愛猫を『ご長寿猫』にするための秘訣4選 1日でも長く一緒にいるために気をつけるべきこととは
1.バランスの取れた食事で健康を維持
猫の健康を維持し、長寿を目指すためには、食事管理が非常に重要です。「医食同源」ということわざがあるように、バランスのとれた食事は猫の長寿をサポートするのに欠かせません。
とくに猫は肉食動物であり、良質なタンパク質を中心とした食事が必要です。そのため米を主食としたわたしたち人間のような食事は、猫にとってよいものとは言えません。
その点総合栄養食として販売されるキャットフードは、猫の栄養バランスが考慮されているものが多いので、誰でも比較的簡単に猫の栄養管理ができます。
「キャットフードと水だけであれば、長寿も可能」というと賛否両論あるかもしれませんが、少なくとも筆者が勤めていた動物病院でのご長寿猫たちは、キャットフードと水(たまにおやつ)が基本でした。
そのため必ず手作り食を与えなければいけない、ヒューマングレードのフードを与えなくてはいけないことはないと考えます。
もはや猫の栄養について詳しくない人が手作りするよりも、その子の体質に適したキャットフードの方がいい場合もあるでしょう。
加えて新鮮な水を常に用意し、水分補給をうながすことも忘れてはなりません。特に腎臓病のリスクが高い高齢猫にとっては、水分摂取が非常に重要です。
ちなみに筆者の愛猫は子猫のときからキャットフード(総合栄養食)+水とおやつだけを食べてきましたが、現在14歳で元気なおじいちゃん猫となりました。
2.適度な運動と遊びで体力をキープ
猫が健康で長生きするためには、適度な運動も必要です。
運動不足は肥満や筋力低下を引き起こし、健康に悪影響を与える可能性があります。毎日少しの時間でも、猫と遊んであげることが大切です。
猫じゃらしやボール、爪とぎポールなど、猫が興味を持つおもちゃを使って、運動をうながしましょう。
またキャットタワーなどを設置することで、猫が自発的に運動できる環境を整えることも効果的です。筋力を維持し、ストレス発散にもつながります。
遊び時間の目安は、猫の年齢と状態によって変わりますが、基本的に10分/回×2程度が好ましいです。
ただし老猫や持病を持つ猫は、無理をさせないように注意しましょう。
3.定期的な健康チェック
愛猫が長生きするためには、定期的な健康チェックも大切。可能であれば年に1~2回の健康診断を受けて、病気の早期発見に役立てましょう。
とくに猫がよく罹患する腎臓病や糖尿病、心臓病などは早期発見・治療が重要です。また予防接種や寄生虫駆除(外に出る場合)、歯のケアも忘れずに行えるとベター。
とりわけ高齢になると免疫力や体の器官の能力が低下しやすくなるため、健康管理には一層の注意が必要です。
さらに自宅でのケアもポイント。食事の量・体重の増減・全身状態・運動量など、日々のセルフチェックも定期的に行えるといいでしょう。
健康観察を怠らず、もし気になる症状があればすぐに獣医師に相談することが大切です。
4.安心できる環境づくりでストレスを軽減
猫が安心して暮らせる環境を整えることも、長寿の秘訣のひとつです。
猫は非常に敏感で、とりわけストレスに弱い動物。人間にはどうってことない環境の変化や騒音にも、ストレスを感じてしまいます。
そのため猫が安心して過ごせる静かなスペースを用意し、常に清潔な住環境を維持しましょう。それが猫のストレスを溜めにくくするための秘訣です。
また猫のプライバシーを確保するために、隠れられる場所や、日光浴ができる窓辺なども整備すると良いでしょう。
消耗した体力を回復させるためには、ストレスを感じずにしっかりと安静に休めることが大切です。
このようにストレスを溜めない・軽減することは、猫の心身を守り、健康維持に役立ちます。
まとめ
愛猫を「ご長寿猫」にするためには、日常のケアが非常に重要です。
バランスの取れた食事・適度な運動・定期的な健康チェック・そしてストレスの少ない安心できる環境が、猫の健康と長寿をサポートします。
愛猫の健康を守ることは、飼い主の責務のひとつ。ぜひこの記事を参考に、愛猫と健やかに、長く幸せな日々を過ごしてください。
(獣医師監修:葛野莉奈)