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愛川町 外国人消防団で言語支援 避難所での支援、創設は初

タウンニュース

団員専用のヘルメットを紹介する職員

災害発生時に言葉でのコミュニケーションが困難な外国籍の住民をサポートする「多言語機能別消防団」が7月7日、愛川町に発足する。団員全てが外国籍で、町内初の多国籍組織として外国籍住民の円滑な避難などを手助けする。

機能別消防団は一般的な消防団とは違い、能力や特徴を生かした活動をする組織。町内には、内陸工業団地、大塚下工業団地の機能別消防団がある。

新たに創設される「多言語機能別消防団」は、災害発生時における避難や避難所生活で通訳や翻訳を担うほか、訓練や町のイベントに参加してPR活動を行う。団員はブラジル人2人とフィリピン人2人、カンボジア、ベトナム、ペルー国籍各1人の計7人で、言語はポルトガル語、タガログ語、クメール語、ベトナム語、英語、スペイン語に対応。皆日本語が堪能という。

背景にあるのは外国籍住民の増加だ。町内には現在45カ国を超える国と地域の外国籍3500人が暮らしており、町の人口の8%を超えている。今回の創設で、日本語が理解できない外国籍の人が、災害発生時の避難所での意思疎通や災害情報の共有など言語によるトラブルを回避し、町が掲げる「誰一人取り残さない町愛川」に向けた取り組みを目指す。消防によると同様の組織は、全国的にもまだ少ないという。

7月7日(日)に町消防庁舎で発足式が行われ、通訳が出来ることと対応言語が書かれた専用の制服などがお披露目される。岩本誠消防長は「今後、長期間に渡って避難所生活を強いられることのある大規模災害の発生があるかもしれない。町内で行われている避難訓練に外国籍の人の参加は少ない。外国籍の人が呼びかけることで、一人でも多くの外国籍の方が行動に移してくれたら」と期待を寄せた。

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