玲弥さん

…皇希くん、いいこと言うなぁ。じゃあ僕も見どころをもう一度話させてください(笑)

皇希くんの話を聞いて思ったのですが、こういう「ミカキン」のような話はどこにでもあると思うんです。いろんな町で夢を持っている人もいれば、それを妬んでいる人もいたりすると思うんです。今回は三笠市が舞台ですが、皆さんがリンクできる話なんじゃないかと思っています。

ライブシーンの時に、先輩と健太の喧嘩のシーンをずっと見ていたんですが、自分に劣等感を感じている先輩に、健太が「あんたはあんたでいいじゃないか」というような喧嘩のシーンで、すごく心が震えました。

役としても感動しているシーンですけど、本当に何かが伝わってきて。
そういう彼らの喧嘩のシーンで言ってることが皆さんにも伝わったらいいなって思いました。モニターで見てもすごく伝わってきたものが、編集されて、本編になった時にも見てる方々に伝わったらいいなって思いました。

ドラマ内のワンシーン

柾木玲弥:PROFILE
1995年3月24日生まれ 北海道出身。2009年に「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。2010年の映画『冷たい部屋』で俳優デビューを果たし、その後、テレビドラマや映画、舞台など多岐にわたる作品に出演。

皇希:PROFILE
1997年4月29日生まれ 愛知県出身。俳優・ダンサー・振付師・演出家などとして活動。幼い頃からダンスを始め、19歳の時には世界大会「WorldofDance」で優勝。その後、俳優として活動を始める。振付師としては、乃木坂46、AKB48、7ORDER、らアイドルやアーティストの振り付けや、ミュージカル「刀剣乱舞」にっかり青江 単騎出陣、などの振り付けも手掛ける。

HBC制作 Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』(全6話)

放送概要
■番組名:Nisshoドラマスペシャル『三笠のキングと、あと数人』
■放送局 : 北海道放送株式会社(地上波北海道ローカル)
■放送日時: 2025年4月25日(金)午後6:30スタート 毎週(金)全6話
■再放送日時:2025年4月29日(火)午後11:59スタート 毎週(火)全6話
■主 題 歌 : GLAY/「Beautiful like you」
■番 組 HP : https://www.hbc.co.jp/tv/mikakin/

STORY
アイドルを夢見て上京した青年・健太と、地元で何者かになろうとあがき続ける先輩。心にぽっかり空いた穴を埋められずにいる二人が再会し、町の未来を変えようと動き出す。

現代社会での生きづらさを抱えた若者たちが巻き起こす騒動と、波乱に満ちたひと夏の日々をコメディタッチで描いた、魂をゆさぶる青春群像劇。

夢を追って転んでも、笑ってまた立ち上がればいい!小さな町で全力疾走する若者たちの魂の物語が、今ここから始まる ── 。

監督:榊原有佑、門馬直人、針生悠伺
脚本:我人祥太、林青維 原案:田邊馨
出演:高杉真宙、柄本時生 / 森田想、奥野瑛太、黒田大輔、阿部進之介、久保田磨希、柾木玲弥、皇希、しゅはまはるみ、東てる美 / 竹中直人、西岡德馬

***
取材: 山田文裕
文・編集:Sitakke編集部 ナベ子

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