【京都散歩コース】東寺・鉄道博物館・本願寺~世界遺産の名刹や鉄道の殿堂など見どころ満載
京都の玄関口である京都駅周辺には、さまざまな見どころが点在している。古都・京都のシンボルともいえる五重塔がある東寺は、唯一残る平安京の遺構。清和源氏の発祥の地と伝わる六孫王(ろくそんのう)神社、国宝の建物群が見られる西本願寺や東本願寺など、歴史ある寺社が目白押し。 また54両の車両を収蔵・展示する『京都鉄道博物館』や特別天然記念物のオオサンショウウオが観察できる『京都水族館』など、家族でも楽しめる施設も見逃せない。 途中、広い芝生がきれいな梅小路公園でのんびりしたり、最後に京都駅前にそびえる京都タワーから今まで辿ったコースを確かめるようにして京都中心部の町並みを一望するのもいいだろう。
【散歩コース】
スタート:京都駅から近鉄京都線で十条駅まで3分・180円
近鉄京都線十条駅(12分/0.7㎞)→atelier京ばあむ(15分/0.8㎞)→東寺 (教王護国寺)(18分/1.0㎞)→六孫王神社(10分/0.6㎞)→梅小路公園(15分/0.9㎞)→京都鉄道博物館(9分/0.5㎞)→京都水族館(17分/1.0㎞)→西本願寺(20分/1.1㎞)→東本願寺 (真宗本廟)(5分/0.3㎞)→渉成園(12分/0.8㎞)→京都タワー(6分/0.3㎞)→JR京都駅
→ゴール:JR京都駅
今回のコース◆約8㎞/約2時間20分/約1万歩
atelier(アトリエ)京ばあむ/京都生まれのバウムクーヘンのおいしさの秘密が見られる
銘菓「京ばあむ」を見て、触れて、味わえるお菓子の館。2階では、厳選した素材で作る京ばあむのおいしさの秘密やできるまでの様子が見られる。1階や3階では限定商品の販売も。
atelier京ばあむ(アトリエきょうばあむ)
住所:京都府京都市南区西九条高畠町1/営業時間:10:00~18:00(カフェ&レストランは11:00~17:30LO)/定休日:不定
東寺(教王護国寺<きょうおうごこくじ>)/世界文化遺産の真言密教の根本道場
平安遷都後の延暦15年(796)に国家鎮護のために創建。講堂では大日如来を中心に21体の仏像が安置された立体曼荼羅(まんだら)が見られる。高さ55mの五重塔は日本一の高さ。
東寺(教王護国寺)(きょうおうごこくじ)
住所:京都府京都市南区九条町1/営業時間:8:00~16:30/定休日:無
六孫王神社/清和源氏発祥の地と伝わる
清和天皇の六男の子・源経基(つねもと=六孫王)の邸宅跡に霊廟を建てたのが始まり。境内中央の神龍池は、経基の子・満仲(みつなか)誕生の時に琵琶湖の竹生島(ちくぶしま)から弁財天を勧請し、産湯につかったという伝説が残る。桜の名所としても人気だ。
六孫王神社(ろくそんのうじんじゃ)
住所:京都府京都市南区壬生通八条角/営業時間:拝観自由/定休日:無
梅小路公園/緑や花々があふれる都市公園
市街地にありながら豊かな緑と花々でくつろげ、広々とした芝生広場や水辺で遊べる河原遊び場などがある。有料施設となるが日本庭園の朱雀(すざく)の庭では、京都の作庭技術の粋を結集した池泉回遊式庭園が見られる。
梅小路公園
住所:京都府京都市下京区観喜寺町56-3/営業時間:園内自由/定休日:無
京都鉄道博物館/SLから新幹線まで、さまざまな車両を間近で見られる
鉄道に関する歴史や技術、文化などを総合的に紹介。日本最大級という鉄道ジオラマや、運転シミュレータなどの体験ができる。扇形車庫には約20両のSLがズラリと並ぶ。
●10:00~16:30。水休(祝の場合は開館)。入館1500円。
●京都市下京区観喜寺町。☎0570₋080₋462。
京都水族館/京都の海をまるごと再現した大水槽は圧巻!
