秋の駅弁はこれ一択!? 淡路屋の『きつねのへそくり』がいろいろな意味で最高
行楽の秋である。ゆっくりと、ハイキングや紅葉狩りに赴くことができれば最高だ。しかし一方で外出や遠出ができなくとも、手軽に秋を感じられる方法がある。
淡路屋の弁当『きつねのへそくり』を買うだけで万事解決だ。個人的には秋を感じるためにいただく駅弁は、この一択だと思っている。その理由について以下、説明させてほしい。
・パッケージが秋らしい
まず目を引くのは、パッケージデザインだ。細長い弁当箱を、キツネと木の葉があしらわれたケースで包んである。木の葉の中には、キツネの尻尾やドングリなどが隠れている模様。
思わず手に取りたくなる秋らしいパッケージかつ、商品名『きつねのへそくり(オンラインショップ税込1380円)』を絵に落とし込んだ秀逸なデザインである。
しかし、ここはまだまだ序の口。『きつねのへそくり』が本領発揮するのは、蓋を開けてからだ。
・見た目の彩りの豊かさ
開けてびっくり、彩りがそれはそれは豊かなのだ。まずはじめにイチョウ型にくり抜かれた黄色いかまぼこと、紅葉型のオレンジ色のにんじんに引き付けられる。
そして2種類の油揚げと銀杏、細切りにしたごぼうとにんじんがギッシリ。落ち葉でいっぱいの、秋の地面のようだ。キツネがどこかからご飯を運んできて、せっせとこの空間を作ったイメージが湧いてくる。
同じく淡路屋の駅弁に『きつねの鶏めし(オンラインショップ税込1080円)』という商品がある。そちらもまた、キツネを想起させるひと箱で記者はとても気に入っているが『へそくり』はより絵画的であると感じた。
・食べ進める楽しみ
なによりも、食べて楽しく美味しいところが『きつねのへそくり』のすごいところなのだ。是非ともご自身の目と舌で確かめてほしいのだが、見えているものがすべて出ないところがミソ。
揚げや細切りのごぼうとにんじんなどをめくると、中から出てくるのは合鴨肉にキノコに栗、カボチャにくるみ、味付けご飯。次から次へと、出るわ出るわ。
『きつねのへそくり』とは言いえて妙だと、何度繰り返したかわからない感想を再度抱く。食べる前から、これほどまでにワクワクする駅弁はそうそうない。
しかもまた、味が良いのだ。濃い目の味付けご飯に、出汁がしっかりしみた油揚げ、細切りの野菜たちは軽く揚げてあるだろうか。
歯ごたえのある鴨肉は、炭火の香りがする。ほろ苦い銀杏に、甘みのある栗とカボチャ、しゃきしゃきのキノコ。時折コリっとした食感と渋みをプラスしてくれるクルミも、良い仕事をしている。
またご飯を食べることに一生懸命になって忘れてしまいそうになるが、付け合わせも最高。青菜のお浸しに、サツマイモのレモン煮、梅干しも箸休めにちょうど良い。
その上、見た目よりもボリュームがあって、お腹がいっぱいになるところもありがたい。見てよし食べてよしで、非の打ち所が一切ない完璧なひと箱であると感じる。
満足度が高すぎて、この時期は駅弁と言えば『きつねのへそくり』さえあれば満足……と記者が思う理由が、少しは伝わっただろうか。
とにもかくにも、秋のイチオシ駅弁である『きつねのへそくり』。万が一、駅弁売り場で選択に悩むことがあれば、こちらの記事を思い出していただければ幸いである。
参考リンク:淡路屋「きつねのへそくり」
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.