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ワーチャレで好発進、東京の強豪・FC大泉学園が実践する子ども主体で気づきを促し、個性を活かすチーム作り

サカイク

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ初日に3連勝を飾り、好スタートを切ったFC大泉学園。昨年は全日本U-12サッカー選手権大会東京都予選の決勝に進出し、後に全国優勝することになる、東京ヴェルディジュニアを追い詰めるなど、毎年安定した結果を残している強豪チームです。

ワーチャレでは初日の快進撃から一転、2日目のマルバFCとの対戦では個人能力の高い選手たちに苦戦を強いられましたが、最後まで諦めずに戦い抜きました。

試合後、小嶋快監督と攻守の要となった柏木優希選手、田中理貴選手に話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之/写真:新井賢一)

 

(初日3連勝と好発進したFC大泉学園)

 

 

 

 指導者インタビュー 

■予想外の3連勝スタート

――ワーチャレの予選リーグ、3連勝という素晴らしいスタートでした。感想をお聞かせください。

小嶋 正直、出来すぎです。今回ワーチャレは4回目なのですが、これまでは全然勝てていませんでした。体格の大きい子にやられてしまうことが多かったのですが、今回は同じグループにそういうチームがいなかったので、ある程度はサッカーができたかなと思います。

(予選リーグ3連勝に正直、出来すぎですと謙遜するFC大泉学園の小嶋快監督)

 

――予選リーグ4試合目はマルバFCとの対戦(0対2で敗戦)でしたが、試合はいかがでしたか?

小嶋 マルバさんはスクールから選抜されているチームで、オールスターのような感じで個の能力が高い子が多くいました。対応にすごく苦労して、なかなか攻撃に出られなかったですが、子どもたち的には感じることが多かったと思います。

 

■子ども主体で気づきを促す指導

(円陣を組むFC大泉学園の選手、コーチたち)

 

――ハーフタイムにプレスの修正をしていましたが、どのような狙いがあったのでしょうか?

小嶋 相手には普段の試合で対戦している子も多く、気持ち的に引いてしまっているところがありました。あの感じでやっていても得るものがないので、「もうちょっとラインを高く設定して、その上でチャレンジして、ダメだったら変えればいい。積極的にチャレンジしよう」という話をしました。

 

――ワーチャレは11人制での戦いですが、それについてはいかがでしょうか?

小嶋 9月に入って関東大会があったり、東京都のTリーグがあったり、その後すぐ全日本U-12サッカー選手権の予選があるので、11人制に向けたチームづくりはほとんどしていません。その中で子どもたち主体で、8人制と違う部分を話し合っています。

たとえば、縦に攻め急いでも人数がかけられないから、選手同士の距離感をどうすればいいかとか、守備のスライドといった部分です。子どもたちが気づいていないところはこちらから促して、気づいてもらって、8人制につなげてもらえればと思っています。

 

■型にはめない育成哲学

――毎年安定した結果を残されていますが、どのような指導を心がけていますか?

小嶋 チームとして、特定の型を作らないようにしています。毎年、入ってくる子どもたちの個性は違います。私たちのクラブは、こういうサッカーをしたいからといって、それに当てはまる選手を取って来れるわけではありません。

今いる選手のいいところを伸ばして、プレーを通して自分らしさを出すことを大切にしています。実際、去年と今年のチームはタイプが全然違います。去年は技術的に高い子が多く、今年は技術はそこまでではありませんが、手を抜かずに頑張る子が多いです。選手の個性を活かしながら、チームになっていくことを目指しています。

 

――中学年代への橋渡しとして、ジュニア年代をどのように位置づけていますか?

小嶋 私たちは幼稚園とジュニアのカテゴリーだけで、ジュニアユースはありません。ジュニア年代は通える地域が限られているので、まず地域にいいチームを作ろうというところからスタートしました。

中学生になると子どもだけで通えるようになるので、自分で行きたいチームを選んで行ってくれればいいと思っています。そこまでは平均的にどのスキルも身につけさせてあげて、その中でドリブルが好きとか、ロングキックが蹴れるといった長所を伸ばしながら、型にはめすぎないことを意識しています。

 

――ワーチャレは世界にチャレンジする場ですが、大会の意義についてはどう捉えていますか?

小嶋 一昨年はユベントスとやらせてもらったりと、普段対戦できないチームとやれる大会なので、すごくいいと思います。今回は奈良クラブさん、サンフレッチェ広島さんなど、遠方のJクラブと試合をすることができました。普段なかなか試合ができるチームではなく、サッカーのタイプも違ったので、すごく勉強になりました。

 

 選手インタビュー 

■攻守の要2人の感想は

(試合後インタビューに答えてくれた柏木優希選手と田中理貴選手)

 

ボランチ、サイドハーフの柏木優希選手(10番)と、サイドバック、サイドハーフの田中理貴選手(16番)に話を聞きました。

 

――マルバ戦の感想を聞かせてください。

柏木優希選手 相手にだいぶパスを回されたけど、バック陣がすごく頑張ってくれて、前半1点で抑えられたことは良かったと思います。これからもっと守備を連動していくことが大事だと思います。

田中理貴選手 後ろでボールを取り切れそうな時もあったけど、取り切れなくて、守備のしんどい時間が続いたけど、みんなで頑張りました。

 

――初日の3試合を振り返って、通用したプレーやチームの出来はいかがでしたか?

柏木優希選手 前線から守備を強く行って、中盤でボールを取れて、そこから攻撃の起点が始まったので良かったです。

田中理貴選手 1対1でかわされないで粘り強く行って、シュートも入って良かったです。

 

――得意なプレーと好きな選手を教えてください。

柏木優希選手 得意なプレーは前線で守備の強さや速さ、相手より一歩早いスピードなどです。好きな選手はマンチェスター・シティのハーランド選手です。前で相手を背負い、強引にシュートを狙っていくところが好きです。

田中理貴選手 得意なプレーはドリブルや足元の技術です。好きな選手はマルセロです。相手を騙すプレーが見ていて面白いです。

 

――FC大泉学園はどういうチームですか?

柏木優希選手 全体的に声かけをしっかりしているので、その部分では相手より1歩上だと思います。

田中理貴選手 最初は守備から入って、その守備を頑張って、それが点につながるサッカーです。

 

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