主演・菅田将暉×黒沢清監督の映画『Cloud クラウド』 第49回トロント国際映画祭への正式出品が決定
9月27日(金)に公開される映画『Cloud クラウド』が、第49回トロント国際映画祭に正式出品されることがわかった。
映画『Cloud クラウド』は、『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』『スパイの妻』などで知られる黒沢清監督の最新作。初タッグを組む菅田将暉を主演に迎えたサスペンス・スリラーだ。菅田が主人公の吉井良介を演じているほか、吉井の謎多き恋人・秋子役で古川琴音、吉井に雇われたバイト青年・佐野役で奥平大兼、ネットカフェで生活する男・三宅役で岡山天音、吉井が働く工場の社長・滝本役で荒川良々、吉井を転売業に誘う先輩・村岡役で窪田正孝が出演している。
吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら“ラーテル”というハンドルネームを使い転売で日銭を稼いでいた。医療機器、バッグにフィギュア……売れるものなら何でもいい。安く仕入れて、高く売る、ただそれだけのこと。転売の仕事を教わった高専の先輩・村岡(窪田正孝)からの“デカい”儲け話にも耳を傾けず、真面目にコツコツと悪事を働いていく。吉井にとって、増えていく預金残高だけが信じられる存在だった。そんな折、勤務先の社長・滝本(荒川良々)から管理職への昇進を打診された吉井は、「3年も働いたんだ。もう十分だろう」と固辞し、と、その足で辞職。郊外の湖畔に事務所兼自宅を借り、恋人・秋子(古川琴音)との新しい生活をスタートする。地元の若者・佐野(奥平大兼)を雇い、転売業が軌道に乗ってきた矢先、吉井の周りで不審な出来事が重なり始める。徘徊する怪しげな車、割られた窓ガラス、付きまとう影、インターネット上の悪意。負のスパイラルによって増長された憎悪はやがて実体を獲得し、狂気を宿した不特定多数の集団へと変貌。その標的となった吉井の「日常」は急速に破壊されていく。
日本時間8月6日23時頃、第49回トロント国際映画祭がラインナップが発表。映画『Cloud クラウド』は、現地日程9月5日から9月15日に開催される第49回トロント国際映画祭のセンターピース部門に正式出品されることが明らかになった。同作は、第81回ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア上映に続いて、同映画祭でプレミア上映されることになる。
『トロント国際映画祭』は、カナダ最大の都市・トロントで開催される、北米最大規模の来場者数を誇る映画祭。2024年で49回目の開催を迎える。黒沢清監督作品では、1998年に『CURE』が初めて同映画祭に選出。翌1999年に「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として特集上映が行われて以来、黒沢作品は『回路』、『トウキョウソナタ』、『贖罪』、『岸辺の旅』など、発表するたびに招待されている。『Cloud クラウド』が上映される「センターピース部門」は、2022年までは「Contemporary World Cinema部門」との名称だったカテゴリー。国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能あふれる監督のプレミア作品、世界に影響力のある巨匠の最新作などを紹介している。
トロント国際映画祭プログラマーのジョバンナ・フルヴィ(Giovanna Fulvi)氏は、「『Cloud』を招待することができ、大変嬉しいです。本部門は、トロント国際映画祭の核といえる部門で、世界中から高く評価されている作品や、日本を代表する映画監督である黒沢清監督のように、世界へ影響力のある方の最新作をお披露目しています。『Cloud』の魅力的な物語は現代的な恐怖と共鳴しており、いかにして些細な恨みが制御不能な暴力にエスカレートしていくかを描いています。主演・菅田将暉さんの説得力ある演技によって、この映画は一種の教訓的な話でありながら、ネット上の悪意に実生活を脅かされる恐怖が存在している、現代のメディア環境の“カオス”を、スリル満点に体験できる作品に仕上がっています。黒沢清監督の最高傑作!」コメントを寄せている。
また、同作ノベライズが宝島社より9月4日(水)に発売されることも決定。これまでに、『怪物』、『アルキメデスの大戦』、『そして父になる』などのノベライズも担当してきたライターの佐野晶氏が手掛ける。
『Cloud クラウド』は9月27日(金)、TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー。