夏本番に向け熱中症対策を 上越消防署が家電量販店などで広報動画
夏本番を前に、上越消防署は2025年6月15日から、新潟県上越市内の家電量販店や商業施設で、熱中症への注意を呼び掛ける広報動画を流している。救急救命士が予防法と応急処置を分かりやすく解説したもので、「命の危険を防ぐために多くの人に見てほしい」と初めて取り組んでいる。
《画像:テレビコーナーで広報動画を流し予防を呼び掛け(ケーズデンキ上越インター店)》
熱中症患者が増える時期を前に、予防意識や動画の認知度向上を図り、広報活動に力を入れている。動画は2年前に制作されたもので、熱中症にならないためのポイントとして①エアコンを上手に使う②こまめな水分塩分補給③暑い日を事前にチェックするの3点を挙げているほか、熱中症になってしまった場合は「体を冷やす」「涼しい場所で安静にする」などの応急処置も解説している。
《画像:熱中症予防動画》
ケーズデンキ上越インター店やヤマダデンキテックランドNew上越店のレジ近くやテレビコーナーのテレビ、無印良品直江津店内のデジタルサイネージで8月下旬まで、上越市役所ホールと市民課受け付けでも7月1〜11日に掲示する。
《画像:レジカウンター近くでも掲示(同)》
上越地域消防局管内では、昨年1年間の救急出場1万1487件のうち、吐き気や頭痛、めまいなど熱中症関連が139件、搬送された人員は142人だった。約5割が屋内で起きていて、エアコンをつけずに過ごしていたり、水分補給が足りていなかったりしたという。
搬送人員のうち約5割が65歳以上の高齢者で、住宅内や農作業中に症状を訴えており、若年層などで多いのは運動やレジャー、外仕事、飲酒に絡むものだった。
《画像:熱中症対策を呼び掛けるちらし》
同署救急隊の小山拓也消防司令補によると「高齢者の方は特に暑さや喉の渇きを感じにくく、エアコンを控えたり、水分補給が足りなくなる傾向にあり注意が必要」という。「熱中症は対策で防げるもの。動画を見てこまめな水分、塩分補給と温度管理で、日頃から自分の命を守る行動を心掛けてほしい」と呼び掛けている。