日本最大級の内陸型水族館。国の天然記念物である希少なオオサンショウウオの展示やイルカスタジアム、クラゲワンダー、京都の海を再現した大水槽など、見どころが盛りだくさん。
京都水族館
住所:京都府京都市下京区観喜寺町35-1 梅小路公園内/営業時間:10:00~18:00(日にちにより異なる)/定休日:無
西本願寺/世界文化遺産に登録された桃山文化を代表する歴史的名建築物
浄土真宗本願寺派の本山。天正19年(1591)に豊臣秀吉により現在地に移転した。親鸞聖人像を安置する御影堂(ごえいどう)や阿弥陀如来像を安置する阿弥陀堂、伏見城の遺構と伝わる唐門など国宝も多い。
●5:30~17:00。無休。拝観無料。
●京都市下京区堀川通花屋町下る。電話075₋371₋5181。
東本願寺(真宗本廟)/「お東さん」と親しまれる古刹には世界最大級の木造建築がある
真宗大谷派の本山。慶長7年(1602)に徳川家康から寄進を受けて現在地に建立した。国の重要文化財の御影堂は世界最大規模の木造建築物。御影堂門も木造建築の門としては世界最大級だ。
東本願寺(真宗本廟)
住所:京都府京都市下京区烏丸通七条上る/営業時間:5:50~17:30(11~2月は6:20~16:30)/定休日:無
渉成園(じょうせいえん)/東本願寺の飛地境内地にある見事な庭園は国の名勝
江戸時代初期の武将で、庭園設計にも精通していた石川丈山(じょうざん)が趣向を凝らして作庭した。変化に富んだ景観は「十三景」と称され、四季折々の景色が楽しめる。
渉成園(しょうせいえん)
住所:京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入る東玉水町/営業時間:9:00~16:30(11~2月は~15:30)/定休日:無
京都タワー/京都駅前にそびえるタワー
地上100mにある展望室からは、眼下の京都駅をはじめ、周辺に点在する国宝や世界遺産に指定される数々の建造物を一望。京都の絶景パノラマを見渡せる。飲食店やみやげ物店のほか、ワークショップなどもある。
京都タワー
住所:京都府京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町721-1/営業時間:10:00~20:30(変更の場合あり)/定休日:無
【小説・映画『羅生門』の舞台へ】
羅城門/平安京の偉容を見せるために作られた表玄関
延暦13年(794)に桓武天皇によって行われた平安遷都。京域は東西73.5km、南北5.3kmで中央を走る朱雀大路で、左京と右京に区分された。
平安京の正門である羅城門(らじょうもん)は京域中央部の南端にあった。幅約33m、奥行き約8mの二重閣瓦屋根造で、棟の両端には金色の鴟尾(しび)が置かれていた。幅に比べて奥行きが短かったことから風に弱く、天元3年(980)の二度目の倒壊後は再建されなかった。
遺構は発見されていないが、唐橋羅城門公園には羅城門遺址の碑が立ち、京都駅前のメルパルク京都前には羅城門の模型がある。ちなみに羅城門は羅生門とも呼ばれていたという。
小説家・芥川龍之介は、『今昔物語集』を素材にして『羅生門』を執筆。平安時代の荒廃した羅生門を舞台に人間のエゴイズムや善悪を問いかける短編小説だ。映画監督の黒澤明は、芥川の小説『藪の中』を素材に『羅生門』を製作。タイトルや設定は『羅生門』を基にしたという。この作品はヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、アカデミー賞名誉賞を受賞している。
【京都グルメを堪能】
『笹屋伊織 別邸』見た目も豪華な和菓子を使った新感覚スイーツ
どら焼が名物の和菓子店。カフェでは、和菓子を味わうアフタヌーンティーや、すくって食べるおはぎなど、新しい食べ方を楽しめる。
笹屋伊織 別邸
住所:京都府京都市下京区朱雀堂ノ口町20-4 ホテルエミオン京都1F/営業時間:10:00~18:00(フードは~17:00LO。そのほかは~17:30LO)/定休日:無
『AMACO CAFE(アマコウ カフェ)』漬物店の乳酸菌が入るスイーツ
西利本店内にあるカフェ。乳酸発酵甘麹「AMACO」入りのスイーツが好評。甘みと酸味が加わり奥深い味わいに。AMACO入りのパンも販売。
●9:00~17:00LO。無休。
●京都市下京区堀川通七条上る西本願寺前 京つけもの 西利本店2F。☎075₋361₋8181。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より
アド・グリーン
編集プロダクション
1982年創業の編集プロダクション。旅行関係の雑誌・書籍、インタビューやルポルタージュを得意とし、会社案内や社内報の経験も多数。企画立案から、取材・執筆、デザイン、撮影までをワンストップで行えるのがウリ。