長期金利上昇。我々への影響は…?「政権の組み合わせ次第では財政赤字が相当出ちゃう可能性がある」
8月22日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)は、大竹まことが夏休みでお休み。経済学者の金子勝氏と青木理氏がパーソナリティとなり、朝日新聞の「長期金利上昇、一時1.610% 日銀利上げ観測背景」を取り上げ、金子勝と青木理がコメントした。
21日の東京債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)し、一時、前日終値より0・005%幅高い1・610%をつけた。リーマン・ショック後の2008年10月以来、約17年ぶりの高水準となる。
長期金利は住宅ローンの固定型金利や企業向け貸出金利の指標となる。長期金利はこの2週間で0.125%幅ほど上がったとなります。
青木理「朝日の記事見ると、上昇の背景には日銀の利上げ観測があるということだし、アメリカの財務長官が「日銀は金融引き締めが後手に回ってるんじゃないか」といって、日銀に利上げを促したというようなこともありましたよね」
金子勝「1.5%ぐらい上げろと」
青木「言ってんでしょ。というふうにしか書いてないんだけれども、しかもみずほ証券の専門家の方の話では「これ以上の金利上昇には材料が不足しているので、そんなに上がっていかないんじゃないか」と言ってるんだけど、僕は素人だからちょっと心配になっちゃうのは、10年物国債の利回りが上がるってことは、債券価格つまり国債の価格は下がってるわけですよね。つまりよく金子さんが心配されてるし、僕もそう思ってるんだけど、日本の財政だったりとか、あるいは経済に対する不安要素で上がっていってる、長期金利が上がって国債の利回りが上がってて債券価格下落してるというのは結構危ないっていう動きではないんですか?」
金子「危ないんだけど、多分、専門家という人が言ってるんだけど、この間の月単位でずっと見てみるとやっぱり利上げがすごいんだよ。利上げというか、金利の上昇、長期金利がね。よくネットで長期金利の動向とか調べると週単位とか、日単位とかあるじゃない?あれを月単位で見るとグーッと上がってるのがよく見えるんだけど、この間に政権が不安定だったり、政権の組み合わせ次第では財政赤字が相当出ちゃう可能性がある」
青木「それはあれですよね。つまり、この間の参議院選挙が典型的だったけれども、与党は踏みとどまったという表現が適切かどうか別としても、一時的な給付金はやるけれども、減税には踏み込まなかったけれど、野党は、ほぼ全党が減税、消費減税ってことを掲げたわけですよね」
金子「特に赤字国債でやれといってるのは国民民主党、参政党と令和かな。そこがすごく票が集まっちゃってるからあれだよね。そこを無視できなくなった時に一体どうなるのかとか。日本は特殊詐欺が当たり前に横行してるのと同じで、みんないくら赤字国債出しても大丈夫だみたいな詐欺みたいな主張がワーッとまかり通ってるんだけど、今は「ムーディーズ」でいうと、日本国債の格付けはA1だけど、Bに起こったらあっという間に国際が暴落してくるよ」
壇蜜「暴落するとどうなっちゃうの?」
金子「長期金利がバーッと上がってくる。日銀が一生懸命買い支えると今度は円安になってく。で、ガタガタになる」
青木「金利が上がれば例えば、家を買ってるローンの金利もどんどんあがるし、円安になればまた今度物価がどんどん上がっていって、結局、その程度で済めばだけれども、苦しくなるのは庶民」
金子「学者じゃないんだよ。経済学ちゃんと勉強してないやつが、財務省陰謀論みたいな言ってわんわんわんわんやるわけ。だからあんなもんみんな詐欺なんだよ。だって格付けが1発落っこちれば、そうなるってことはすぐわかるわけじゃん。わかるのに無視して、まだ破綻してないんだってすり替えの言い訳を言ってるわけ。実際にはかなりの程度日本国債は危うくて、材料がないっていう時材料で例えば赤字国債依存で消費税は廃止とかね。半分にしますとか言った瞬間アウトだよね」
青木「よく金子さんや専門家の方々が例えるんですけれども、イギリスのトラス政権が財源の裏付けを取らないまま大規模減税だみたいなことを言ったら、イギリスの国債なんかが売られてもうほんとあっという間にトラス政権が吹っ飛んじゃったというようなことがありましたよね」
金子「貿易赤字がひどいからね、日本は。そういう意味では支える経済力が弱いからちょっと危ないね」